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漫才の台本

漫才「行商」

作者: 沢山書世
掲載日:2019/07/21

漫才5作目です。どうぞよろしくお願いします。

 街角に立っている青年が電話をかけ終わったところに、おばちゃんが声をかけた。

「あんちゃん」

「はい?」

「あんたガラケーかね」

「ええ、そうです」

「スマホいらんかね」

「いや、まだ使えるからいいです」

「安くしておくから。新品で一万円」

「え? そんなに安いの?」 

「自家製だからね」

「スマホって個人で作れるものなんですか?」

「量子コンピューター付だ」

 球体のスマホを見せる。

「球形なんですか?」 

「うん。転がせるんだ」

「すごいですね」

「野菜を作ることに比べたら簡単なもんだよ」

「そんなものですかねえ」

「DNA解析キットなんかもあるよ。これは五千円」

「へー」

「定番のガマの油もあるよ」

「ガマの油?」

「そう、筑波の名産だ」

「筑波から来たんですか」

「あんた、筑波をなめたら恥をかくよ」

「そんなつもりはまったくありませんよ」

「JAXAはあるし、筑波大や国の研究機関だってわんさか揃っているんだ」

「たしかに」

「世界の最先端頭脳が集まっているんだぞ」

「そうですね」

「まいったか」

「筑波にいると、住民も高等技術を身につけられるんですか?」

「公開講座っていうものがあるんだ」

「ああ、市民対象の勉強会ですね」

「そこで教わった通りにやれば、ロケットだって作れるんだ」

「自家製ロケットですか?」

「そ。ちょっと高価だけど、買うのなら、家まで飛ばしてあげるぞな」

「それはちょっと」

「あ、信用してないな」

「ちょっとだけ疑っているかも」

「うちの辺りでは、UFOだってビュンビュン飛んでいるんだぞ」

「はあ」

「今日だって駅までUFOで行って、そこからつくばエクスプレスで来たんだ」

「だったらUFOでここまで来ればいいのに」

「あんたばかだな」

「どうしてですか?」

「おっきな風呂敷包みをしょって、電車で来るのが行商スタイルだ」

「確かに」

「UFOで来たんじゃ雰囲気がだいなしになるじゃろ」

「そうでした」

「まったくもう、都会の人間の考えはなっちゃいない」

「すみません」

「古いものを大事にせんといかんぞ」

「自分はUFOを使っているくせに・・・ブツブツ」

「なんか言ったか?」

「いえ、なんでもありません」

「さ、帰るとするか。たまには家まで歩いてみようかな」

「ここからですか? けっこうあるでしょう」

「電車に頼ってばかりいたら体がなまってしまうからの」

「心配だなあ」

「疲れたらUFOを呼ぶから大丈夫」

「ずるいや」


読んでいただき、どうもありがとうございました。

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