3 もう一つのリスト
・各々、誰かを思い切り笑わせる
なんだか、私のハードルがすごく上がった気がする。
だけど撤回を求められるはずもなく、私以外の三人によって話は進んでいく。
「花見と海は近いうちに行けるんじゃないか?」
「そうですね、そう遠方じゃなければ……」
「それもいいけど、新しく何か追加しようよ」
「了解。まだやってないことって、何があったっけ?」
「色々とあります。できるできないは置いておいて、ひとまずリストアップしていきましょう」
加地くんとナオヤくんの息が、これ以上ないくらいぴったりと合っている。もはや何も口が挟めないのだった……。
そう思っていると、横に座っていた弓槻さんが、ちょんちょんと小突いてきた。視線を向けると、耳元でこっそり話す。
「こっちの項目……別リストに分けようか?」
「……え!?」
残りの項目のうちのいくつか、ナオヤくんと私だけで実行しているリストだ。世の『恋人』が、それらを着々とこなしていくであろうと思われている項目が並ぶ。
不意打ちの確認に、顔がみるみる真っ赤になるのを止められなくて、ニヤニヤされたり心配されたり呆れられたり……それからは大変だった。
だけど、楽しかった。
ナオヤくんと私の胸の内に溜まっていた澱みたいなものが取り払われて、そこに新しいものを詰め込んでいくことができる。これから何を詰め込もうか、加地くんと弓槻さんは一緒に考えてくれる。
今までできなかったこと、これからやりたいこと、考えてもみなかったこと……リストが、めまぐるしい勢いで増えていく。
これからの私たちの日々が鮮やかに彩られていくんだと……そんな希望が溢れた、忙しくて大変な一日になったのだった。




