夏の夜の出来事
あの夏の夜について話しておきたい
俺が落ちた落とし穴話の1つ
その頃、俺の部屋には、空気を入れて膨らました
コンビニ袋が大きなキノコのように並んでいた
再利用する。コンビニ袋を見つけやすいように
取りやすいようにしておこうと
今となっては、自分でもよくわからないのだが
その頃の俺なりの合理だったのかもしれない
何事も合理、合理、ゴリゴリ
理屈をつけねば、気が進まない
当時の俺は、どこかおかしかったのかもしれない
糖質制限の後に出た、ミックスナッツの袋に
飲み込まずに食べた食べ物を、吐き出していた
食べた後の袋を無駄にしないように、合理的に
そんな袋がいくつも部屋に置かれていた
年明けから始めた太らない実験は成功していた
思っていた通りに進められた
だから、自信を持って、自分がやる事は正しいと
思っていたのだろう
うまくいっていると、
そんな部屋で暮らしていた夏の夜に
今まで聞いたことがない奇妙な音を聞いた
傘傘、傘傘傘、カサカサ
何かが触れ合う音、振動している
ビニール袋のキノコを何者かが揺らしている
漫画で見たことがある。効果音のように
かさかさは聞こえた
何かいる?
用意してあった殺虫剤のスプレーを右手に持つと
左手でビニールきのこを跳ね除けた
今まで見たことがない、黒い完全体がそこにいた
異形の美しさ、メス、いや女王か
奴らの繁殖方法は知らないが、
こいつが全てを生み出してる、そんな迫力を感じた
逃がさん、スプレーを吹きかけ、キノコを跳ね除け
雑誌で叩き、潰した、女王は死んだ
いつもは出てこない、奥に潜んでいるような
存在が、なぜ出てきた?
去年と今年との違い、臭いか
俺が吐き出した食べ物の発する甘い匂いが
おびき寄せた、自分で招いていた
冬の間何の問題もなかった。行為が
夏になると問題行為になった
うまくいっていることだから、変えなくてもいいは
既に失敗の始まりか?
見るのも嫌になった。キノコを潰すと
介護コーナーで
臭いを通さないと書いてある袋を買った
それ以後、ビニール袋は防臭袋に入れられるように
なった
俺が落ちた。穴に落ちないように。




