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君はプロトタイプ  作者: 真鳥カノ
chapter3 『愛』と『ヒトミ』
50/114

20 パーティー

 それからはもう、怒濤のようだった。

 管理人さんは時田さんという、五〇代くらいのとっても親切な女性だ。着替えを持ってきてくれただけじゃなく、私たちの急な要請も快く引き受けてくれた。

 皆で近くのスーパーに行って、美味しそうなものと面白そうなものをたくさん買って、また別荘に戻ってきた。

 帰るなり、リビングのテーブルいっぱいに買ってきたものを広げて、言った。

「どれから食う?」

「どれから遊ぶ?」

 もちろん、どっちも実行した。

 お菓子を頬張りながら、買ってきたゲームをする。とっても騒がしくて忙しい時間だった。

 お行儀悪いなんて、誰も責めたりしない。

 もともと海ではしゃぐはずだった体力を持て余していたのかもしれない。全力全開ではしゃいで……あっという間に寝てしまった。

 もちろん、率先して提案して率先して遊んでいた、加地くんと弓槻さんの二人の話。二人の寝姿を前に、ナオヤくんと私はちょっとだけ呆れてしまった。

「言い出しっぺが寝ちゃったね」

「毛布か何か持ってきます」

「じゃあ、私は片付けておくね」

 見事な散らかし魔だった二人の周辺は、それはもう嵐の後のようだった。実際、二人は嵐のようだったんだから、あながち嘘でもないか。

 楽しげに大騒ぎする二人の顔と心地よさそうな寝顔を比べていると、なんだかクスッと笑ってしまった。

「……お二人は、そんなにおかしな寝顔でしたか?」

「おかしいっていうか、色々混ざって……」

「そうですか」

 戻って来たナオヤくんは、二人に毛布をかけてあげると、散らかっているゴミを一緒に片付けた。片付けたゴミを部屋の外に出して、ソファに腰掛けると、一息つく。

 ナオヤくんは自然と、あのリストを開いていた。一覧をざっと見ていると、『海へ行く』と『お泊まり会で夜通しゲーム』のあたりでピタリと止まる。

「お泊まり会は達成ですが、夜通しというのは達成できていませんね。海も行きましたが……果たして本来の目的を達したかどうか……」

「夜遅くまではやってたから、いいんじゃない? 海も、実際に見るのはできたんだし……」

「……二人が納得しなければ、また書き足しましょう」

「うん、そうしよう」

 ナオヤくんは『海へ行く』と『お泊まり会で夜通しゲーム』も、そっと指でなぞる。

 チェックされた項目の方が数が多くなっている。なんだか線を引いた跡が鮮やかに見える。


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