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欠落人間  作者: 神無月
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あなたが泣く姿は何度も見ていたのに

私はあなたが楽しそうにしている姿を

ほとんど見たことがなかった


あなたはいつもそうだった

辛い事があったのであろう日は

決まって深酒をしていた


あなたはいつもそうだった

辛いことがあったであろう日は

自分の事じゃないように理路整然と説明する


あなたはいつもそうだった

辛いことがあったであろう日は

ロックバンドの曲を大音量で流して

遠くを見ているようで何も目に光はない


あなたが死んでから私は何度も後悔した

あなたと「あなた」の気持ちや

私が私になる前の気持ちは

似ていたんじゃないか。



私たちが出会った頃なぜあんなに惹かれたか

光のないあなたの目になぜ私はあんなにも

魅了されたのか


あなたが辛い時になぜ助けられなかったのか


私はあなたに出会えて本当によかった

あなたには貰ってばかりだった


あなたが失踪した後

あなたの部屋に行ったことがあるの

真っ黒な血のあとのようなものが

まるで傷跡の証のように残っていた

部屋中に転がっていたお酒の空き瓶。


どうして失踪した時に

探し出せなかったのだろう


こんなことを言ったら

いけないかもしれないけど

あなたほど神に見放されて不幸な女の子を

私は知らない


なぜ失踪しなければいけなくて

なぜ死を決意したのか

読めばわかるはずなのにこれから先に

書いてあるであろうことが怖くて

私はまたあなたに背を向けようとしている。


夏のせいに全てをしてしまおうか




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