第四十二話:軋轢の記録
ɹǝpɹo ɟo ʇno ʇǝƃ
そうね…こうして思い返すと、ずっとあの人の掌で踊らされていたのかもね。
*****
19XX年4月11日 A.M.9:38
その日は新しく入ってくる子がいると前々からまーちゃん…将人から聞いていた。だから朝早くからみんなで集まって店を貸し切りにして、歓迎会の準備を進めていた。将人は初日に歓迎会なんて気が早すぎだなんて堅苦しいこと言ってたけど、なんとか振り切って催すことができた。いつものことながら、新人が来る日は浮かれてしまう。今まで何人も新人を迎え入れたが、歓迎会の度に酔いつぶれてしまう。だって仕事仲間が増えたらもっと楽しくなるでしょ。うふふ…早く来ないかな~
「そろそろ時間だぞ加澄。準備を終わらせてくれ」
小生意気に将人が指図する。来てからずっとカウンターで書類だのファイルだの出してカリカリと事務仕事ばっかりやってて、やっと口を開いたと思ったら無神経なことしか言わない。
「だったらまーちゃんも手伝ってよ。どうせ暇なんでしょ」
傍から見れば仕事に熱意を持った精勤な人に見えるが実際は正反対な人間だ。面倒くさい仕事は後回しにするし、デスクはいっつも汚いし、無断欠勤だって多々みられる。今だってあの書類だってもう終わった仕事を見直してるだけ。何度も何度も。
「経営者に暇なんてありませ~ん」
こんなのがオーナー社長だなんて未だに信じられない。けどその肩書きに似合う程の人格者だし仕事も早くてまさに逸材とも呼べる一面も持ち合わせている。私だって内心では尊敬してる。
「相変わらず二人は仲良しだね~」
「妬けちゃうわ、ヒューヒュー」
「何言ってんのよもう!!早く終わらせるわよ」
いつものことながら将人相手にまともに取り合った私がバカだったわと、心の中で反省する。
そこで予期せぬ事態が発生した。
コンコンッとノックの音が店内にいる全員の耳に届く。誰かがドアをノックしたんだ。店内が静まり返った直後、木製のアンティーク風ドアが開いた。
「失礼します」
そこに現れたのは、幼げな容姿の女の子だった。フワッとしたボブヘアがより幼さを引き立たせている。
「初めまして。今日から本日から皆様とご一緒に働かせていただく水津滝希です。よろしくお願いします!!」
第一印象は随分と明るい子だった。気づけば私は、ニコッと口角を上げて笑っていた。
この時からきっと、将人の計画は動いていた。
19XX年6月29日 P.M.20:17
仕事を終え、私は誰もいないバーで二つのワイングラスにそれぞれ赤白のワインを注いでいた。閑静の中私は一人、待っている。店内の照明が反射して赤ワインが一部白く輝く。
「すみません先輩!!自分から呼び出していおいて遅れるなんて何たる失態…」
「いいのよ。私も今来たところだから」
本当は十分以上前からここにいたが、それを伝える必要はない。バタバタと急ぎ目で来たその子は、仕事終わりの疲労が顔に滲み出ていて、いつもは綺麗な髪もボサボサになっている。相当急いでいたんだろう。
「それで希ちゃん、相談ってどうしたの?」
今日の朝、出勤前に希ちゃんから終業後にお店に残っていてほしいと言われて今の今まで彼女を待っていた。失礼しますと一言断りを入れて、私の隣に座った希ちゃんにもう一杯のワインを差し出す。
「白でいい?」
「はいっ、ありがとうございます」
希ちゃんは目の前のワイングラスを手に取り、半分ぐらいのワインを口にした。
「もう二ヶ月経ったけど、仕事はどう?」
普段の様子を見ていても決してそんな気配はないが、この流れの相談の大半が退職・転職だったりする。まずは仕事に対して抱いているものを聞き出すのがいい。
「そのことで相談なんですけど…
それ日から四日後、希ちゃんは音信不通になり、一週間後には彼女の死が発覚する。
19XX年7月06日 P.M.A.M.■:■■
時間なんて覚えてない。ただ早めに出社したのは覚えている。いつものようにドアを開けると、そこで待っていたのはいつも通りの店内ではなかった。
お腹から大量の血を流して仰向けに倒れている希ちゃん。彼女を見下ろすように突っ立ている将人。
次に話すのは、私の過ごした日常が壊れた日の話。
とあるアニメを見てから憧れを持った。
そう、殺し合いゲームに!
恋愛小説の後書きでするような話じゃないかもしれないけど、自分は今、殺し合いをさせたい‼︎
ということで殺し合いをテーマにした小説を制作中です。できたら読んでね♫




