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いじ

作者: 六花 霞螢

 父が、死んだ。

 母は、最初からいなかった。

「可哀想に」

「あんな小さい子供を残して」

 葬儀に集まった大人達の囁きは、耳障りなノイズとなって、よってたかって僕を囲い込んでは、押し潰す。

 同情? 哀れみ? そんなものは要らない。息苦しくて堪らないこの場所から、早く僕を解放してくれ。父の葬儀で同情大会なんて開いた覚えは、僕にはない。

 乾ききったこの瞳から、今にも零れ落ちそうになる涙は、絶対に彼らには見せてやるものか。

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― 新着の感想 ―
[一言] 葬式で「かわいそうに」と泣かれても、たしかにそれは他人事として言われているようで、少年にとってとても憎いものとなったことが分かります。 葬式って、意外と家族の方は泣かなかったりするそうです…
[良い点] 変なことを言い出すような感じですけど、大人って子供に暗黙にいろいろ期待していて、そそのかすところがあるんですよ。それも生きていく一部なんですが、この主人公はのせられる訳でもなく、共犯関係を…
2010/07/06 21:50 退会済み
管理
[一言] いじらしいですね;; かわいそうとしか言えません。 大人の嫌な世界を見せ付けられたこの子どもは、将来どうなっちゃうんでしょう。 何だか切ない気持ちになりました。 ありがとうございました。
2010/07/06 21:04 退会済み
管理
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