ギルド編二話
「とりあえずあのドラゴンが敵なんだろう。」
少しみてわかったが、盗賊と騎士が協力してドラゴンと戦っている。
おそらく、盗賊が襲ってきたところに後からドラゴンが襲ってきたんだろう。
姫様どんだけ運ないんだよ。
「よし、倒すか。」
俺は猛スピードで飛び出し、ドラゴンの首目掛けて赤い骨の剣を振った。
ドラゴンは気づいたが、既に遅い。
俺は首を綺麗に切り落とし、勝利をおさめた。
「ふぅ、こんなもんか。」
「何者だ!!」
って、あれ?何故囲まれているんだろう?俺は助けたんだから感謝してもらう側だろ。
「何者だと訊いている!!」
「あ、あぁ俺は小森せ…セイカ=コモリだ。」
異世界だからこうだろ。
「セイカ=コモリ!!君は何者だ!!」
「そんなことより姫様みたいなの拐われてますよ。」
俺を囲んでいるのは騎士だけで、盗賊は姫様を連れ出そうとしていた。既に猿ぐつわまでされてるし。
「あぁ!!姫様になにを!!」
「げっへっへ、解放してけりゃ武器を捨てな。」
「くっ、皆の者!武装を解除しろ!!」
「ゲハハ!あとは有り金を…」
「なぁ。」
「あぁん!!今いいところなん…」
ストンッ
姫様を縛っていた盗賊の首が切り落とされた。勿論切ったのは俺。だってなんか長くなりそうだったからな。
「今だ!!攻めろ!!!」
やっと騎士が動いたか、無能め。
「姫様。大丈夫ですか?」
「えと、ありがとうございます。」
姫様はまだ子供だ。子供らしい可愛さが残っていて綺麗な金髪だ。
「貴様!姫様から離れろ!!」
「いいのです。」
流石姫様!!器が大きいようで。
「お名前を伺っても?」
「セイカ=コモリです。」
「コウモリさんですか。珍しいお名前ですね。」
ん?この姫様は難聴の方なのだろうか?
「あの姫さ…」
「ところでコウモリさんはどうしてこんなところに?」
……。もういいか。別に不都合が出るわけでもないし。
「ちょっと旅の途中で迷子になってしまいまして。」
「あら、そのわりにはなにもちあわせてませんのね?」
…やばいな。この姫様なかなかするどいぞ。
「やはり、不審だ!切り捨ててやる!!」
「駄目。」