第十八話:風に遭う
縺翫∪縺医□縺代o險ア縺輔↑縺
待っててね…
「あいつらはなんだ…」
「例の奴らですよボス」
眼前の巨漢は、その見た目とは裏腹に淡白な口調だった。
「そうか。なら貴様が命苫将也だな」
「……はっ」
一瞬、判断が遅れた。今こいつは俺の名前をよんだ。こんな奴、知り合いにはいないはずなのに。
葉山と早乙女がワンテンポ遅れて俺を見る。狐につままれた様な表情で。
「何で俺の名前を知ってる?」
「なんでか、それは…」
頬に激痛が走った。俺の質問に返ってきたのは、奴の大きな拳だった。
直後、俺の体は背中を地面に叩きつけて仰向けに倒れた。
「自分に聞いてみろ」
さっきまで仏頂面だった巨漢は、眉間に深い皺を寄せて汚物を見る様な目で俺を見下す。
「何してんだ八浦ァ‼︎」
ホワホワ金髪が通常状態である葉山が、耳が痛くなるほどの怒声を上げた。
俺は混乱している。あの巨漢に殴られて倒れている。それは分かるが、なぜ殴られたのかが分からない。それに、自分に聞けという言葉の真意。
普段から停止いている頭がフル回転しても分からない。
「お前も丸くなったな、優希」
「テメェはいつまでこんなことする気だ⁉︎」
巨漢と葉山は知り合いなのだと、この会話から安易に想像できる。
実際に聞いてみればいい。「二人とも知り合いなのか?」って
だが今の俺にそんな余裕はなかった。
ついさっき、あの子の…早乙女のためにって決心したはずなのに、実際の俺は夢を語るだけのただの臆病者だ。
あの子との約束は守れないし、一発殴られただけで怯んでる。なんなら腰が抜けて立てなくなってるくらいだ。そんな自分をあの子は責めるだろうか。
「おいおい…ボス。雷神と知り合いか?」
「雷神ねぇ…知り合いじゃねえな」
「ああ、俺らは戦友だ」
俺は考えることを放棄し、葉山たちの会話に耳を向ける。早乙女も状況が飲み込めていないようだ。
「確かに…戦友が一番しっくりくるな」
「なるほどな…つまり、ボスの異名はそっからついたのか」
あの巨漢の異名…葉山といい漫画みたいな…
「そうだったな八浦。『白銀の風神』八浦波奈」
あ…そうだ。中学の頃に「鷹住の風雷伝説」ってのを小耳に挟んだことがある。
当時の俺は事件のショックでそんなことに気を向ける余裕なんてなかったが、名前が可愛らしくて驚いた記憶がある。結構失礼だったな。
「八浦…久々に腕試しでもするか?」
「残念だな、あの時の甘い俺はもういない。今から始めるのは殺し合いだ」
「いいぜ…手加減は当然、無しだぜ」
今彼殺し合いを始めようとする二人から発する圧は、半端ないものだった。
「菅波ぃ…そいつら逃すなよ」
「りょーかい」
俺はとんでもないものを目の当たりにしているのだろうか…
鷹住の風雷伝説は、この瞬間蘇った。
不良かっけえなぁ…
こいつらもタイムリープさせようかな




