19 拒絶
お昼休みには、遂に加地くんも弓槻さんも用事があるからと席を外して、ナオヤくんと二人だけになってしまった。
そのナオヤくんも、黙り込んでいる。何かを考え込んだまま、誰のことも見ようとしていない。
「ナオヤくん、お昼だよ。食べないの?」
そう聞いても、生返事しか返ってこない。肝心のお昼ご飯もほとんど手を着けないまま、昼休みは終わってしまった。
本当に、何が起こったんだろう。昨日から、色々なことが次々に発生している。でもそれらは、完全にではないけれど、それぞれ、それなりに少しずつ落ち着いていたはずだった。
今度は、三人ほぼ同時だ。そして、私には起こっていない。
何か、私が関係しているんだとしか、思えなかった。
決定的だったのは、放課後に言われた一言だ。
「天宮さん、そのプラネタリウム……他の人と行ってはどうでしょうか」
そんな、ナオヤくんの一言。
生徒は皆、帰宅するかサークル活動に出てしまった後、二人だけの教室に、ナオヤくんの申し出が悲しく響いた。
一瞬、何を言っているのか、わからなかった。
「ナオヤくん、なんて?」
「他の方と行かれてはどうかと、提案しました」
「……プラネタリウムが嫌なんだったら、別の場所でも……」
「いえ、今後一切の共同の外出に関して言っています」
「今後、一切……?」
聞けば聞くほど、何を言っているのか、わからない。
「あの、一応これって実験の一環じゃなかったっけ? 恋人検証の方の……」
「そうでしたが、どうも乗り気じゃなさそうなので」
昨日の今日で、何を言っているんだろう。昨日、ナオヤくんの前で泣いてしまったから? でも嫌がるようなことは言わなかったはずなのに。
「私は、乗り気じゃないわけない。自分から誘ったんだよ?」
「そう……ですね。すみません」
結局は、ナオヤくんが乗り気じゃないということみたいだ。だけど、今後一切というのはどうしてなんだろう。
説明を求める視線を向けると、ナオヤくんは気まずいといった風に、逸らせた。
「さっきのコールが何か関係あるの?」
ナオヤくんの体が、ぴくんと跳ねた。やっぱり、そうみたいだ。あのコールが私だけにかかって来ていないことを考えると、コールの主は私の関係者。そんなことができそうなのは、一人しかいない。
「私の……お父さんから、だった?」
ナオヤくんは答えない。否定もしない。それが、答えだった。
「……何を言われたの」
「何か言われたから、断ったんじゃありません」
「じゃあなんで、今後一切なんて……」
「僕とあなたは、違うから」




