表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

第5話 マンドナルム

「何処に向かうの?」


門を出てから30分くらいした時にミィちゃんが聞いてきた。


「ナキの森に向かっている」

「なっ!ナキの森は街の掟で行ってはいけないとされているではないですか!」

「ナック、なんでナキの森に行ってはいけないんだと思う?」

「理由はわかりませんが、行ってはいけないと言い伝えられているのだから行ってはいけないのでしょう」

「俺は調べてみたんだ。街の古い文献をね」

「どうだったのですか?」

「ナキの森にはマンドナルムと呼ばれる毒草が生えているんだ」

「マンドナルム?」


首をかしげるミィちゃん……可愛いな。


「そう、マンドナルムだ。少量ならば薬などに使えるが、猛毒な故、基本的には毒殺に使われる」

「ど、毒殺ですか?」

「特に危険なのはマンドナルムの実だ。マンドナルムの実は、衝撃ではじけて周りに毒をまき散らす。ある意味では爆弾のような実なんだよ」

「要するに、実が落ちる時期になったら」

「ナキの森が毒の森になるということだ」

「なるほど、ですからナキの森には近づいてはいけないと言い伝えられていたのですか」

「成程ねぇ」


二人に納得してもらえたようだ。


「じゃ、行くぞ」

「え?いや、待ってよ」


不意に言われたので歩み出した足を軽くくじいた。

痛ってぇ。


「今がその時期じゃないから安全なのはわかったけど、どうしてわざわざナキの森を通るの?」

「それは私も思いました」


ナックはともかくミィちゃんもわからないか。

まぁ、学校の単位にはないからなぁ。


「マンドナルムはな、かなり高い値で売買されているんだ」

「あーー、マンドナルムを取ってきて市場で売るって訳ね」

「あってるけど、市場じゃなくて闇市ね」


市場なんかに売ったら教国の魔導警察隊に捕まってしまうわ!

この後もくだらない話しをしながら歩き、遂にマンドナルムが生えている地帯に着いた。

旅に出る前々からマンドナルムの採集を考えて用意していた数本の小瓶の中に入れていく。なかなか神経をすり減らす作業で、終わった頃には集中力はとっくに切れていた。

それでも、このマンドナルム地帯では寝れないので地帯から出るまで歩かないといけない。



「えー、こっからまた歩くの?クルノのスケジュールキツイよぉ」

「初日から根を上げられるとこの先が思いやられるんだが…」

「冗談だよ冗談。私は勇者だからね、こんな事で根はあげられないよ」


マンドナルム地帯をぬける頃にはすっかり日が落ちてしまっていた。


「今日はここで野宿だな」


道中拾った実など食べて今日一日が終わった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ