始まり
とても短いですけど、見てくれると嬉しいです。
それから3ヶ月ほどたったある日、僕は両親に呼び出された。
まぁ、なんとなく何を言われるかなんて想像ができるけども。
父の書斎に入ると、家の家族が勢ぞろいしていた。
そして、父が口を開く。
「お前はもう要らないから出て行け。魔法もろくに使えない奴がこの家にいる資格はない」
次に母が、
「本当よ。お前は長男だったから期待していたのに・・・がっかりだわ」
最後に妹2人が、
「妹よりもだめな人なんて兄じゃないよね」
「もっと強い人がお兄ちゃんだったらよかったのに・・・なんでこんな役立たずがお兄ちゃんなんだ
ろう」
・・・予想はしてたけど、此処までボロクソに言われるとは思わなかった。
ぶっちゃけ、妹2人の言葉が一番効いた。
言われたときに、「お兄ちゃん~」と言いながら遊びをせがんできた2人が頭に浮かんで、どうしよう
もなく涙が溢れてきた。
涙は枯れたと思っていたのに。
僕は涙を流しながら、自分の部屋に戻りあらかじめ用意していたバックを持って家を飛び出した。
だから気付かなかったのだ。辛そうな表情の双子の片割れに。
いつも肌身離さず持っていた宝石が、淡く光っていることに。
―――覚醒の時は近づいていた―――