97、女神の城 〜 自由なアイツら
皆様、いつも読んでいただき、ありがとうございます。ブックマーク、評価も、ありがとうございます。めちゃくちゃ嬉しいです!
昨日からTwitterはじめました。まだ全くわかっていないのですが、そのうち呟くと思います。よかったら覗いてみてください。
マイページにリンク貼りたくてあれこれ調べていたところ、別の発見をしました。
感想を受け付けるのは、ユーザーのみになっていたのですが、制限なしにすることができるのがわかりました。(←いまさらですみません)
昨夜から、感想欄は、登録されていない方でも書いていただけるようになったと思います。
よかったら、感想もお待ちしております。
長い前書き失礼しました。今後とも、よろしくお願いします。
いま、僕は、ロバタージュにある隠居者の店にいるんだ。
どうやら、ナタリーさんがお世話する新人くんを僕に引き合わせる場だったみたいなんだけど…。
ちょっと、変わった子だったんだよね。まぁ、ドラゴンって、あんな感じなのかもしれないな。
そして、いま、僕は、リュックの整理をしてるんだ。かなり放ってたから、リュックくんが怒ってるみたい。
異空間ストックがかなり増えてしまっていて、いくら出しても終わらない。こりゃ、怒るのも無理はないか…。
「おまえ、どんだけ放置しとったんや?」
「結構な時間ですかね…」
「これだけ詰まってたから、出してって言ってきたんですね、ライトさんのリュック」
「うん、だいぶ怒ってるんだよね」
もう、魔法袋には、入らない。
結局、うでわのアイテムボックスにも、ごっそり放り込むことになった。
うでわの中は、結局、3種は2,000本ずつ入ってたけど、モヒート風味とカシスオレンジ風味が3,000本ずつ、パナシェ風味が4,000本になった。
カルーアミルク風味は、300本増えて500本になった。
美容ポーション100本しか入れてなかったから1,000本にした。
媚薬つきは20本だったから50本にした。
男女逆転、時間逆転は、どちらも入れてなかったから、50本ずつ入れた。
魔法袋に入ってる数は、数の多いもの3種は、だいたいしかわからなくなっていた。
モヒート風味が9,000本、カシスオレンジ風味が5,000本、パナシェ風味が7,000本くらいだと思う。
また、女神様に、数えてもらおう。
数が多くないのは、把握できている。
カルーアミルク風味が925本、美容が1,811本、媚薬が85本、男女逆転が210本、時間逆転が660本。
媚薬のは、呪いがキツイからかな? あまり数は増えていなかった。
リュックくんが要求してたカカオを使った時間逆転、新作魔ポーションなのにかなり作ってるよね。
でも、ここまで魔法袋がパンパンなのも困る…。
(あ! そうだ!)
「ナタリーさん、この後、城に戻ります?」
「うん、アダンくんを連れて城に戻るわよ〜」
「いま、魔法袋、余裕ありますか?」
「ん? ポーション? なら、入るわよ〜」
「じゃあ、ちょっといろいろ、女神様に渡してほしいんですけど…」
「いろはちゃんに?」
「はい。査定に出せない変なものがたくさんあって……魔法袋パンパンなので、持って行ってもらえると助かります」
「ふふっ。ライトくんも、クマちゃんみたいになってきたわねぇ。いいわよ〜」
「ん? あ、ベアトスさん?」
「そうそう。彼の場合は、城に来るけど……ライトくんは転移が嫌いだもんね〜」
「はい」
「ライト、おまえ、生首達を使えばええやんか」
「え? アイツらで行けるんですか?」
「魔物は、城に勝手に出入りできないわよ〜」
「だから、ライトが居る間は、アイツらも城に軟禁するだけやないけ。ライトが出るときにみんな出て行かせりゃええんや」
「えー、でも……ワープワームって、素行が悪いのよ? 主人に守られてると思って、無茶苦茶なんだもの」
「ライトの配下、見たんか?」
「見てないわよ。どこの火山か、バカ兄貴が言わないんだもの。見てみたかったのにー」
「アイツらで行けるなら、直接、持って行きますよ。その方が、他の店にもポーション納品しに行けるし」
「わかったわ。でも、ワープワーム達、なるべくおとなしくさせてね」
「はい」
「ほな、そろそろ行くけ」
「あ、ポーション屋さん、また、ちょっと置いていってくださいよ」
「え、あ、はい。じゃあ、マスター、ご飯代がわりに〜」
僕は、3種を3本ずつ出した。
「えっ、もらいすぎ!」
「試飲したそうな方もいらっしゃるので」
僕がそう言うと、隠居者3人は、バツの悪そうな顔をしていた。
「あーん、何も食べてないわ〜。また近いうちに来るわねー」
「あぁ、また、寄ってくれ」
僕達は、店を出て、ロバタージュの街の出入り口へと向かった。
「ライトさん、次は、隊長も誘いましょう」
「レオンさん? そうですね、ぜひ。あ、これ、持ってってください」
僕は、レンさんに、火無効つきのカシスオレンジ風味のポーションを10本渡した。
「えっ、あ、助かります。お代は…」
「あ、それはお詫びです。変身ポーションの実験台みたいにさせちゃったし…」
「やった! ありがとうございます。次は買いますね」
「は〜い」
そして、街の出入り口付近で、レンさんとは別れた。そのまま、僕は、タイガさん、ナタリーさん、そして新人のアダンと、街の外に出た。
「おまえら、先に転移しろや」
「タイガは?」
「俺は、ライトの配下に運んでもらう。スピード差を確認したいんや」
「火の魔物の、性能調査かしら? 主人をどの程度、信頼してるか調べるのね」
「あぁ、アイツらは城をうろちょろするやろからな。場合によっては、檻に入れる必要があるかもしれんしな」
(信頼関係なんて、ゼロでしょ。魔物だよ?)
「じゃあ、先に行ってるわねぇ」
そう言うと、ナタリーさんは、アダンと共にスッと消えた。それと同時に、タイガさんは、何かの魔道具を操作していた。
「アイツら呼んで、俺らも行くで」
「あ、呼んだことないです……あ! 来た」
呼んでもいないのに、生首達は、ワラワラと集まってきた。それと同時に僕の頭の中に、女神様の城のあちこちの映像が流れた。
「コイツら、城に行ったことあるのかな?」
「は? あるわけないやろ」
「でも、あちこちの映像が流れてて、場所を選ばせようとしてるんです」
「それは、おまえの記憶を使っとんねん。コイツらには、場所は見えてへんと思うで」
「へぇ。えっと、どこに行けば?」
「せやな、虹色ガス灯広場は行けるか?」
「ジャックさんの手術をした広場?」
「あぁ」
「はい。大丈夫だと思います」
「じゃあ、そこな」
「はい」
僕が、タイガさんと一緒に虹色ガス灯の前って、思い浮かべると、生首達は足元に集まってきた。タイガさんの足元にも。
そして、タイガさんが生首達を踏み、僕も、気持ち悪いと思いつつ、生首達を踏んだ。
ふわっと少し身体が浮かんで、その次の瞬間には虹色ガス灯の前に居た。
(やはり、転移酔いしないよ。すごいね)
生首達は、クルクルとハチャメチャに飛び回っている。たぶん、これは、有頂天というやつだと思う。
そして、スッと消えようとしたようだが、ワープを失敗したらしい。ポテポテと、地面に落っこちていた。
不安そうな生首、泣きそうな生首、ボーっとしてる生首、キョロキョロしてる生首…。
「おまえ達、僕と一緒じゃないと、ここからは出られないよ。帰りたいなら、僕の近くでおとなしく良い子にしてなさい。わかった?」
僕がそう言うと、なぜか、嬉しそうな顔になっていった。なぜ? ほんと、わけわかんないよね…。
「あー、抜いたみたいやな」
「何がですか?」
「あいつら、まだやで」
「ん?」
「まぁ、ナタリーも、ひとりならもっと速いやろけどな…。って噂をすれば、やっとやで」
僕達から少し離れた所の空間が歪んだ。そして、光ったと思ったら、ナタリーさんと新人アダンが現れた。
「えっ? 僕達の方が速かったのですか?」
「あぁ、ぶっちぎりやな」
僕達が、そんな話をしていたら、なんだか、やたらと人が寄ってきた。タイガさんが戻ってきたからかな。
「きゃ〜、なにこれ?」
(えっ、あ、アイツら!)
僕は、生首達が何かしでかしたのかと、思った。やつらの姿を探すと、あちこちをふわふわと飛び回っていた。
近くを飛んでいた生首を、僕は睨んだ。のんびりと眠そうにしていた生首は、とたんに顔をひきつらせていた。
「近くに居ろと言ったのに、なんであちこち、ふらついてるわけ? 僕の言うことが、わからないの!」
すると、生首達がサッと近くに集まってきた。というか、僕が睨んだ生首のまわりに寄ってきて、1ヶ所に集まっている。あー、また、これか。
僕がうんざりしていると、生首達はまた焦り始めて、互いにぶつかりながら、より密集し始めた。
「ライト、おまえ、何、配下いじめしとんねん。めちゃくちゃ怖がっとるやないか」
「こいつらが、あちこちフラつくと、みなさんに迷惑じゃないですか。キモイから、怖がるでしょ」
「あのな……なんで、おまえ、そんなキモイって言うんか知らんけど、別に怖がらへんぞ。ここの住人はみんなコイツらより強いで?」
「あ、そっか……忘れてました」
僕は、まぁ、コイツらを放置してもいいかな、と思うと、生首達は、だんだん、ふわふわと、ふらつき始めた。
はぁ、コイツら、ほんと、僕の気分を察知するの早いよね。睨んだら寒がるくせに、すぐにそれを忘れて、ふわふわしちゃってさ…。
僕がちょっとイライラしていると、生首達は、また不安そうな顔をし始めた。はぁ、もう、僕の感情に反応しすぎ! はぁ…。
「おまえ、配下に厳しすぎるんちゃうか?」
「魔物ですよ? 」
「まぁ、そうやけどな…」
「ちょっと、なぁに? めちゃくちゃ速いじゃないの〜」
「ナタリー、待ちくたびれたで」
「それに、このまるくてふわふわしてる子達、なぁに? 見たことない魔物ねー」
「ナタリー、タイガとその新人くんが現れたときに、一緒に現れたんだよ。こっちこそ、聞きたいよ」
ガス灯前で、待ち合わせをしてるっぽい人が、そうナタリーさんに声をかけた。なぜ、タイガさんに聞かないんだろ? やっぱ、コワイからかな?
「タイガ、この子達、どうしたの? 何の魔物?」
「おまえ、サーチもできへんのか、アホか」
生首達は、広場のあちこちに、ふわふわと広がっていってしまった。アイツら、ほんと、自由だよね…。
あちこちで、めちゃくちゃ注目されてるじゃん。でも、誰も怖がってないな、よかった。
っというか、逆に、かわいいって言われてるよ…。生首だよ? みんな、なんなの?
「もしかして、ワープワーム? なわけないわよね、ワープワームは、飛べないわ」
「ライトに擬態しとるから、飛べるんちゃうか? 身体、半分は赤黒い霧やで、コイツら」
「あら! 身体の半分が霊体なのかしら? 面白いわね。それに、かわいいわね、おっとりした感じの女の子ね」
「かわいくないですよ。生首ですよ? 」
「ライトくん、そんなこと言っちゃ、かわいそうだわ」
「ライトは、ずーっとキモイって言うて、配下いじめしとるんや」
「あらら。でも、ワープワームは、厳しいくらいに躾けないと、メチャクチャするものねぇ」
「なんや? ライトの味方か? 」
「なぁに? それ」
「タイガさんも、アイツらのこと、かわいいって言うんですよ」
「ワープ能力も高いやんけ。少しは優しくしたれや」
「魔物ですよ? 生首ですよ?」
「測定値マックスやったで。おまえのことを崇拝しとる」
「えー、でも…」
ふと見ると、アダンが、生首達を捕まえていた。何かしでかして怒らせたのかと思ってたら……次の瞬間、僕は、目を疑った。
アダンが、たくさんの生首達を腕の中に閉じ込めて、ぎゅーっとしている……幸せそうな顔をして…。
(何? あの悪ガキ、生首を気に入ったわけ?)




