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君はプロトタイプ  作者: 真鳥カノ
chapter1 再会、もしくは出会い
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6 同志?

 心を読まれた!……という顔をしてしまった。

 深海くんはそのことに怒るでもなく、表情を変えずに続けた。

「お気になさらず。事実なので。ただ、事情があるということはお察しください」

「あ、はい……」

 ぺこっと深海くんが頭をさげるので、私もそれにぺこっと返す。

 顔を上げると、ようやくまた、あの視線とまっすぐ向き合うことになった。

「深海尚也のことを、覚えていてくれたんですね。ありがとうございます」

「それは、まぁ……」

 他人事みたいな言い方に、違和感を覚えた。だけど肝心の本人の方は、それを違和感とは思っていないらしい。

「母が喜びます」

「……母? 深海くん本人じゃなくて?」

「はい」

「な、なんで?」

 さっき察して欲しいと言われたばかりなのに。思わず尋ねてしまった。

 すると深海くんは、またスイッチが切れたようにピタッと動かなくなってしまった。だけど、視線だけが揺れ動いて、やがて私を捉えたのがわかった。

「……あなたは、天宮ヒトミさん、でしたね?」

「うん、そうだけど?」

「天宮愛さんの『妹』の『天宮ヒトミ』さんですね?」

「そうです。さっきから、何?」

「いえ、あなたが『天宮ヒトミ』さんの方なら、話しても多少理解が得られるかもしれません。だから、お話しします」

 その言い方に、ほんの少しひっかかりを覚えたけれど、すぐに忘れた。それから続けざまに言われた言葉が、あまりにも衝撃的すぎて――

「僕は『深海尚也』の体細胞から作られたクローンです。管理番号の下三桁がちょうど708だったので、僕のことは『ナオヤ』と呼んでください」

「…………は?」

「あなたと同じ立場の者ということです。天宮愛さんのクローンである『天宮ヒトミ』さん」

 そう言われて始めて、彼が浮かべていた無機質な笑みが、そら恐ろしいものに見えてきた。

「あなたも、実子登録されたクローンでしたね」

「まぁ……はい」

「つまり、僕とあなたは同志ということになります」

 曖昧な返事しか、返せなかった。いきなり同志だって言われても、何一つ共感できない。

「……すみません。意味の通じにくいことを言ってしまいました。詳細をお話ししても?」

 聞いてもいいんだろうか。そう思ったけど、ナオヤは話すつもりらしい。私がおずおず頷き返すと、ナオヤは「ありがとう」と言って、またお辞儀。

「まず、あなたは『深海尚也』をよくご存じかと思いますが、彼は一年ほど前に死去しました」

「……え?」


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