第1話 始まり
この宇宙には貿易、輸送、護衛艦、傭兵、海賊等多くの人が往来している
ここに輸送船で貿易をしている人がいる
父親は事故で失い、残された宇宙船と船員を引き継ぎ一人の少年が旅をスタートする、その名はマサテル-キシノ
船事態はAIで自動運転も可能なため船員はほとんど必要ないが、副船長バロウス、船医メッサーラ、機関長ロボス、通信士クレスの4人しか残っていない
「船長いつもの航路でいつも通り運行で良いですか?」
「荷の量は確保出来ているのであれば大丈夫です」
「了解いたしました」
「機関長機関に異常は無いですか?」
「大丈夫だ」
「メッサーラさん薬品と食料は足りていますか?」
「十分足りています」
「クレスさん通信とレーダーに異常は無いですか?」
「予備を含めて大丈夫よ」
「異常無いので予定通り出港致します、各自最終チェックお願いします」
「バロウス、向こうの仕事は有りそうかな?」
「商業ギルドから荷運びの依頼なら大丈夫でしょう」
「なら良いのだけど宇宙海賊の情報は入っているのかな?」
「今の所は入ってないです」
「まだまだ至らない艦長だけどよろしくお願いします」
「管制センターエステス号出港します許可をお願いします」
「確認しました出港を許可します」
「エステス号発進!!」
エステス号は貿易航路を進むそしてワープ潜航し目的地に到着する航路的には近い航路であったので6日で到着し、
「管制センターエステス号入港の許可をお願いします」
「25番に入港を許可します」
無事に入港して商業ギルドに連絡して荷物引き渡しをする
「商業ギルドに仕事を見てくる、クレス後は頼むね」
「解ったわ良い仕事見つけてきてね」
商業ギルドに入り仕事を確認する
「バロウスどっちの仕事が良いかな?」
「こっちの方が安全で荷物の量も良いと思われます、解ったこっちにはしよう」
カウンターに行き
「エステス号だがこの依頼を受けたい」
「了解しました、荷物はエステス号に運び込みます、明日の昼ぐらいに終わると思います」
「手配をお願いします」
ギルドを出て船に戻る
「明日荷物を積込次第出港する」
「船倉が少し空きますね」
「少し空いた所に少し荷を買い付け持って行こうと思う」
「それが良いね」
「積荷はバロウス選んで来て貰っても良いかな?」
「わかりました、空いた量を見て買い付けします」
翌日荷を積込出港の準備をして出港する
そして6日後元の港に入港する
商業ギルドに連絡して荷物の引き渡しをする
そして、バロウスと共に商業ギルドに仕事を見に行くが良い仕事がなかったので船に戻る途中一人の男がこっちを見ている
「あの人は?」
「レベロスか何かようなのか?」
レベロスはこっちにやってくる
「バロウス久しぶりだな」
「レベロス何か用か?」
「操舵士はもう雇ったのか?」
「いや、まだだ」
「丁度手が空いたからもう一度乗ってやっても良いが金次第だ」
バロウスにレベロスが言うと
艦長と相談する為少し離れた所で話す
「艦長どうしましょうか?」
「どんな人ですか?」
「腕は悪くないが金にうるさい男だ」
「やめておきましょう、クレスさんと仲が良いなら考えるけど」
「問題ありません、クレスさんとは仲が悪いですから」
「レベロス艦長と話したが今回は雇えないと決まった」
「何でだ!操舵士居ないだろ?」
「まだ操舵士が必要な所まで行く気が無いからだな!」
「そうか・・・」
レベロスは帰っていく
「あれは仕事を失ったな」
バロウスが呟く
「あいつを雇うとしても、キッチリ値切らないとね」
クレスが笑いながら言う
「クルーは必要だから探さないとダメですよね」
「その通りだが真面目な奴を探してくださいね」
「雇うとしたら船員紹介所ですかね?」
「値がそこそこだが安全だ」
「早速見学してきましょうか?」
「良いが、雇いすぎると利益が落ちる事も考える必要がある」
「解りました、今回はまだ雇うつもりはないので大丈夫です」
クレスと一緒に船員紹介所に向かい
「どんなクルーを見てみる?」
「操舵士とレーダー技士と整備士と機関員ですかね」
「中々良いところですね」
2人で順番に見ていく中々良い人はいない、能力によって値段が違うので良い人程高い
「レベロスだね、他の人より評価が低いが金額は高いだね」
「本人の希望だからね」
「今から雇うとしたら新人から育てた方が良いのかな?それともベテランが良いかな?」
「両方ですね主要な所はベテランが必要ですがそうでない所は新人で大丈夫です」
紹介所を出た所で何人かの人がこっちを見ている
「あの人達は?」
「職を探している人ですね、売り込もうと、来た人を見ているです」
「何か食べて行きますか?」
「ここもクルーの仕事を探している人が多いですね」
「この付近はね」
後ろで若いカップルが話している、船そろそろ見つからないとヤバイよ、大型船が無いから新人のクルーなんて雇ってくれる船無いだよ仕方ないだろ・・・・・
「新人は難しいですかね?」
「2人で同じ船で職種も決まっていれば難しいですね」
いろいろ見ながら港に帰るとレベロスが遠くにいたが無視する
翌日商業ギルドに行き仕事を探す
「この当たりはどうだろう?」
「それが一番良いですね」
「エステス号ですがこの仕事をお願いします」
「解りました、積み荷は明日の昼ぐらいに積込完了できます」
「よろしくお願いします」
港に戻ると何人かの人が船を見ている
「雇って貰えそうな船を探しているのだろう、この港じゃ仕事見つけられないから繋ぎでも乗りたいだと思うからな」
翌日荷の積込が完了して依頼書と行き先、積み荷を確認して、出港準備して出港する
そして何往復かしていると多くのクルーが船の周りに集まる様になる
「仕事を探している人が多いですね」
「何回も入港しているからチャンスを伺っているのだろう」
商業ギルドで仕事を見るが良い仕事無くなって来ていた
「独自に商品を持っていった方が良いかな?」
「そろそろそれも良いかもしれんな」
「船のメンテナンスをするのも良いかな?」
「ロボスに聞いてみるか?」
「船のメンテナンスが必要な所ありますか?」
「一度検査した方が良いかも知れんな、3日あれば出来るぞ」
「それでお願いします」
「手が空いたら休暇かな?」
「良い判断だ無理せず、余裕がある」
バロウスは誉める
機関と船に問題は無く消耗品の交換、補充も完了した
商業ギルドで依頼を確認に行くと丁度良い依頼もあり出港の準備にはいる、バロウスと歩いているとレベロスがやってくる
「俺を雇わないか?」
「イヤ雇わない」
「余裕はあるのだろ、良いじゃないか?」
「今は雇うつもりは無い」
バロウスはキッパリ断る
「うっ!・・・・」
レベロスは去っていく
「あれで良かったのかな?」
「あいつは値上げばかり言うから雇って貰っているという事を忘れがちだからな、いつでも雇って貰えるとは限らないという事を知っておくべきだな」
「父親の時も?」
「そうだ、五回出ていった」
「信用が置けないですね」
カップルだった片割れの女の方がいる
「あのーすいませんがあの輸送艦の方ですよね」
「そうですがどうかされましたか?」
「どんな仕事でもしますので、雇ってくださいお願いします」
「船に乗った経験は?」
「まだ一回しか、学校は卒業していますので、レーダーは見れます」
「もう一人の男の人といつも一緒に居たと思うのですが」
「あいつ私を置いて別の船に乗って行ってしまいました」
「待たないのですか?」
「私にチャンスが有った時には私を止めて、自分にチャンスがきたら私を捨てた・・・」
「何故輸送船に乗りたいのですか?」
「何度も往復して今回もメンテナンスをしていたので、艦長は船の事を見ていると思ったのと、しばらく前から船員紹介所にもクルーが見にきていたので可能性が、あると思いました」
「バロウスどう思う?」
「レーダーしか見れない者はいらないと思います」
「何でもやります、艦内の掃除でもどんな手伝いでも」
「そう言われてもなー」
「バロウス条件ぐらい聞いてあげれば、新人だし」
「月に1000いや800で良いです」
「安売りだな」
「解っていますだけど、ここに居てもチャンスは来ないから、艦に乗っていれば食費も寝るところもあるので」
「食べて寝れれば良いということか?」
「はい!」
「紹介所のコードは?」
「NW109761です」
「他のクルーに確認するが、出港間際に成りそうだからどうするかだな」
「荷物を持って待機しておきます」
クレスにナンバーを送り確認して貰いOKを貰う
「2時間後までに艦の所に来るように!ネイリーさん」
「はい!ありがとうございます」
艦に戻り
「ネイリーさんはレーダーで良いかな?」
「問題ないですね、しかし安売りですね」
「確かに!しかし人が溢れていますね」
「新造艦が少ないですからね」
「出港準備とネイリーの制服を2着用意できますか?」
「倉庫に沢山有るから大丈夫です」
外を見るとネイリーが待っているのが見える
「準備が出来たらクレスさん迎えお願いしても良いですか?」
「船長らしく帽子ぐらい被ってくださいね」
急いで帽子を被る、そしてみんな笑いだした
「ネイリーさんですね」
「はい!よろしくお願いします」
「手荷物の検査をしますがよろしいですか?」
「よろしくお願いします」
「こちらが艦橋です、艦長連れてきました」
「よろしくお願いします、ネイリーです」
ネイリーは敬礼する
「よろしく、ネイリーさん」
この艦はフルオートメーション化しているので、クルーは3人要れば動かせます。出港後メッサーラさんに健康診断をして貰ってください艦の説明後着替えて艦橋に戻ってもらう
「エステス号は出港の申請をします管制許可をお願いします」
「確認しました、出港を許可します」
「エステス号出港!」
出港して安定航行で目的地に向かう
最終ワープ完了し後1日で到着出来る所で
「左前方に艦影があります」
「艦種特定お願いします、熱源は?」
「エネルギー反応はありません」
「通信回線の異常は?」
「妨害電波出ています」
「機関室最大船速用意をお願いします」
「左側隕石郡に敵影観測お願いします」
「バロウスさんポイントした方が良いですか?」
「状況敵にはした方が良いですね」
「ポイント射出用意」
「準備完了射出します」
「ポイント信号確認してください」
「信号確認良好」
「加速開始警備艦に通信出来る所まで前進」
加速して船速最大になり、左側を確認していると隕石の影から駆逐艦を発見する
「駆逐艦こちらに向かって動き出しました」
「ポンダーはありますか?」
「ありません」
「全力で退避しましょう」
「駆逐艦熱源反応」
ビームは艦の後ろを通りすぎる
「妨害電波が消えるまでこのまま進みましょう」
「前方の障害物反応を確認してください」
「解りました」
何発か撃ってきたが、加速していたので相手の駆逐艦より逃げ切り
「警備艇聞こえますか?」
「こちら警備艇何かありましたか?」
「こちらはエステス号先程海賊に遭遇しました」
「海賊ですか?」
「一隻の輸送船が止まっていて、隕石の影に駆逐艦がいました、駆逐艦から射撃を受けましたので間違えないと思われます。念の為ポイントをうっておきました」
「情報了解しました、こちらで確認致します」
「よろしくお願いします」
「エステス号無事に入港出来るよう祈ります」
「入港後念の為艦の損害を確認しましょう」
「了解」
バロウスとクレスは頷きながら見ている
目的地に入港して、管制に警備艇との通信と海賊情報の引き渡しが必要であれば渡す話をしておく、
商業ギルドに連絡して積荷の引き渡し確認を終える頃警備兵がやってくる
「情報の確認に来ました」
「どうぞこちらへ」
情報と映像データを確認してもらい
「停船していたら襲われていましたね、良い判断です」
「ありがとうございます」
警備兵が帰った後、艦の損害確認をしておくが異常はなかった
「ネイリーさん、クレスさんと留守番お願いします」
「艦長了解しました」
バロウスと商業ギルドに仕事を見に行く
この3件が良さそうだが今の状況では難しそう・・・考えていると
「いい線ですね」
「そうですね今日は辞めておきますか?海賊の事もありますし」
「情報集めとしては上出来です」
バロウス満足そうに笑う
「ついでに船員紹介所も覗きましょうか?」
「そうしましょう」
船員紹介所ではあまり良い船員はいなかった
翌朝警備艇が輸送船を曳航してきた
しばらくして警備艇から通信がはいる
「エステス号応答せよ」
「こちらエステス号どうぞ」
「輸送船は海賊に襲われたことは確認できたが残念ながら艦内に生存者無し」
「解りましたわざわざご連絡ありがとうございます」
「これからも気を付けて航海するように!以上」
「商業ギルドで仕事を受けてから出港しますか?」
「そうしましょう」
商業ギルドで仕事を確認して依頼を受ける
「明日出港します」全員同意する
そして次の港にいくつかの港を回って仕事を受けていると商業ギルドより連絡があり
「エステス号艦長ですね」
「はい!艦長のマサテルです」
「以前見つけて頂いた輸送船の件ですが、引き継ぐ人が居なくて最終判断的にエステス号に引き渡す事が決定しました」
「え?どうしてですか?」
「引き継ぐ者が未成年で更に艦の運営をする後見人も艦長資格も無いため引き継げず、商会が有るため国が召し上げれない為最初の発見者であるエステス号に引き渡す事になりました」
「バロウスこういう事もあるの?」
「あまり無いですが時々あります」
「引き継げなかった人にもあった方がよろしいですか?」
「そうですね、実質商会を失うと言うと財産が無くなりますので恨まれますので話し合いが必要になると思います」
「解りましたその人はどこにおりますか?」
聞いた港まで行くことになった、又、輸送船は既にその港に着いているとの事だった
数日後港に到着して商業ギルドを通して訪問する
まずは商会の財産状況と負債状況等の確認をして
「良い経理状態ですね」
「負債額無しは良いです」
国と弁護士に確認するが問題は無いとの事で決着が着いている
一つの家に到着して中に入ると引っ越しの準備のため荷物は片付けられている、一人の少女が立っている
「エステス号艦長のマサテル様ですか?」
「はいそうです」
「エルザと言います」
「エルザさんよろしくお願いします」
「家の引っ越しは少し待っていただきたいのですが・・・・」
「私はまだ事情が読めないのですが」
「私から説明します」
初老の人が説明を始めた
この家も商会の持ち物の為、商会を失ったので引き渡さねばならないので片付けと引っ越しの準備をしている最中です
又、エルザさんの身受けしてくれる親類はいないため、難航しているとのことだった
「あなたは商会に雇われていなかったのですか?」
「個人的に雇われていました」
「商会の人で生き残りはいないのですか?」
「残念ながらいません」
「これからあなたはどうなされますか?」
「暫くは貯金を切り崩しながら次の仕事を探します」
「エルザさんはどうするおつもりですか?」
「私は・・・」
「したいことは無いのですか?」
「宇宙で仕事をしたかったけど、もう無理です」
「提案なのですが、私達な商会も持たない輸送船しか持っていないのでクルーが足りません、何か得意な事があれば手伝ってもらえませんか?」
「え?本当に!私は両親に小さい頃から操縦と通信関係を勉強していました。本当によろしいのですか?」
「私も親を無くし急に艦長になったのですが、クルーは4人だったので信用出来るクルーが必要です」
「ありがとうございます、頑張ります」
「後執事さんと家政婦さんはどうなさいますか?」
「私共ですか?」
「そうです」
「出来ればお嬢様のそばで見ていたいですが・・・」
「後で経歴書頂けませんか?こちらで確認しますので」
「解りました直ぐに作成します」
「エルザさん一緒に商会のオフィスに行きませんか?」
「はい!お願いします」
商業ギルドに行き商会オフィスに入るとクレスとネイリーが既に着いていた
「まずは現在の資金関係と手紙とメールの確認をしましょう」
「コンピューターのパスは解析と解除して頂きました、帳簿のコピーとメールの確認と他の書類関係を確認します」
「これは造船所の支払いですねかなりの金額が何回かに別けて支払いが行われています。」
「会計士に確認しましょう」
「これは保険関係ですね、これがあれば船員に保険金が支払いが出来ます、勿論エルザさんにも」
「早急に取りかかりましょう、船員の名簿もありますし、警備艇の死亡確認のリストと照らし合わせ保険会社に連絡しましょう」
「バロウスこっちは任せて良いですか?」
「解りました」
それぞれ各種の手続きをすすめ数日で商会の引き継ぎを完了する
商業ギルドと国の手続きも完了してクレテス商会は代表にマサテルが着いた
執事のセバスと家政婦マーサは問題なかったので、クルーにする
輸送船の修理も保険が今回は適用されたので修理代も掛からない、輸送船レメトス号は数ヵ月後運用出来る状態だった
造船所で確認するとクレテス商会からの依頼で造船中だった船があった、巡洋艦クラスだった
「確認ですが支払いはもう終わっているのですか?」
「既に全額頂いています追加オプション分も頂いていますので完成を待ってください」
「解りました、どのぐらい掛かりますか?」
「後3ヶ月です」
「解りました」
「困りましたね」
「クルーですか?」
「そうですがそれ以上に3隻運用出来ない事もですね」
「とにかく進水式前に後数人のクルーを集めましょう」
「近くで仕事をこなしましょう」
ドック内をを歩いていると、喧嘩の声が聞こえてくる
「ここは修理しないと直ぐに壊れる!予算が無いからどうにかしろ!何とか予算を用意しろ!お前達が勝手にいじりだしたんだろ!見積り段階でちゃんと見ろよ!なんだと!・・・・」
「これはやりすぎだな、仕事熱心は良いけどここまでやったら終わりだな」
バロウスが言う
一度艦に戻って巡洋艦の事を話し合い
「いきなり巡洋艦とは思わなかった」
「取り敢えず近場で仕事しながら資金を集めておきましょう」
クレスがいいみんなで同意する
船員紹介所に向かうとさっきドックで言い争いしていた女が今度は紹介所で喧嘩していた
「あの人はどうしたのですか?」
「あれね、あちこちで問題を起こしまくったから紹介所も断っているんだよ」
「なるほどね」
クルーリストを見て帰る事にした
[うーん、なかなかいい人いないな・・・・]
副船長兼操舵士バロウス
船医メッサーラ
機関長ロボス
通信士クレス
レーダー技師(見習い)ネイリー
執事セバス 主計長(見習い)
家政婦マーサ 主計兼料理長
エルザ 操舵士(見習い)
◆クレテス商会 代表マサテル
輸送船 エステス号
輸送船 レメトス号 修理中
巡洋艦 造船中