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第4話 出発

うーん。学生時代にもっと友達を作っておけばよかったな。思いつく一緒に旅してくれそうな人には声をかけたが、皆すでに就職しているか勇者免許を持ってない人との旅はちょっと…などの理由から誰も着いてきてはくれない。


と言う訳で俺は今、ハミ・ウィンドリーの家の前にいる。彼女は、親しい、強い、勇者免許を所持している、と三拍子揃った人物だ。是非とも旅を共にしたい。


「ごめんくださーい」

「はーい」


中から可愛らしい声が返ってくる。

ガチャリとドアが開き、一人の女の子が出てくる。160ぐらいの身長でショートカットに切りそろえ、ふわふわとしたイメージの彼女こそハミ・ウィンドリーである。


「よう、ミィちゃん」

「こんにちは、クルノ。そろそろ来る頃だと思ってたよ」

「察しのとおり旅の道連れにな」

「うんうん、わたしは勇者だもんね。クルノが来る事はわかってたから待ってたんだ」


そう言って荷物を玄関の脇から出してくる。


「あれ?ナッくんは誘ってないの?」

「あ…あぁ、アイツはちょっとな…」


説明しよう、ナッくんことナック・エドラは学校で俺が一番会話をしたであろう相手だ。うん。それ以上の説明はいらない。


「えー、仲良かったから真っ先に誘うと思ってたのに」

「仲良くないわ!」

「ナッくんも同じ事言うよ。やっぱり仲がいいんだね」

「うっ………そ、そんなことより早く行こう。早いに越したことは無いからな」


言葉に詰まったので早々とこの場から立ち去る。


「あっ、ちょ、まってよ〜」


―――――――――


二人で歩いて町の門まで来た。門といってもそんなに大層なものではなく森との境目のようなもので、敵襲のないこの辺境の町では防壁などはいらない。とはいえ5メートルくらいの高さはある。その門柱に見知った男が一人立っていた。


「おっ!ナッくんだ、おーい」

「ちょ、声かけんな、素通りでいいよ」

「クルノ、全て聞こえてますからね。」


と言う彼はナック・エドラ。身長が高く俗に言うイケメンな顔立ちとルックスで女子ウケがとても良い。逆に男子からは嫌われる運命(さだめ)だ。俺も最初はいけ好かない野郎だと思っていたが、話してみると意外とからかいがいのあるやつだった。


「じゃ、俺らは旅に出るから」

「いや、待ってくださいよ」 

「ん?どうしたナック?」

「どうしたナック?ではないですよ」


どうしたというのだろうか…


「おふた方を待っていたのですよ」

「おお、そうか。見送りありがとう」

「そう言う事ではないのですが!」

「ハイハイ。わかってるわかってる、そんなに興奮すんなって」

「クルノ、君はいつもそうやって…」

「やっぱり二人は仲がいいんだね」

「「仲良くない(です)!」」

「フフ、ナックとクルノは二人が揃った時が一番面白いよ。さぁ、そろそろレッツゴーだよ」


ハミに先導され門をくぐり森へと足を踏み出す。ん?なんか見たことある緋い人がいるぞ。


「あれ?ホムラちゃん…かな?」


数メートル先に物凄い形相で歩いているホムラがいる。


「なんか声かけづらい雰囲気だから、そっとしておこう」

「うーん。そうだね旅を続けよう」


こうして旅の一歩を歩み始めた。


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