2章〜暴力〜
兄貴たちのせいで周りからの目は
俺を見下すような目で見てくる。
ガキの頃の俺には相当のストレスが溜まった。
「ほら、やっぱあの兄弟たちと同じよ。」
「なんでまた、松田さんの子供を世話しなきゃいけないの?」
聞こえるはずがない声が、ガキの頃の俺には過度のストレスによって、聞こえるようになってしまった。
でも、表では笑顔で接しても、俺しか聞こえない声は
きっと、この声が本心だと思う。
そんな声を聞くたびに苛立ちがつのった。
そんな大人たちに便乗して、同い年からの連中にも
嫌みを言うようになってきた。
「じゅんろうくんさあ、いいよね〜。ねだれば、なんでもかってくれるもんね。いいな〜」
日が経つたびに一人から二人と徐々に増えていった。
怒りが増してく。
怒りを抑えることができない俺は、壁を殴った。
何度も。
拳から血が出ようが構わず殴った。
怒りは感情を壊す。
大人になっても
抑えることはできない。
それは生きている限り
なくなるものじゃない。
そんな幼少時を過ごし、俺は小学校に上がった。
だが、ここでも幼稚園とは変わらなかった。
大人からの聞こえない声。
同級生からの嫌み。
俺はついに怒りが爆破した。
嫌みを言った同級生を一人、体育館の裏に呼び出し
殴った。
泣こうが叫ぼうが俺は殴りつづけた。
何度も。
相手はすでに白目を剥いでいた。
その顔を見て、殴るのをやめた。
相手のポケットから財布が出てた。
俺は躊躇なく財布の中身を持ってた。
「ははは」
俺は笑ってた。
気に喰わない奴には
暴力で黙らせばいい
力で分からせばいい
ガキだった俺にはこんな風に思ってしまったんだろう
この時の俺はすでに暴力に取り憑かれていた
そして、周りからの目が変わった。