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君はプロトタイプ  作者: 真鳥カノ
chapter2 『実験』の始まり
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7 『寄り道』

 放課後。校門の前に、私とナオヤくんは並んで立っていた。立ったまま、歩き出せずにいた。

「寄り道って……何するんだっけ?」

「それは決めていませんでした」

 私たちの周囲では、他の生徒たちがサークル活動にいそしんだり、授業から解放された喜びの声をあげていた。

 当然、棒立ちの私たちは奇異の目で見られる……。

「『寄り道』はまっすぐ帰宅せずにどこかに寄ること。あまりにも行動範囲が広すぎました。すぐに寄り道先の候補を挙げましょう」

 ナオヤくんは素早く携帯端末を取り出す。この辺一帯の地図を開いて、画面を拡大する。私の方は、あのメモを開いた。二つを見比べて、はたと思いつく。

「この店に行かない?」

 そう言って地図の一点を指さす。そこはチャイニーズフードのお店だ。それも、昔ながらの『四川料理』とやらが絶品と有名で、食べた人は皆、汗だくになって店を出ると噂の。

「なるほど。リストを二重にこなすんですね」

 そう。リストには他に『辛いものを克服する』とある。それはつまり、辛いものを食べて平気でいればいいということだろう。

 この店に行けば、『寄り道』と『辛いもの』両方を完了できる。

「良案かと思います。では、行きましょうか」

 くるりと踵を返して、ナオヤくんは歩き出す。その速度が思っていたよりもゆっくりで、少し意外だった。尚也くんは少しせっかちだったから。

「あの……もしかして、愛の歩幅に合わせてくれてる?」

「え?」

 尋ねると、意外そうな顔で振り返った。どうも違ったらしい。

「えっと……私、そんなに遅くないから、もうちょっと速く歩いても大丈夫だよ」

「ああ……はい。そうですね」

 そう言うと、ほんの少し早歩きになった。そんなに変わりはないけれど。

 だけど本当に、『愛に対する気遣い』は私には必要ない。私が再現しないといけないのは、そういうところじゃないのだ。

 余計な気遣いはさせないように注意しないと。そう思って、ナオヤくんに続いて歩き出した。


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