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君はプロトタイプ  作者: 真鳥カノ
Epilogue プロトタイプ
112/114

3 実験続行

 言われてみれば、上に書かれていたものは全部線が引いてある。まだ残っているのは、後から追加したものばかり。終われば次々追加すればいいと話していたから、なんとなくリストは終わらないものだという認識でいた。

 けど、明確に最初のものと追加したものでは違う。だって後から足したものは、新しい経験をして、楽しむための項目だから。

「実験の第一段階は、終了ってことでいいんじゃねえ?」

「そういう観点も、ありますね」

「あるある。この際だからさ、リスト分けようよ」

 そう言って、弓槻さんは上下のリストの間に線引きして、二つに分けた。それを見たナオヤくんは、なんだか感心していた。

「なるほど。ここから上がプロトタイプ実験、下は青春実験……といったところでしょうか」

「プロトタイプ?」

「何それ?」

 またしても、二人にとっては初出の言葉で、目を丸くしていた。

「え、えーとね……」

 私は、たどたどしくも説明した。あの日、ナオヤくんと交わした言葉を。

 もしかしたら二人は、また気分を害してしまうかもしれない。そう思ったけど、そんなことは、杞憂だった。

「はぁ~なるほどなぁ。オリジナルを完成体と考えて、それに近づこうとしている試作段階のプロトタイプ……か」

「なんか深海くんらしい名付け方だね。ちょっと機械みたいだけど」

「恐縮です」

「ごめん、褒めてはいない……」

 弓槻さんがちょっとだけ辛辣に言う間に、加地くんは妙に感心したように、うなり声を上げていた。

「だけどさ……それでいくと、俺たち全員、プロトタイプなんじゃねえ?」

「……え?」

 皆が振り返る中、加地くんはものすごく自慢げに語った。

「だってさ、確かプロトタイプって……後で改良するって前提で、作る最初のパターンだろ? 確かにクローンとオリジナルの関係にも当てはまるけどさ、オリジナルがいなくたって、誰だってそうじゃん。十年後とか二十年後に『こうなっていたい自分』ていう完成像を想像してて、今それに近づくために色々試行錯誤してる……てことだろ?」

「……あぁ、そっか」

 弓槻さんがぽんと手を叩き、私とナオヤくんは目を見合わせている。

「加地くんは、発想が豊かですね」

「いやぁそれほどでも……」

「でも、それいい……! よし、実験続行、決定! 我々人生のプロトタイプによる、青春実験!」

「賛成!」

「え、ええぇ……」

 まただ。加地くんと弓槻さんにかかると、何でも五倍速ぐらいで物事が進んでいく……。そう思っているのを読まれたのか、ナオヤくんはクスッと笑いながら言った。

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