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第18話 番外編 そしてそれから。

「お父様、エディと話し合ったんですけど、私たちこの国を出ます。」

「・・・・」

「病気の療養のため、暖かい土地に行った、とでもお伝えください。」


お前、、、元気有り余ってるだろう?そう思ったが、、、意図するところはわかった。反論する気はない。


「一点でも、、、王太子ルシアン様のくもりになってはなりません。教育係と侍女は私が用意いたしました。お父様から推薦してください。信用できるものです。これからのことのほうが大事ですから。」


そう言って、私の一人娘は旅立っていった。

元々、、、、貴族社会を窮屈に思っていた娘は、隣国で楽しく生きているらしい。


ルシアン様をお預かりした一年は、、、、、無いことになった。



*****


「おじい様、少しハインを見ていてくださいまし。」


中庭が見える席で紅茶を飲んでいた。いいお天気だ。

ひ孫をひょいっと預けられる。ローズマリーはお昼からの来客の準備で忙しそうだ。

ハインリッヒは今日も御機嫌の様だ。キャッキャ言いながら、私のひげを引っ張る。父親似の綺麗な銀髪に、ブルーの瞳。むちむちのほっぺもかわいい。今日は余所行き用のおしゃれな洋服を着ているね?


「あらあら、時間になっちゃった!!ルー!お支度できたの?」

執務室にこもっていた婿を引っ張り出して、着替えをさせている。騒がしいなあ、、ね?ハイン?


「奥様、大公ご夫妻ご到着でございますよ!!」


玄関のドアが開かれると、これまた騒がしそう、、、チビ助が4人増える。

「髭のおじい様!」

駆け寄ってくる子供たちに、嬉しそうに手を伸ばすハイン。

「ハインちゃんもごきげんよう!」


孫息子の嫁のマリエスが、レースのお包みに包まれた小さいひ孫を抱っこして、見せに来てくれる。

「おじい様、アリスです。初めまして、ね?アリス。」

黒髪に緑の瞳、、、娘と、アルノにそっくりだね、、、ぷくぷくだね。

「アリス。よろしくね。」

自分より小さい赤ん坊に、ハインが喜んでいる。

マリエスに寄り添ったアルノが、、、随分と大人っぽい顔になったな。まあ、子供が4人もいればな。ふふっ、、、


「さあ、今日のお昼はピクニックよ!皆さん、中庭にどうぞ!」


ローズマリーが、エプロンを外しながら、案内する。


婿が手を伸ばすと、ハインが嬉しそうに抱っこされる。


「行きましょう、おじい様、、、」


杖をつきながら、ゆっくりと中庭に降りる。婿とハインがそっと寄り添ってくれる。


あれたちがこちらに越すときに、別荘から枝を持ってきたキンモクセイを挿し木した。なんとか生きついてくれて、、、、、6年かかって小さな花をつけた。



今年は、、、みんなに花を降らせる。



いいお天気でよかった。



なあ、、、この花の、、、、花言葉を知っているか?ふふっ、、、



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