ギルド編三話
「はぁ、もうめんどくさいや。」
俺は正直に話した。そしたら案の定信じてもらえなかった。
まぁ、そうだよね。異世界からきたなんていったら。
でも、馬車に乗れて町まで連れていかせてもらえることになったから、よしとしよう。
「姫様は何て言うの?」
「貴様!!さっきから姫様に馴れ馴れしくしおって!!切り捨ててくれる!!!」
「いいのですよ。」
「いやしかし…はっ、了解しました…。」
姫様が睨みを利かしていた。
「お話しの続きでしたね、私は第三王女のリア=K=エルメンライヒです。」
なにそれ、めっちゃ王族っぽい。予想より遥かに王族っぽい。すげぇ。
「よし、着いたぞ。お前は降りろ!!」
「はいはい、言われなくても降りますよ。」
けっ、無能な騎士め。まぁいい。町についたからあとはギルドとか探して情報を集めていくだけだ。はぁ、帰れるのか?
いや、もうこっちで生きていってもいいのか?うーん、でもなぁ…漫画とかアニメとかみたいしなぁ…。
「助けてくれたお礼にこれを。」
「ん?あぁ、ありがとうございます。姫様。」
俺は包みを受け取った。
中には金銀の硬貨と板が入っていた。どうりで重いと思ったよ。
姫様はほんとはお城まで俺を連れていくつもりだったが、騎士が文句をいい、俺が恐れ多いということで丁寧に断った。
だって、堅苦しそうだしなにより騎士がうざすぎる。
というわけで門よりかなり前に降ろしてもらった。
門は見えてるから歩くだけだ。
「急ぎでもないし、ゆっくりでいいか。」
お金の整理でもしようかな。
えーと、金板が一枚、金貨が五枚、銀板が二枚、銀貨が八枚か。
「よし、着いたが検査は甘いようだ。」
好都合好都合っと。
「なにようだ?」
ちょっと高圧的な言い方で訊かれたが、門番だし威圧感は必要なのだろう。
「旅の途中でちょっと立ち寄ってみようかと。」
「それにしては怪しい服装をしているな…」
「おい、こいつはさっき王女様が仰ってたやつじゃないのか?名前はなんという?」
「名前はセイカ=コモ…コウモリです。」
危ない、姫様は俺のことをコウモリって聞き間違えてたんだった。
「あぁ、王女様が仰ってたやつで間違いないな。服装も仰ってたのと合う。」




