第3話 理由
「「は?」」
俺とホムラの声が重なった。
え?俺が1位?確かに手応えはあったがまさか1位だとは…
「納得いきません!私も満点の自身があります」
「ええ、ホムラさんも満点よ」
「ならばなぜですか」
「最後の、勇者免許の意義とは?という問に対してあなたは《箔がつく》と答えました。一方、彼は《相手を怯ませる為の脅し》と答えました」
そ〜いえば、そんな感じの事書いたな。
「箔がつくでは駄目なのですか」
「駄目という訳じゃないのよ。ただ個人的にクルノくんの答えの方が面白いと思ったのでね」
「な!?」
驚愕といった表情で立ち尽くすホムラ。俺もびっくりだ、まさか学校長の趣向で順位が決まったなんて…
ホムラはしばらく固まっていたが不意にこちらを睨み「この屈辱は忘れないわ。クルノ」と捨て台詞を残し勢い良くドアを締めて学校長室から出ていった。
どうせ不合格なのだか俺が2位ならホムラは3科目全て1位という偉業を成し遂げていたのに。
「学校長って性格悪いですね」
「ふふ、人生には挫折が必要なのよ」
「その言葉は立派だと思いますが、そのせいで挫折どころか命が無くなってしまいそうな生徒がここにいるんですけど…」
「さぁ、誰かしらね?」
この女、なかなか性格が悪いな
「あなたはこれからどうするの?」
「魔族でも狩って魔王討伐に行きますよ」
「あなたの実力じゃ即死だと思うけど、まぁ、頑張りなさい」
なんだこの学校長。ホムラが居なくなった辺りからプライベートな物言いなんだが……まぁ、いいか。
「一様、応援として受け取っておきます。では、失礼します」
「幸運を祈るわ」
武運を祈れよ。
とりあえず……仲間になってくれそうな人に声をかけてみるか。