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第9話 ミントティー。

「あら?お出かけするの?」


長い休暇の案内看板を見て、久しぶりに来たマリエスが言う。


「そう、、王都は暑いからねえ、、、去年はじーさんの屋敷にいたから、大変だったし、早めに脱出する予定よ?マリエスは?」

「私はこの夏は領地に戻って、領地を見るように言われてる。」

「あら、、、大変ねえ、、、」


マリエスはいつもの席に座る。


「あなたは、、、夏でも黒いドレスなのねえ、、、暑くない?」

「まあね、、制服みたいなものよ。色物だと、お客様の色を邪魔しちゃうでしょ?」

「はあ、、、、なるほどね。」


水で冷やしておいた紅茶に、ミントを入れて飲む。さっぱりして美味しい。

氷があったらもっと美味しいんだけど、、、、


「そう言うあなたはどうなの?年下彼氏?通ってきているんでしょ?」


「・・・・ああ、、、、弟みたいなもんよ?結構なついてるし、かわいいわよ?おっとりしてるけど、隣国の経済事情の話とかもできるし、華国の貿易の話なんかでももりあがるしねえ、、、頭がいい子なのねえ、、、でも、ほら、マダム・ローズはブルクハルトじーさんの《《妾》》だし?。」

「え?いいの?あなた、それで、、、」

「どうもこうも、、、相手はどうみても貴族令息だし。私は庶民。何にも生まれないわよ?でしょ?しかも、8つも下よ?」


ローズが、綺麗な顔で笑う。泣き黒子が、色っぽい。


「・・・・・私、、、あなたがその子のこと好きなのかと思っていたわ。」

「・・・・・ないない、、、、」

「だって、、、あなたがここに座らせる男の子って、その子だけでしょ?この席は、特別なのよ?わかってる?」

「?」

「ほら、、、並んで座るでしょ?同じものを見る、、、同じ風景、同じ季節、、、それでくつろげるって、特別よ?しかも、もう、随分長いでしょ?」

「・・・・・」

「よく考えなさい?あなたの人生よ?何とでもなるわよ?大体、、、ブルクハルトのじーさんの愛人は、《《マダム・ローズ》》、でしょ?」


マリエスは楽しそうに笑った。



*****


「ブルクハルト家の別荘地ですが、4か所ございます。」


さすが、、、古くから続く家名だけのことはあるな、、


「山脈近くの山の別荘地。これは主に、狩猟会で使うようです。」


「そのふもとに一つ。用途は一緒の様です。」


「王都の近くに一つ。これは、主に馬のためらしいです。」


「南の、大きな湖の近くに、一つ。避暑地用。このあたりには、貴族用の別荘地がたくさんございます。、、、、この4つになります。」


「・・・ありがとう。」



湖近くの、別荘地かな?


見当をつけて、休みを取る画策をする。

10月末には舞踏会の段取りがあるから、9月の末か?10月の頭か?時期的には丁度いいか?いきなり行くと、ブルクハルト卿から苦情が来るか?どうする?


行ってどうなるとも分からない。ただ、、、行ってみたい。

あの花が咲いているのを見てみたい、、、、それだけだ、、、、



*****


「ああ、ブルクハルト卿。」


「・・・・・なにやら、嗅ぎまわっているようですね?何用です?」


「貴殿の別荘に、華国の珍しい花が咲く木があるだろう?」


「・・・・・それが、なにか?」


「いや、睨むな。その花を、見たいだけだ。別荘に行かせてもらってもいいだろうか?」


「あの花は、、、、華国では、千里香、と呼ばれています。遠くまで香りを運び、そして、、、遠くの記憶を連れてまいります。貴方に、、、、その覚悟はおありで?」


「・・・・・」





舞踏会で見つけた侍女、、、、


ダンスを踊った令嬢、、、


・・・・いったい、、、誰なんだろう?


捕まえようとすると、消えてしまう、、、

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