ギルド編十二話
「よし、手裏剣だ!!」
俺は血で直径一メートル程の手裏剣を作り出し、投げる。当然避けられるが、その手裏剣は囮だ!!
「そぉい!!ほれほれほれほれ!!」
どんどん手裏剣を投げる。でもほんとに血が尽きないもんだな。
「にしても、よく避けるな。」
俺は攻撃の手を休めた。するとドラゴンは口に魔力を溜めた。ブレスか!!
「でも遅いんだな。それが。」
ジャラララ
突然、鎖がのびてきてドラゴンはギリギリ避けたが数が多く、対処出来ずに捕まってしまった。
「ふっ、この鎖はあの血の手裏剣でできているんだ。」
そう俺は罠のようなものをセットしていたんだ。
「恨むなよドラゴン。じゃあな。」
ズシャリ。
俺はドラゴンの首を切り落とした。
「ふぅ、強かったな。倒したけど証拠とかいるよな?」
あ、尻尾でいいか。切れてるし。
うーん、長いな。でも頭よりましか。さて帰るか。
途中、門番に止められたがなんとか切り抜けてギルド帰れた。
「あ、入らねぇ。」
「なんだ?表が騒がしくなってるな、また落書…って!セイカ!?」
どうしようかと考えてると、カルラが出てきた。いいタイミングだ。
「カルラ、狩ってきたぞ。ほら尻尾だ!!」
「…ほんとだな。はぁ、そんなすぐ帰ってこれるほど、弱いドラゴンじゃないはずだったんだがな。」
「あぁ、強かった。最初は負けるかと思ったが作戦勝ちした。」
「どんな魔法使ったんだ…?」
「魔法?そんなの使ってないぞ。」
「は?」
あ、言ってなかった。周りに人が集まってきたしどうしよう。
「お前らにこの尻尾やるよ!!よしカルラ、中に入るぞ。」
「え!尻尾は…」
「そんなものはいいんだ。はやくはやく。」
「あ、あぁ。これでいい、のか…?」
中に入るとちょっと表が騒がしくなった。尻尾を巡って争っているんだろう。
「で、どうした?」
「俺はな、自分の身体を操れるんだ。」
「いや、皆操れるだろ?現にこうして動く。」
あぁ、駄目だ。伝わってない。見せた方が早そうだな。
「伝わってないな。実演するぞ。伸びろ。」
俺の腕が突然伸びた。これで伝わらなかったらどうしよう。