第十四話:その仮面は露見する
È un pagliaccio e un vendicatore.
葉山とも連絡先を交換し、表示される友だちの数が、身内のぞき「2人」になった。
因みに、朝目撃されたものは、早乙女が問題児を制裁してるとのことで、早乙女の株が上がるだけで済んだ。
その後学校が終わり、早速メールを活用し、ちょいと離れたカフェで待ち合わせをした。
早乙女がひと足先に行って、席を取ってくれているようだ。
俺は葉山と共に目的地まで向かった。
尚輝は部活で遅れて来るとのこと。
「成程な…つまり早乙女さんは誘い出されたって事か」
「大体そんなとこだろうな」
カフェはでの道のりで、今回の大まかな内容だけ説明する。
「ラブレターね…なんか突っかかるなぁ」
「葉山もか。やっぱなんか変だよな」
そう。俺も件の内容に違和感があった。
「まっ、それも含めて4人で話してみようぜ」
「早乙女を待たせてるし、早く行こうぜ」
「そうだな。女性を待たせるのは男としてナンセンスだぜ」
なかなかに眩しい男だな…と葉山に対する尊敬の念が生まれる。
そうして俺たちは、早足で目的地のカフェまで向かった。
*****
「2人は何か飲む?」
「そうだな…アイスコーヒーにしようかな」
「………」
「葉山くん、コーヒー飲むんだ」
「折角のカフェだしね。熱いのは無理だけど」
「猫舌なんだ。なんか意外かも」
「っ………」
「早乙女くんは何か飲む?」
「将也どうした?まさか昼休みのことは本当だったのか…?」
なんだこれ…頭がうまく回らない。
「今朝も顔色悪かったし、体調悪いんじゃ…」
「ええっと…」
だぁぁぁぁぁぁぁ〜〜!!!!!
とりあえずなんか言ってみたけど、そこからなんて言えば…
…いや、違うだろ。この2人は俺という人間を知っている。だったら本音を言っても…
「分からないんだ…」
ほんの数秒間、静寂がおそう。
「今まで、こういう風に家族以外の人と出かけること…無かったから。こういう時、どうすれば良いか分かんなくて…」
あはは…もうダメだ。俺が友情を手にするなんて、あり得ないのかもな。
当たり前だ。
俺という道化はそんな舞台に立っているんだから。
いわば天命。いや、”呪い“だ。
過去の…運命と言う名の呪いから逃れることはできない。
だから…これでいいんだ。いいんだよな、明日香…
「何でもいいんだよ」
…えっ?何でも…いい?
「お前の問いに答えはない。こんな時は自分でいればいい」
「葉山くんの言う通りね。いつも通りの自分でいることが正解なんじゃないかな」
自分でいる…普段の俺自身…
「お前だけ偽ったら、意味がねーんだよ。ここに、お前を拒絶するような人間はいない。だって…」
偽らない自分を…受け入れてくれる人間。
「そうね。だって…」
たとえ万人が俺自身を受け入れても、きっとこの呪いが消滅することはない。
俺は道化として、あの子に捧げるって決めたから。
なら道化じゃない俺には、何がある?
そんな俺を、受け入れて、支えてくれる。そんな奴らが目の前にはいる。
だったら俺も受け入れる。1人の人間、いや…
「「友達だから」」
友達として。
《明日香…約束を、道化を貫けない俺を、許してくれ》
*****
「突然呼び出してごめんね〜。ちょうっと時間かかるかも」
「いえ、全然大丈夫ですよ。永井先生」
放課後。尚輝は相談室に呼び出されていた。
「それで永井先生、要件は?」
「それがさぁ〜今回のクラスはなかなかに濃いメンツでね。」
「濃い…?」
「そう。濃いのよ。特に”君達3人“だね」
今年の永井麻里が担当しているクラスは、例年とは一味違う。
「3人…ですか」
「命苫将也・葉山優希…」
「命苫に、確かに優希は驚きますよね。何たって異名があるようなヤンキーだったんですから」
「ほう…そうだな」
永井は人脈が広く、将也や優希の事について以前に聞いていた。
「だが…その3人の中でも、秀でているのが君だ。尚輝君」
「オレが…あの2人よりも問題があるんですか」
「そう…といえばそうかな」
当然、優希と同じクラスだった尚輝の事も。
「そこで頼み事があってね…もちろん嫌なら断ってくれて構わない」
「可能な範囲内でしたら何でも」
「君の過去に何があったか、君の口から直接聞きたいんだ」
実は永井先生凄い人なんですよ。
それにしてもちょいと話が重くなってきたな。楽しい




