第1話 卒業式
ん〜〜、目が覚めて軽くのびをする。
あれっ?なんで布団で寝てないんだ?寝ぼけた頭をフル回転させて考える。俺、こんなに寝相悪かったけなぁ…
9時か…視線を時計から下に落とすとふと、卓上の通知書が目に入る。そっか、俺気を失ってたんだ。努力は報われずただ無為に過ごした日々だった。受け入れられない自分がいるが受け入れなければならない。
そう言えば、今日は9時から卒業式だったな。
・・・・・・・・やべっ!遅刻だぁ〜!!!!
「アクセル!」
魔導士ならば誰もが最初に習得しようとする移動速度が速くなる魔法を自分に唱え全力で走る。もう間に合わないが取り敢えず急ぐ。
学校に着くやいなや遅刻カードに記入せず真っ先にホールへと向かう。そっとホールに入ると既に卒業式は始まっていた。幸い、まだ序盤のプログラムのようだ。
ってか、クラスメイト誰もいないんだけど。
教職員が卒業生と思われる3人の生徒を囲うようにホールの端に立っている。広いホールなだけに変な感じがする。因みに俺は教職員に紛れて立っているのだが…気まづい。
そんなどうでもいい事を考えていると不意にアナウンスが流れた。
―――勇者免許証授与
武術1位 魔法1位 筆記2位
ホムラ・ラージ
「はい!」
あなたは頭書の成績をおさめ卒業過程を修了致しました。よって勇者免許証を与えます。
名前を呼ばれた生徒が返事をし、勇者免許と卒業証書を受け取る。やはり、天才ホムラは合格したのか。
武術2位 魔法2位 筆記7位
メリー・ラスト
「はい」
次席も合格かぁ〜。やはりこのレベルまでいかないと合格出来ないのか。
武術6位 魔法4位 筆記3位
ハミ・ウィンドリー
「は、はいっ!」
緊張しているのか少し声が裏返っている。ミィちゃんも頑張ってたもんな。
――――――
――――
――
以上を持ちまして卒業証書勇者免許証授与式を終わります。