表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/2

2 家族旅行

前回から大分間が空いてしまいましたね。すみません……。これからも不定期投稿にはなりますがどうぞこの作品をよろしくお願いします。

そしてもう一つ。既に投稿済みのエピソード1の内容を少し変更しました。内容の変更というよりは、物語の時系列の変更なのですが……。なので、既に1話を読んだ方も、もう一度読んでみてはいかがでしょう?

翌朝8時。

太陽のよく出た晴れの朝。

そんな気持ちのいい日の白逆葉家にて……


「おーい!皆んな、準備大丈夫か〜〜?」

「大丈夫、何も問題なし!」

「準備万端だし、早く行こ〜よ〜!」


夏希が問いかけ、奏飛と瑠璃がそれぞれ返事をする。

そう。今日は奏飛達が待ちに待った家族旅行の出発日である。

皆んな、今か今かと出発の時を待っている。


ちなみに、移動手段は車で、運転は父の夏希。

夏希の車に乗って、奏飛達家族は、彼らが住む、翠碧の町を離れ、北地方の首都圏である、ルーロの方に行くのだ。

そして、今回彼らが通る予定の道は、道路などがきちんと整備されており、道がないなどの心配は無用。


レルドの国全体の道路は基本綺麗で、世界基準で言えば、どっちかと言うと、暁光国は先進国なのだ。

しかし、国の全体面積は比較的小さく、36000㎢程の小さな国土である。

(※ちなみに、地球で言うと台湾島くらいの面積)

なので、国の本島を端から端まで移動するのも、そんなに時間はかからない。


「よし!じゃあ全員準備できたみたいだし、行くか!それじゃあ、出発〜!」

「いえーい!」

「わ〜い!」

相変わらずテンションの高い奏飛と、まだあやふやな言葉で喜ぶ一輝であった。


1時間半後



「おーい、そろそろ着くぞ。寝てるならそろそろ起きる時間だぞ。……って奏飛は寝てないのか。」

「うん。車の移動は景色が見れて楽しいし、昔から好きだからね。」


「いや、まぁ奏飛以外は全員寝ちまってる訳だが……。」

そんな夏希と奏飛の会話のすぐそこでは、母の玲奈に双子の瑠璃と心、それに一輝が爆睡している姿があった。

「いや、なんで皆んな寝てるの?せっかくの珍しい景色なんだよ?」


「まぁ、1日目の行き先が科学館って事で、俺と奏飛以外はテンションダダ下がりってのと、皆んな昨日結構寝るの遅かったし、疲れてるんじゃないか?」

「だとしてもだよ!なんで!?こんな大都市の景色初めて見たらワクワクしない訳なくない!?」

「フッ、あまいな!、奏飛!」


「な、なんだよ父さん?」

「これが大都市だって?フッ、確かにルーロは暁光国の中では首都圏だし、大都市と言っても間違いではない。だがしかし!世界にはもっとこんな所と比べ物にならないほどの大都市があるって知ってるか!?」

「えっ!?」


「フッ、知らないようだね!奏飛くん!」

「知らないです先生!」

「ならば教えて差し上げよう!」


「よろしくお願いします!」

「まずは、世界一の都市といったらハルバライト連邦の首都ラーバスだな!父さんも一回しか行ったことはないが、どでかい高層ビルなんかが立っている景色が無限に続く大都会だ!」

「なるほどなるほど!」


「そして、他にもここ、暁光から西にずっと大海原を挟んだ所にあるヌー大陸の一国であるアルドバ共和国の首都ハンヅもそうだな!」

「そんな所もあるんですね〜!」

「他にも、世界には数えきれないほどここよりも大きい都市が沢山ある!まぁ、1番は将来自分で行って、自分の目で確かめてくる事が1番さ!大きくなったら君も行ってみるといいさ!なぁ!奏飛くん!」


「はい!先生!将来は俺も自分で海外に行ってみたいです!」

などと、冗談混じりの会話をしていた夏希と奏飛。

だが、いつの間にか玲奈以外の3人はもう既に起きていたようで……。


「「「……」」」

3人同時に、黙ってその2人の会話を聞いていたが、3人の2人を見る目が「何をやっているんだこの人達は」と言わんばかりの目になっていたのは言うまでもなかった。


30分後



入場の手続きを終わらせた奏飛達家族は、既に科学館の屋内に入っていた。


「わぁ……!すごい……!」

今にも走り出しそうな程目を輝かせている奏飛。

その奏飛と対照的な程、テンションの上がらない瑠璃、心、一輝の3人。


そんな3人に夏希は頭を悩ませていた。

「なぁなぁ、せっかく来たんだし、ちょっとはテンション上げたらどうだ?」

「う、うん……。」

「そうだね……。」


その夏希の言葉に対して軽く返事をする瑠璃と心。

だが、その返事は、とてもテンションが高い人のものとは言いにくい。

しかし、そこで玲奈がある提案をする。


「ねぇ、この科学館って、近くにちょっとしたアスレチック施設もあるみたいだけどちょっとだけそっちにも行ってみr……」

「「「え!?アスレチック!?」」」

そのアスレチックという単語に大きく反応し、玲奈が言葉を言い終わる前に言葉を発する瑠璃と心。


「ねぇ!それどこにあるの!?」

「教えてよねぇねぇねぇ!」

「うわ!ちょっと地図奪ってかないで!」


その急に高まったテンションに巻き込まれ、夏希は急に手に持っていた地図をぶん取られた事に驚いた。

「分かった分かった。今から場所教えるから地図返してくれ……。悪いけど玲奈、3人をアスレチックの方に連れてってくれないか?」

「もう、しょうがないわね……。分かったわ。連れてけばいいんでしょ?」


「ありがとう。俺は奏飛と屋内を回って見てるから、何かあったら連絡入れてくれ。」

「了解。」

そして、返事を聞いて、4人はアスレチック方面の方に去っていった。


1時間後



「ふぃ〜〜。結構色々な所見て回ったな。でも、そろそろ父さんちょっと座りたい。」

「いいんじゃない?ちょうどあそこに図書館スペースみたいなところあるし。」

「じゃあ、そこで休憩するか。」


「父さんは座って休憩してるから、奏飛は好きな本でも読んで時間潰してろ。」

「うん!分かった!」

そうして、奏飛は本を選びに本棚に走って行った。


「……あの元気を俺にも少し分けて欲しいよ……」

と、そんな事を呟く夏希であった。


5分後



「うーん、どの科学の本も結構知ってる知識しか書いてないし、物語とか作り話は知ってるやつしかないな……。……仕方ない、たまには他のジャンルの本でも探してみよう!」

そう決めて、科学本スペースを出て、他の本を探していく奏飛。

しかし、中々興味を惹く本が見つからない。


だが、探し初めて5分ほど経った時、一際異質な雰囲気を放つ本を見つけた。

「なんだ?これ?」

その本は、見たところかなり古い物で、思わず、奏飛はその本を手に取る。


そして、立ち読みを始めるのだが……

「宗教的な本?それとも、何かの物語?でも、物語だとしても、こんな話聞いた事ないな……。」

そこには、物語?なのかは分からないが、とある話が書いてあった。


「昔、これは遠い昔のお話。

この星、レルドには5種類の種族の者が繁栄して共存していた。

人間種、魔人種、海底人種、天空人種、そしてデビル種。

そして、それぞれの種族がそれぞれの国を持ち、皆種族問わず、国を行き来していた。

主に、種族の分布は場所ごとに別れており、人間種の住むハルバライト大陸、南ハルバライト大陸、北ハルバライト大陸、ヌー大陸に、魔人種の住むドロック大陸、コル大陸、海底人種の住む世界最大の海ツロウ海洋、北ハルバライト大陸とドロック大陸の間にあるファル海洋、天空人種の住む天空大陸、そして、デビル種の住むダーク大陸という構成であった。

皆、それぞれの種族がそれぞれの特徴を持ち、互いの弱点は互いに補い、助け合っていた。

だが、デビル種は、全ての種族を凌駕していた。

身体能力、技術力などの力だ。

そのため、ダーク大陸は他のどの大陸も比べ物にならない程に発展していた。

だが、特に争いが起こる事もなく、世界中の平和な状態が続いていた。

後のどの時代よりも、この時代は平和だったと言えよう……。

しかし、ある時、突然デビル種は世界中の他4種族の大陸や海洋の全てに宣戦布告をした。

ダーク大陸はレルドの大陸の中で1番面積は小さく、デビル種も1番数の少ない種族なものの、デビル種の技術力や個々の者の身体能力は他の種族と比べ物にならない。

数ヶ月と掛からないうちに、デビル種は、海底、天空も含め、ハルバライト大陸以外の全箇所の侵略を完了させた。

残るはハルバライト大陸のみ。

完全にレルドはデビル種の支配下になるかに思えたその時、ハルバライトの人々達に「特殊能力」と呼ばれる3つの力が突如発現したのだ。

特殊能力の前では、圧倒的なデビル種の身体能力や科学力、技術力などは通用せず、あっという間にデビル種達の戦線を押し返し、ダーク大陸まで追い詰めた。

しかしその後、ダーク大陸に攻めてきた人間種やその他の種達だったが、ダーク大陸はあるはずの場所に存在しなかった。

そう。

つまり、ダーク大陸は大陸ごと、姿を完全に消したのである。

人々は何が起こったのか分からなかったが、世界が平和になった事には、皆大層喜んだ。

しかし、デビル種を退けたにも関わらず、特殊能力という謎の強力な力は、人々の間から無くなる事はなかった。

それどころか、ハルバライト大陸から南ハルバライト大陸。

南ハルバライト大陸からヌー大陸、と特殊能力を持つ者の割合と分布地域は増え、広がっていき、やがて、世界中の誰もが特殊能力を当たり前に使う世界が出来上がったのである。」


と、そのような事が、この本には書いてあった。

「フィクションにしてはよくできてるな……。でも、こんな物語知らないし……。何なんだこれ……?それにしてもデビル種?なんだそれ、聞いた事ないぞ……?」

奏飛は現在本や物語が大好きで、5歳にして、今まで数々の世界中の作り話を数々読んできたのである。


そのため、「この世に奏飛が知らない作品はもうない」と、断言できるくらい、奏飛は色々な物語を知り尽くしているのである。

だが、その奏飛が知らないとなると、この話の謎が深まるばかりである。

よっぽどマイナーな作品なのか、あるいは偶然知らなかっただけなのか……。


しかし、奏飛が出した結論は……

「……まぁ、考えても仕方ないか!」

と、適当な答えを導き出した。


そう。基本奏飛は適当な性格なのである。

結論がでない事に関しては適当でいい。

それが奏飛の思考スタイルなのである。


と、そんな事を考えていた時……

「おーい、奏飛。そろそろ行くぞー。」

という夏希の奏飛を呼ぶ声が聞こえたので、奏飛は夏希の元へ向かい、再び、科学館の見回りを再開させるのだった。


その日の夕方



「あ、いたいた。おーい!」

アスレチック方面の方から戻ってくる瑠璃たち。

それに気づいた奏飛は向こうの4人に向かって大きな声を出した。


「「「おーい!」」」

そしてそれに気づいた4人は声を返して、全員揃ったところで、宿泊施設に向かう白逆葉一家であった。


そして宿泊施設にて……



「うわ〜!広〜い!」

「写真に載ってたより部屋より意外と広いな。」

部屋に着くなり早速テンションの高い一輝と、思ったより部屋が広かったので驚く夏希。


「ねぇねぇ!部屋の風呂もめちゃくちゃ綺麗だよ!」

「ふっかふかのベッドも置いてある!」

などと、騒ぐ瑠璃と心。


だが、部屋の他にも宿泊と言えば醍醐味がある。

それは……

「よし、じゃあ早速……。」

「うん。」


「行くか。」

「晩御飯を食べに!」

そう。ご飯である。


早速食堂に移動する奏飛達。

そうして食堂に移動し、出てきた料理は……

「エビフライだ!」


そう叫んだのは奏飛である。

何を隠そう奏飛は料理の中でエビフライが1番好きなのである。

他にも豪華な料理が山ほど並んでおり、6人全員でも食べ切れるかどうかほどの量である。

奏飛も含め、皆美味しそうに料理を頬張っていたが、食べ始めて20分程経った時だろうか。


「あ、俺ちょっとトイレ行ってくる。」

「もーう、食べる前に行ってきてって言ったのに……。」

「ごめんごめん。急いで行ってくるよ。」


そう言って奏飛はトイレの方に歩いていく。

しかし、その途中で……

ドンッ!(奏飛と誰かがぶつかる音)

「あぁ……、すいません……。」

奏飛はそう謝るが、奏飛の目の前のフードを奥深く被って顔の見えない男は、一言も何も発する事なく、スルーして去っていく。


(なんだあの人?ちょっと感じ悪いな……。

まぁ、そんな事よりトイレっと〜〜。)

奏飛は最初若干感じ悪いと思っていたが、すぐにトイレの方に気が戻り、さっさとトイレを済ました。

そして奏飛が席に戻ると……


「もう食べれないよ〜。」

「お腹いっぱいだな〜。」

などと、皆が言っていたが、1人だけやたらと食べる手が動いている人物がいた。


「そんなに食べて大丈夫か?」

「もう大人以上の量食べてるじゃん……。」

皆がそんな反応をしているにも関わらず、食べる手の止まらない瑠璃。


「相変わらずよく食べるな〜!胃の中ブラックホールになってるんじゃないk……グハッ(瑠璃に叩かれたダメージの声)」

夏希がそんな風に瑠璃をいじるが、どうやら瑠璃はそれを指摘されるのがあまり好きじゃないみたいで……。

「女の子にブラックホールとか失礼しちゃうわ〜。」


夏希は、瑠璃にみぞおちに放たれた叩きをモロに受けた。

「いや〜本当だよ〜。「フードファイター」という呼び方の方が似合ってるのに〜。父さんは分かってないn……ガハッ(瑠璃に殴られたダメージの声)」

奏飛も夏希に便乗して冗談を言うが、その冗談はまるで通じず、今度は、さっき夏希に放たれたよりも強い勢いで、奏飛に、瑠璃の拳が飛んできた。


「まったく。デリカシーのない奴しかいないの?ここは?。」

「あはは……。」

瑠璃が2人に対して文句を言い、それに対して心は苦笑するしかなかった。


そしてご飯の後……



「よし、全員風呂入ったし、歯も磨いたな?じゃあもう寝るぞー。明日も早いからな〜。」

全員に、準備を終えてあとは寝るだけだと伝える夏希。

「えぇ〜?もう寝るの〜?」


「何か早くない〜?」

「まだ起きてる〜!」

まだ起きていたいと言う奏飛に瑠璃、そして心。


「ダメだ。それにもう一輝は寝てるぞ?」

「それはまだ年齢が小さいからでしょ?」

「いやいや、言うて3人もまだ子供だよ?だから早く寝なさい。」


3人に寝るように言う夏希。

ちなみに一輝と玲奈はもう爆睡中である。

「分かったよ〜。仕方ないな〜。」

と、そのような感じの反応ではあったが、3人は渋々ベッドに入るのであった。



〜〜〜〜〜〜〜〜



「ん?なんだ?この景色?俺はさっきまで宿泊施設にいた気が……。これは……ルーロに来る途中で見た岩北山(がんぼくざん)の風景?」

(ん?なんだ〜!父さんや母さんも皆んな周りにいるじゃん!)

景色に気を取られて周りにいる家族達に気づくが遅れた奏飛。


現在、奏飛達は車から降りており、遠くに岩北山の見える平原にいて、車は近くのスペースに一時的に停めてある。

「ねぇねぇ?あれってルーロに来る時に父さんが言ってた岩北山?こうして改めて見るとすごい立派な山なんだね!」

「「「……」」」


「ん?皆んなどうしたの?何で誰も何も言わないの?」

何か様子がおかしい。

何を喋りかけても誰も何も反応しないのだ。


「ねぇねぇ!誰か返事してよ!父さん!母さん!瑠璃!心!一輝!」

しかし、奏飛がいくら呼びかけても誰も反応しない。

しばらくその場に沈黙の時間が流れる。


しかし、沈黙の時間が1分ほど続いた頃だろうか、奏飛以外の全員がその場に突然倒れたのである。

ドサッ!(皆んなが倒れる音)

「え!?何!?皆んなどうした……の……?」

そこまで言ってようやく奏飛は気づいた。


家族達が血を流して倒れている事に。

「なっ、なんだよ!?これ!?なぁ!誰か返事してくれよ!?なぁ!?」

奏飛は全員を揺さぶりながら起こそうとするが、一向に誰も起きる気配はない。


するとその時……

「我々は秘密結社イージアン。」

「え?なっ、何!?」


「我々は秘密結社イージアン。」

「我々は秘密結社イージアン。」

「我々は秘密結社イージアン。」


そんな言葉の文が奏飛の頭の中に何度も流れ込んでくる。

「我々は秘密結社イージアン。」

「なっ!?なんなんだよ!イージアンって!」


「誰かいるなら返事しろ!」

すると奏飛の前に突然フードを奥深に被った男が瞬間移動するように突如現れた。

「!!!」


当然、奏飛はこれ以上にないほど驚く。

「何なんだよ!お前!俺の家族をこんな風にしたのはお前か!?」

奏飛は声を震わせながら必死に声を絞り出し、質問する。


しかし、謎の男から返ってきた言葉は……

「直に分かるであろう。お前もこの家族も、全員こうなる運命だ。」

「何?どう言う事だ?」

そうして男は持っているナイフを振り上げる。


そして、そのナイフは、間も無く奏飛の体を突き刺した。

「!!!」



〜〜〜〜〜〜〜〜



「はっ!?」

奏飛は急いで飛び起きる。

(刺された腹は……って、どうもなってない?)


奏飛は自分の体の無事を確認すると、今度は、周りの様子を確認する。

そして窓を見てみると、朝日が登っていた。

「もう、朝か。って!それより皆んなはどうなって……」


「って、もう起きてたの?」

「あれ?珍しく早いじゃん。」

そこには今現在、ちょうど部屋の朝風呂から上がってきた様子の心がいた。


それを見るなり奏飛は心に抱きつく。

「え?何急に?大丈夫?寝ぼけてんの?」

「いや……、良かった……。生きてて良かった……。」


「え?何言ってんの?やっぱり寝ぼけてるよね?」

「違うよ……。少し悪夢をみちゃって……。」

「あぁ〜。そう言う事ね〜。お兄ちゃんってば怖がりなんだから〜。」


「いや、ありがとう。もう大丈夫。」

「え?もういいの?もっとくっついてたいんじゃないの〜?」

と、冗談混じりに心が言う。


「もういいんだよ!俺だってそんなに怖がりじゃない!」

「え〜?今さっき思いっきりくっついてきたくせに〜?」

「もう大丈夫だって!」


と、そんな会話をしながら、奏飛と心で、残りの皆んなを起こし、朝食を取り、荷物をまとめて、宿泊施設から出るのだった。


そして1時間後



「ねぇ!?なんでちゃんと確認しなかったの!?」

「いやー、すまん!本当に悪いと思ってる!でも一つだけ言い訳をさせてくれ!まさか調べて出てきた遊園地が長期閉園中だとはおもわないだろ!?しかも今日からの閉園なんだぜ!?」

何やら2日目の遊園地の事で揉めている瑠璃、心の双子と夏希。


どうやら行く予定であったルーロ遊園地が長期閉園中であったみだいだ。


「ねぇ!どうするの!?」

「本当にすまない!だが、この辺まで来てしまっては他に寄れる所も見つからないんだ。悪いが、2日目の予定は無しにして、そのまま帰るというのはあり……」

「なしに決まってるでしょ!」


「だよなぁ……。」

中々2日目の新しい予定は決まらない。

そもそも、ルーロ遊園地というのは、「ルーロ」と名前がついてはいるものの、首都ルーロからは少し距離が離れている。


なので、一度首都から離れてしまった奏飛達家族のいる現在地から新たに首都ではないここで、目的地を見つけるのは難しい。

もちろん、動物園や水族館などの施設は近辺に沢山ある。

しかし、瑠璃と心の我儘で、遊園地などのアトラクションが遊べる所がいいと言うのだ。


そういった条件が重なってくると、見つかるものも見つからなくなってしまう。

だが、そこで奏飛が一つ案を出した。

「まぁ、とりあえずは車で走りながらいい所がないか見回ってみたらどうかな?」


「おおー。それは確かにいいな。でも……。」

「しょうがないし、私たちももう別にそれでいいわよ。」

「うん。ずっと我儘だけ言ってても埒があかないからね。」


「2人もそれでいい?」

「うん。」

「いいよ〜。」


そして、残る2人である玲奈と一輝の了承も得て、奏飛の案への全員が賛成が完了した。

「じゃあ、とりあえずいい所がないか、走りながら探すか。」

と、「目的地を探すためのドライブ」という若干訳の分からない構図ができたが、そんな事は誰も気にせず、ドライブがスタートするのだった。


そしてその日の3時ごろ



「ふぃー。疲れたなー。」

「でも良かったじゃん。運良くアスレチックパークみたいな所が見つかって。」

「あぁ、そうだな。しかし、あそこ地図に載ってなかったぞ?」


「まぁこの車が多少古いこともあって、カーナビにはのってなかったんじゃない?」

「そうかな〜。」

などと、今日の事を振り返っている。


ちなみに、現在は遊びに遊んで、翠碧の町への帰路の途中だが、夏希の運転の休憩のため、帰路の途中にある、岩北山が綺麗に見える事で有名な平原に来ていた。

少し離れた所に、車は停めてある。

だが、それなりに有名な場所の筈なのに、今現在、人は奏飛達家族以外誰もいない。


「それにしても、改めて見ても、岩北山って高いよねー。」

「まぁ、暁光国最大の山だからな。なにしろ4000メートル近くあるんだぜ?」

心が岩北山をみて感心し、夏希が説明を加える。


「というか、ここってなんで有名なの?」

「それはまぁ、有名な観光スポットだからとしか言いようがないな……。」

「でも、岩北山だけじゃなくて、この辺の平原の空気も美味しいしいいよね。」


「ここら辺は都市圏から大分離れた所にあるから、結構自然がいっぱいだよ。」

「今度は山登りとかもしてみたいなー。」

「いいね!それ!」


などと、楽しく皆んなで話し合っている白逆葉一家であったが、40メートル程向こうであろうか、岩北山がある方とは逆の方向から9人ほどのグループが近づいて来ているのが見えた。

そのグループは何処か異様な雰囲気を纏っている風にも見えたが、その時点では特に誰も気に留めなかったのだ。

しかし、その集団がだんだんと近づいて来て、奏飛達との距離が20メートル程になると、皆、異様な気配を感じ取ったのか、「そろそろ戻るか。」などの軽い会話をし、自然に、流れで車の方に戻ろうとする。


だが、車の停めてある方面は、その集団が近づいて来る方角。

つまり、奏飛達とすれ違いになるのだ。

だが、ここは広い平原。


すれ違いになる時も、なるべく距離を取れば良い話だ。

しかし、その集団は、岩北山の見える方には行かず、奏飛達一家の方に近づいて来ているように見える。

……いや、確実に近づいて来ている。


それに気づいた一家は、皆足早に車の方へと戻っていく。

だが、その謎の集団は走って追いかけて来た。

一家は皆ヤバい雰囲気を感じ取ったのか、車の方に全力疾走で走っていく。


だが、一足遅かった。

その集団の仲間と思わしき人物が3人、車の方で待ち伏せしていたのだ。

そして、奏飛達一家は後ろの9人にも追いつかれ、謎の集団に囲まれてしまう。


そして謎の集団のリーダーらしき男が言葉を発する。

「お前らが、白逆葉夏希とその家族だな?」






続く……

平和な日常パートはここまで。次回からは物語が大きく動きます。さて、ここからどうなるのか?奏飛達の運命は如何に!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ