第3話 艦隊結成
「レスティ、調べはついたかな?」
「間違えなく同じ工房に造船依頼出した船が狙われています」
「やっぱりそうでしたか・・・」
「クレテス商会もですね、誤算はエステス号が引き継いだ事ですね」
「こちらの動きに相手は知ったかな?」
「大丈夫だと思いますが、油断させた方が良いですね」
「駆逐艦は離れて入港させて油断させてエステス号を襲わせますか?」
マサテルの言葉にバウロスとレスティ苦笑いをする
「海賊を取っ捕まえて警備隊動かす方が良いですね」
「造船と修理が進んでいなかったら、裁判に持ち込んで揺さぶりをかければ直ぐに襲ってくるかな?」
「そろそろ巡洋艦受取に行きますか?」
「良い時期ですね」
「巡洋艦?え?何ですか?」
「クレテス商会の造船していた船です」
「クレテス商会の船ですか?え?私達の船ですか?」
「本当に作っていたらね」
レスティもマサテルの言葉に納得する
作戦会議を始め、海賊を誘い出して潰す旨を伝え
「クーゼン駆逐艦は少し離れて航行して、時間差で港に入港して欲しい」
「わかりました」
「もし救援が必要ならば発光信号で指示するから、そうしたら警備隊に連絡をいれて欲しい」
「警備隊にですね、妨害電波圏に入る前に連絡するようにします」
「レスティは警備隊に調べた内容を先に伝えておいてくださいね」
「了解しました」
「しかし本当に海賊は現れますか?」
「現れるように仕掛けをこちらからやるので可能性はあると思います」
造船所のある港へ向けて出港して、順調に到着する
積み荷の積み降ろし後、商業ギルド内のクレテス商会に入り手紙などを確認して造船所に向かう
「クレテス商会のマサテルだが造船の状況確認に来た」
「少々お待ちください」
そして担当者がやってくる
「お待たせしました、巡洋艦ですが、まだ完成していません・・」
「何故ですか?理由を説明してください」
担当者はあれこれ言っているが全く作っている気配が無い
「4ヶ月前と全く状況が変わって無いですよね、説明にもなっていないですね、あなたでは埒があきません、代表を呼んでください」
「代表は今日は出掛けていておりません」
「部品の発注書と工程表を見せてください」
「それは・・・・社外秘ですので、無理です」
「そうですか、これはレーダーの製造元に確認した内容です、こちらの造船所から注文は貰ってないと確認がとれていますが」
「え?・・・・そんなはずは」
「どうしたのですか?他の部品も全てを調べた方が良いですかね?」
「それは・・・・・」
「ハッキリと言え!!」
「そんなはずは無いと思いますが・・・」
「あなたでは意味がないので上司を直ぐに呼んできてください」
担当者は出ていき、1人の男を連れて戻ってくる
「巡洋艦の件ですが、直ぐに調査しますので、時間をください」
「何時間で調べられますか?工程表も部品も無いのでは?」
「そんなことは無いですが手違いが有ったのかと思います、2ヶ月ください」
「そもそもちゃんと造船しているのですか?こちらの整備士に中を確認させてください」
「それはルール上出来ません」
「わかりました、では直ぐに裁判所に訴えますのでそのつもりで!!」
そう言って出ようとすると
「それは勘弁してください必ず納品しますので・・・信じてください」
必死に言ってくるが無視する
「手筈通りに今から告発してください」
「わかりました、本当に詐欺と言うこともありますね、これだけの状況が判明していると・・・」
「よろしくお願いします、このデータは先ほどの会話の録音です」
造船所の巡洋艦を横目にレメトス号の様子を見に行く
「こっちは順調の様ですね」
「そうですね、完成しないと保険会社から支払が無いですからね」
エステス号に戻り出港の準備を始め、レメトス号の元船員の家族に会ったり、弁護士との打ち合わせの確認してから出港する
「仕掛けてくるとしたらこの付近ですかね?」
「そこが濃厚ですね」
「警備隊はどの辺りにいますか?」
「この付近の調査と言っていました」
順調に航行していくと予想通りの海域で妨害電波が発生する
「カウセル号に信号を送って」
「了解しました」
「少し速度を落としてから反転してください」
「了解しました」
後退を始めると駆逐艦が2隻出てきて砲撃をしてくる
「2隻共速度を上げて来ます」
「全速力で逃げてください、駆逐艦の距離は保ちながらね」
「了解」
「駆逐艦との距離が縮まり始めました」
「カウセル号に攻撃指示」
カウセル号が海賊船に向かって動き横から攻撃を始めると1隻目はエンジンと主砲に命中して流されるように軌道がそれていき大破する、2隻目は逃げようとするが後方に回りエンジンを停止させて止めると妨害電波は無くなり海賊船から降伏の通信が入る
「何故駆逐艦がこんなところに!!」
「護衛艦だから居るに決まっているだろ?」
「動力を停止して大人しくするのだな」
「わかった・・・死にたくないからな」
「造船所からの依頼には駆逐艦の事は無かったみたいだな」
「何故それを!!まさか知っていて襲わせたのか?」
「もう終わりだよ!観念しろ全て情報は揃っているからな」
「馬鹿な何故だ!まさか裏切り・・・」
「造船所もその後ろにいる奴もみんな終わりだよ」
「クソー!!」
「どのみち口封じされてお前達は終わりだったがなワハハハ」
「あいつら!!」
「お迎えが来たようだな」
「こんな早く警備隊が・・・終わりか・・・・」
半信半疑だった海賊も観念したらしく
「頼む見逃してくれ、なんでもするから・・・」
「しかしなー」
「持っている証拠は全て出すからお願いだ・・・とりなしてくれ」
「警備隊に一言だけ伝えてやっても良いかな」
「頼む・・・」
警備隊は海賊船に横付けして海賊を捕まえる
「エステス号協力ありがとうございます」
「どうやら思っていたより後ろには色々いそうですね」
「しかしこれ程の事になるとは・・・証拠も揃ったので黒幕も捕らえられます」
「死んだ人達の仇を討ってくださいね」
「任せてください」
数日後、警備隊は証拠を元に造船所と貿易会社と保険会社と黒幕の政治家も全て捕らえ全ての罪状を調べ始める
そして、全てを公表して大騒ぎになるが、クレテス商会の事は言わず、警備隊が調べて退治したと発表する
「クレテス商会の手柄を私達の手柄にしてしまい申し訳ない」
「こちらも海賊船だった駆逐艦2隻と注文していた巡洋艦の確約、賠償金に工房が駆逐艦の改造費用を全て持ってくれたから言うことは無いですね」
「ありがとうございます」
「まさか詐欺の上に口封じなんて・・・それも造船所と貿易会社がグルで海賊に襲わせるなんて・・・保険会社が保険を水増ししてリベートを貰っているなんて・・・」
公表された情報にエルザは驚き、エレンは襲われた理由に肩を落とす
「レント号の方ももう安全かな?駆逐艦の詐欺は明確だけど造船所の威信にかけて造船すると明言しているしもう大丈夫だね」
エレンは頭を下げてお礼と忠誠を誓う
「新しいクルーを集めないとね」
「誰を艦長にするかですね」
「エルザを艦長にするつもりだよ、輸送船は新しい人に操作だけして貰いバウロスが指示をとって欲しい」
「そうですね、経験は少ないですが信用は出来ますからですね」
「後はクルーを優秀なのを集めないとね、出来れば元船員の家族がなってくれれば良いだけど」
船員の募集を低価格で出しても直ぐに応募がある
「元船員の家族が来ました」
「すいませんがやとって欲しいのですが」
「何が出来ますか?」
「私は通信士です、彼は操舵士で、彼女は看護師、彼は機関員です。募集を見て本当に船員を集めているのを知ってやってきました、どうかよろしくお願いします」
「安いし、きついですよ!それに命懸けの時もあります」
「わかっていますが、経験が無いので何処でも雇って貰えなかったのでチャンスをください、お願いします」
「こちらこそよろしくお願いします、一緒に冒険しましょう、本当は来てくれるのを待っていました」
「待っていた?」
「エルザの父親が信頼した船員の家族であれば信頼出来ると思っていましたので」
「本当ですか?」
「通信士のミテアさん、操舵士のクロウさん、看護師のメリヤさん、機関員のロットさんでしたよね」
名前を言われて驚きながらも頭を下げる
「ありがとうございます」
応募の有った人達を面談して採用する人を決める
操舵士が3人と砲撃手が2人と通信士3人とレーダー技士4人と整備士3人と機関員5人と料理人4人と医者が2人と傭兵3人と問題児(整備士のロゼ)
「今回はこんなもんかな?」
「そうですね、鍛えがえがありそうです」
「100人も応募があるとは思いませんでした」
「だけどまだまだ足らないですね」
「いくつかの港で雇えば良いですね」
1ヶ月後駆逐艦2隻とレメトス号が納品される
「輸送船には交代で常駐させます」
「エレン積み荷と商業ギルドの打ち合わせは任せます」
「わかりました、全力で頑張ります」
「サポートはしますので、倒れないようにしてくださいね」
「マーサさんすいませんがエルザから離して」
「気にしないでください」
「今回は3人の料理人に料理を教えてください」
「そういうことでしたか」
マーサは微笑み頷く
「イゼル、あのロゼは本当に更正出来ますか?問題児過ぎているいるけど」
「更正しなかったら、宇宙に放り出すだけだ!!」
「頼みます」
全ての準備が完了して艦隊を組んで出港する
そして順調に次々と港を渡り続けて故郷の港に到着する
「ここで又何人か雇うことにしようと思うけど良いかな?」
「みんな慣れたので良いと思います」
「人材は宝ですからね、また海賊とやりあう事もあるだろうしね」
商業ギルドに行き仕事の確認をしてから船員紹介所に向かうとレベロスが汚い姿に座り込んでいるがこっちを見て
「バウロス様、マサテル様おおお願いです、雇ってください」
「まだいたのですか?誰にも相手にされないのがわかりましたか?」
「私の価値はほぼ無いので、ご飯と寝る場所があれば何でもやりますのでお願いします」
「レスティどうする?」
「信用は出来ません、なにかあれば宇宙に捨てれば良いだけですけど」
「バウロスは?」
「まぁー少し様子見ですかね、操舵士は余っていますからね」
「お願いしますお願いします」
「リンドは?」
「信用は出来ません、身分は一番下でしょうね」
「お願いします!!!」
「バウロス任せます」
「はぁー仕方ないですね」
船員紹介所にはいり募集の設定を行い船に帰る、汚いレベロスは途中身だしなみを直させた、そして船を見た瞬間レベロスは固まり涙を流す
「まさか駆逐艦・・・」
「マサテル提督と呼ぶように!!バウロス副提督ともね!!」
レスティの言葉に
「マサテル提督バウロス副提督・・・」
レベロスは後悔をし始める船を降りなければと
「提督警備隊から連絡がありました」
「警備隊から?何のようだろう?」
「艦隊を見て確認の様です」
「わかった、通信を繋いでくれ」
「クレテス商会代表のマサテルです」
「駆逐艦3隻も持つ艦隊の提督ですね」
「そうですが何かありましたか?」
「駆逐艦を見たこと有ったので」
「駆逐艦は元は海賊船でしたので、討伐した時に頂きました」
「そうでしたか、わかりました、今のあなたの艦隊を襲う海賊はいないでしょうね」
「わかりませんが、気を付けて航海するつもりです」
「お手間をおかけしました」
「やはり威圧感が有ったのかな?」
「これだけの艦隊はこの辺りでは珍しいですから」
「しかしまだ幹部が足りないもう少し集めないと」
「そうですね、巡洋艦が完成したら、駆逐艦の艦長を任命しないといけないですからね」
「バウロス駆逐艦任せて良いかな?艦隊副提督兼だけど」
「了解しました、巡洋艦の副艦長はレスティにしますか?」
「副艦長はクレスにやってもらおうと思うけど良いかな?」
「クレスならば問題有りません、優秀で信頼出来る通信士を何人か雇わないといけないですね」
「他もまだまだ足らないですからね、新しい人は数ヶ月訓練が必要ですし信頼関係を作らないとね」
操舵士2名、通信士5名、レーダー技師4名、機関員6名、医師2名、看護師4名、整備士4名、料理人2人、砲撃手1人の30名の船員を採用する
今回は3人良い人材がいた、
1人目は看護師のユニス、格闘も銃も得意でどちらかと言うと護衛役も出来る
2人目は通信士クーラ、レーダーと操舵両方出来るがそれ以上に頭の回転が早い
3人目は機関員ゼロム、エンジンと動力の開発までやっていたので詳しい
各艦の積み荷を積込をして出港することにするいくつかの港を回りながら、交易を続けていく
航路を進んでいると隕石の影に船影を見つける
「提督、船影発見隕石の影にいます」
「臨戦防衛体制をとれ」
「了解しました」
各艦に通達し進む
「レキテス号に輸送船の護衛と警戒を怠らない様に伝えろ」
「了解」
クロレス号は船影に近付き確認する
「輸送船です!熱源が小さいですが、船が損傷しているようです」
「通信は繋がるか?」
「返事が有りません」
「カウセル号に周囲の警戒をするように伝えクエレスに小型挺で調査に向かわせろ、クーラ、ユニスも行ってくれるか?」
「了解しました行ってきます」
「提督報告します、この船は4日前に動力トラブルで漂流したもようです、現在生存者を捜索しています、機関には整備士と機関員が先行しています」
「機関室動力が故障していますが、修理可能です、修理しますか?」
「修理してくれ」
「了解しました」
「食堂で人を発見しました、まだ生きている人がいます駆逐艦に運ぶ許可をお願いします」
バウロスを見るとバウロスは頷く
「許可する」
「メッサーラさんに準備してもらうように伝えて」
4人は生存していたが、5人は死亡を確認した
「警備隊に連絡した方が良いかな?」
「念のため連絡しておきます」
レスティは警備隊に連絡をとるそして輸送船の動力の修理が終わり輸送船は動き出し、一緒に港に向かう
「前方に艦影、警備隊です」
「警備隊に連絡を」
「警備隊から返事がきました、停船の要請です」
「全艦停船して輸送船を前に」
輸送船に小型挺が着き船内でクエレスが説明をして、警備隊が確認をする
「警備隊からです」
「クロレス艦長のマサテルです」
「協力ありがとうございます、4人の様態は?」
「船医が観ていますがまだ目を覚ましていません」
「わかりました、このまま港まで同行をお願いします」
「わかりました、後ろを着いて行きます」
警備隊の駆逐艦は反転して港に向かう
港に着いたら4人を引き渡し警備隊と話し合いした後交易をして出港準備をする
「警備隊から連絡です4人とも目を覚ましてもう大丈夫とのことです」
「ご連絡ありがとうございます、無事が確認できて安心しましたと返事をしてください」
そしてまた、交易の旅を続けていると商業ギルドに伝言が入っていた
『この度は命を救っていただきありがとうございます、私達は港に滞在していますのでもしお会い出来るならばお会いして御礼を言いたいです』
「これはこの間の輸送船の船員からですかね」
「そうでしょうね」
港で探すとこの間の輸送船があり、港の係員の話によると船員は中にいるとのことだったので呼んでもらった
「クロレス号艦長様ですか?」
「はい!そうです」
「助けていただきありがとうございます」
船内に案内されて他の3人にも合い話を聞く
「この船はどうなるのですか?」
「艦長の子供に引き継かれる予定ですが、連絡があり売却するとのことでした、私物の生理が終わったら商業ギルドに引き渡します」
「いく宛は有るのですか?」
「残念ながら一から探します」
「また船員になるのですか?」
「それしか取り柄が無いので・・・・命を助けていただき本当にありがとうございました」
「4人は何が得意なのですか?」
「私は通信士で彼は航海士で彼女は主計で彼女が副官でした。」
「輸送船で副官までいるなんて凄い船だったんですね」
「信頼出来る艦長でした、整備士が病気にならなければこんなことには・・・・」
「それで難破したのですね」
「艦長は船員を雇いたいと思っていないでしょうか?」
「人材は必要ですね」
「私達を雇ってもらえないでしょうか?命の恩人の為に働きたいと思っていますのでお願いします」
副官の女が言うと
「良いですけど、私がどのような人かわかって言っているのですか?」
「実は全く解っていません、助けて頂いた艦長のマサテル様としか・・・」
「艦長が決めて良いと思います」
レスティはそう言う
「わかりました歓迎しますが、家を持たずに旅をすることになると思いますが、本当に良いのですか?」
「よろしくお願いします」
通信士 レイカ
航海士 カイゼル
主計 ローラ
副官 シェッタ
船に到着した4人は驚く
「駆逐艦・・・艦長?」
「正確には提督です」
「提督?まさか複数の船を持っているのですか?」
「現在駆逐艦3隻と輸送船2隻です」
「え?ええーーー5隻の艦隊・・・・・」
4人は驚き思考が停止している
「4人には取り敢えずは旗艦クロレス号に乗って貰いますがしばらくしたら別々の船に乗ってもらう事になりますがよろしいですか?」
「はい!・・・勿論ですよろしくお願いします」
船室に案内さた4人は
「まさか凄い人に雇って貰う様に頼んでしまったね」
「こんなに凄い人だとは思わなかった」
「あんな状態の船を見つけてくれるぐらいだから凄いレーダー技師が要ると思ったけど船も凄いとは」
「一生懸命働こう、恩を返せるように」