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君はプロトタイプ  作者: 真鳥カノ
chapter2 『実験』の始まり
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14 メンバー追加

 ふんわりとした声が、近づいて来た。昨日、席をひとつ空けてくれた女子……『弓槻ゆづき 紗菜さな』さんだ。

 あまり話したことがなくて思わず萎縮してしまったけれど、加地くんがさらっと会話を続けてくれた。

「天宮さんと深海がさ、『青春の実験』やってんだって」

 加地くんは、昨日私が話した内容をほぼそのまま説明してくれた。最初は怪訝な顔をしていた弓槻さんが、徐々に顔を綻ばせていく。まるで蕾が花びらを広げていく過程のようだった。

「すごい! 何ソレ、面白そう! 応援したい! ていうか、私もやりたい!」

 立候補すると言わんばかりに、弓槻さんが挙手をする。それに倣って、加地くんまで挙手した。

「俺も俺も。実験やってみたい」

「僕はかまいませんが……」

 ナオヤくんはそう言って、私に視線を送ってくる。私こそ、二人が加入してもいいのか聞きたいんだけど……。

 そもそも『青春の実験』なんかじゃないし。自分探しのためなんかじゃなく、自分じゃないもう一人になるための実験で、完全に趣旨が真逆だ。

 それなのに、ナオヤくんは何でもないように二人からの質問に答えている。主な活動内容、加入条件など……なにかしらのサークル活動みたいだ。

「ナ……深海くんがいいなら、私もいいけど……」

「では、決まりですね。第二回目の実験は本日の放課後に決行予定です」

「了解!」

「了解です、隊長!」

 サークルどころか軍隊になりつつある……。

「それで何だっけ? パティスリー『アリス』? いいね、私も行ってみたかった」

 弓槻さんがそう言って、不敵な笑みを浮かべる。自信あり、といった様子だ。

「任せて。あそこのイチ押しスイーツはちゃんと調査済みだから」

 悲鳴が上がるくらい辛いものを昨日食べたばかりだっていうのに。行動の振れ幅が大きすぎて、ついていけるか不安だ……そう思っていると、弓槻さんが首を傾げて、尋ねた。

「ところで……なんで実験でカフェのスイーツ?」

 その問いに答えられる人間は、その場にはいなかった……。 


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