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50、ホップ村 〜 魔法の塔と、石山の被害

たくさんのブックマーク、評価ありがとうございます! とても嬉しいです。

読んでくださる皆様のおかげで今回で50話!

更新してすぐに覗いてくださる方も多く、頑張ろうってパワーもらってます。本当にありがとうございます。


それと…50話だから何?とお叱りを受けてしまいそうですが、50話の記念に、この話の登場人物で好きなキャラ、嫌いなキャラがいれば、感想の一言欄で教えていただければ嬉しいです。○○が好き、○○キライ、の一言で大丈夫です。特にないよ〜の方や感想書くのヤダよ〜の方は、スルーしてくださいませ。


皆様いつも読んでいただいてありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。

「メトロギウス様! あいつら、石山も派手に攻撃したようです! 山の一部が崩れています」


「チッ! 非戦闘住人の地に爆撃とは…。この国の者の所業ではないな」


「操られている幹部は、やつらの魔王と激突中なはずですし…」


「どさくさに紛れて、外の奴らが直接手を下してきたか…。完全に抹殺するぞ」


「はっ!」



 いま、ここ魔族の国では、鳥系の獣族の内乱が勃発していた。この種族の魔王からの救援要請を受け、大魔王メトロギウスは、その内乱の沈静化のために配下を派遣した。


 すると、それに対する報復と見せかけて、ここ、大魔王の治めるホップ村がその標的にされた。しかも鳥系を装っているが鳥系の獣族は武闘派だ。こんなふうに、山を砕くほどの攻撃魔法は撃てない。


 内乱と見せかけて、メトロギウスに打撃を与えて失墜させようとする、外の他の星の神々の仕業に違いない。


 大魔王メトロギウスは、自らがこの星の神、支配者になりたいという野望を持っていた。いずれ、この国だけでなく、地上の人族や神族達も従えたいと考えていた。

 女神イロハカルティアは、星の住人と一切自ら関わりを持たない。メトロギウスは、女神は星に降りれない事情があるか、もしくは実体を持たない象徴でしかないと考えていたのだ。


 他の星の神々にとっては彼は邪魔な存在でしかなかった。大魔王を従えることでこの星を乗っ取ろうと考える神々も多い。

 しかし、この大魔王メトロギウスは支配されることを異常に嫌う。しかも、赤の影響も青の影響も受けないから、洗脳もできない。


 そこで、彼を失墜させ、あわよくば殺害し、大魔王の地位を他の魔王へと移そうと画策している神々も少なくない。


 メトロギウスが大魔王になってまだ数ヶ月しか経っていないが、他の星からのこういった直接攻撃はもう10いや15を超えていた。



「村に降りてくる前に叩くぞ!」


「はっ!」



 大魔王メトロギウスは、村の中心にある高い塔の中にいた。この塔は、村を防衛し、侵略者を撃退するために作られたものだった。


 この塔が完成したことで、魔族の国の勢力図は大きく変わったのだ。鉄壁の守りと、無慈悲な攻撃力を備えた魔法の塔によって、メトロギウスは大魔王の地位を得ることになったのだった。



「ターゲッティング開始!」


 配下の者達が、塔の中のあちこちに はめ込んである、占いの水晶のような玉に手を置く。これは魔導装置、塔の防衛攻撃システムを動かす装置だ。

 そして、メトロギウス自らも、水晶玉に手を置く。



「鳥型の奴らすべてに、ターゲッティング完了しました!」


「3、2、1、撃て!」


 塔は、まばゆい光を放ち始め、その光が塔のてっぺんに集まる。そして、塔のてっぺんから四方八方へと、一気にビームのような白い光が飛んでいった。


 ヒュー!ドババン!!


 いま、まさに村に降り立とうとしていた襲撃者達は、白い光によって撃ち抜かれ、蒸発するかのように焼け消えていった。



「村の被害を確認しろ!」


「はっ!こちらの村は問題ありません。石山の調査をしてまいります」


 メトロギウスの配下、3人がこの指示によって、石山へと向かっていった。


「ったく、子供達を石山へ避難させたのは失敗だったか…。まぁ、ナタリーがついているから何事もないだろうが…」





 時は少しだけ遡る。



 僕達は、石山の入り口にいた。いま、ここは鳥っぽい魔物の攻撃魔法によって爆撃されたようだった。

 ナタリーさんが言うには、奴らは魔物じゃなくて外の他の星からの侵略者だそうだ。


 ここは非戦闘住人の住居だから、この国の者ならここを襲うことはないのだという。せいぜい威嚇射撃程度のことなら、する種族もいるかもしれないが、ここを壊すほどの攻撃はしない。先程の地震のような揺れは、攻撃によってどこかが崩れたんだという。


 ここを攻撃した奴らはいま、先程まで僕達がご飯を食べていた村の方にいる。

 空から攻撃魔法を雨のように降らせている、が、高い塔が村全体をガードしているらしく、攻撃は建物には届かず空中で派手な爆音を立てて消えていった。



「ちょっとマズイかもしれないわ、早く中に入りましょう」


「えっ、えっ、あの、さっきいたとこが…」


「ライト、大丈夫だぞ。爺ちゃんが撃ち落とす」


「そーよ、そーよ」


「でも、10体近くいますよ?奴ら…」


「ライトくん、あの塔はね、魔法の塔なのよ。魔力を増幅して撃てるから、あの程度なら一瞬よ。あの塔は地上も射程範囲内なのよね…」


「えっ? 要塞みたいな感じですか…」


「要塞? ん〜? まぁ、あの塔を建てたことで、この国の勢力図は大きく変わったのよ。バカ兄貴が大魔王になったのは、あの塔が完成したからよ」


「そう…なんですね」


「中に入る?」


「中に入る?母さん怒ってるかも…」


「そうね、入りましょう」



 入り口は、何かの仕掛けがあるようで、ナタリーさんは何かを唱えていた。

 そして、次の瞬間、気づくと石山の中に入っていた。軽くワープした感じだった。


 中は、騒然としていた。チビっ子達が無事に戻ってきたのがわかり、数人が駆け寄ってきた。



「クライン! ルーシー! よかった、無事だったのね」


「うん、大丈夫だよ」


「うん、大丈夫だよ、ナタリーが守ってくれた」


「あ、ナタリー、おかえりなさい。珍しいわね」


「まぁね、この子達とバンズでご飯を食べてたら、内乱のことを聞いてね」


「爺ちゃんが、ナタリーに俺達を石山に連れて行ってって頼んでたよ」


「爺ちゃんが、ナタリーに頼んでたよ」


「えっ? め、珍しいわね…」


「急襲されたみたいだからね、バカ兄貴もこの子達だけにするのが心配だったんでしょ。この国の住人なら子供は狙わないけど…」


「やはり、外からの侵略者よね、奥がちょっと困ったことになっているのよ」


「何かが崩れる音がしたけど…奥が爆破された?」


「ちょっとまだ、私達にもわからなくて…魔法に長けた人達が、調べに行っているわ」


「じゃあ、私達も手伝おうか…。ライトくん、またまたお願いねー」


「えっ、僕、魔法は…」


「私に出来ないこと、できるでしょう?」


「あー、あ、はい、わかりました」



「えっと、そちらの方は?ライトさんとおっしゃるのですか?」


「あ、はい。ライトです…。えっと…」


「私と同じよ、神族よ」


「ライトは、俺の配下1号にするんだから、死霊だけど、いじめちゃダメだぞ」


 僕が神族だと聞いて、少し警戒していたような人達も、クラインの言葉を聞いて少し表情をやわらげていた。死霊だとわかって安心したのだろうか?


「クライン様、あの…ここでは死霊だといじめられるのですか?」


「ん?だって、アンデッドは、悪魔族の下僕みたいなものだからさ…」


「あ、なるほどー。クライン様は優しいですね。ありがとうございます」


「おう!」


「クラインは、優しいの」


「お、おう」




 僕は、ここでチビっ子達と別れ、ナタリーさんについて、石山の村の奥へと歩いていった。


 洞窟っぽいかと思っていたが、とても天井が高くて広い。ところどころに石の太い柱はあるが、たくさんの住居が並んでいて、ほとんどの住居が2階建の石造りになっていた。


 そして奥へと続く道沿いには、ガス灯のようなものが整然と並んでいて、外よりもかなり明るいことにも驚いた。


 また、少し進んで行くと、さらに幅が広がり、住居が並ぶ背後には、畑らしきものも見えた。洞窟の中でも作物は育つんだな、と僕は少し驚いていた。

 それに、上を見上げると、畑の上の天井には、ところどころに風穴のようなものものがあった。通気口になっているんだろうな。



「すごく広いですね」


「そうなのよー。奥は山の反対側まで続いてるのよ〜」


「えっ?それってかなり…」


「ふふっ。歩いていると疲れるわよ〜」


「が、頑張ります…」


「でもね…崩れてるわね、やっぱり…。分断されてるようだわー」


 僕は、ナタリーさんが見ている前方に目を向けた。たくさんの人だかりが出来ていた。


「人が、たくさん…」


「そうね、ちょっと嫌な予感がするわね」



 ナタリーさんが、近づいてくるのがわかると住人の何人かがこちらに駆け寄ってきた。


「ナタリー、来てくれたんだな、助かる」


「ちょっと大変なんだ。怪我人も多くてな」


 そして、彼らは僕の方を見て、少し怪訝な顔をしている。悪魔族って、警戒心が強いのだろうか?


「その子は?」


「ライトです。はじめまして」


「私と同じ神族よ。二クレア池の助っ人に連れてきたら、こんなことにまで巻き込まれちゃって…」


「あー、そうだったのか。なぜこんなところに人族のガキが紛れ込んだのかと思って驚いたが…神族か」


「ライトくん、ごめんね〜。バカ兄貴の血筋は基本、失礼なのよー」


「おい、ナタリーも同じ血筋だろうが」


「私は、母親が違うもの〜。一緒にしないでほしいわね」



 ガラガラガラガラッ!



 僕はまたかと身構えた、が…。あれ?攻撃ではなく、ガレキを魔法で崩した音のようだった。すると、崩した場所にいた人が叫んだ。


「大変だ! 治癒魔法を使える人、すぐに来て!」


 僕は、ナタリーさんと顔を見合わせ、その瞬間、ふたりとも走り出していた。


 崩したガレキの奥には、血の海が広がっていた。


「みんな、一応、息はあるわね、よかった」


 ナタリーさんは、詠唱を始め、そしてこの付近全体に癒しの雨を降らせた。


「治癒効果はたいして期待できないけど、悪化防止にはなるわ。あとはライトくん、お願い」


「はい」


 僕は、倒れている人達や怪我をした人達を手当たり次第、回復して回った。

 僕が近寄って、手を身体に入れるもんだから、みんな警戒していたけど、すぐにそれで回復されるのがわかると、みんなの表情は一転する。


「すごい! あんな瀕死の状態を一瞬で…」


「ありがとう、助かる」


 ナタリーさんは、その間に、ガレキの処分をしていた。すんごい高火力……ガレキをまるでマグマのように溶かし、それを崩れた場所に戻していく…まるで粘土細工のようだった。


(ナタリーさん、やっぱ、火魔法、ハンパない…)


 そして、僕の回復が終わる頃には、ナタリーさんもすっかりガレキを壁の修復に使い終えていた。


「ライトくん、早いわね」


「ナタリーさんこそ、すごいですね、火魔法」


「ふふっ。ありがと。あ、あとシャワー魔法もお願い」


「はい、わかりました」


 僕は、怪我をした人達と、血の海にシャワー魔法をかけて回った。ナタリーさんも待ってるみたいだったので、ナタリーさんと自分にも、かけた。


「ふふっ。ライトくんにしてもらう方がスッキリするわね。さすが開発者よね〜」


「えっと…気のせいかと?」


「ふふっ」


(とりあえず、誰も命を落とさなくてよかった…。でも、これがこの国の日常なんだな……厳しいな)




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