第十一話:絢爛な毒花
C34H47NO11
学校までの道のり、距離的にはそこまで遠くはない。
ただ今の俺は最強レベルの疲労感に見舞われている。
それはなぜか。周りを一瞥する。
あぁ…視線が痛い。だって、だってよ。
「あれ、この前、問題起こしてた奴じゃね?」
「ほんとだ。しかも顔怪我してるよ」
「絶対喧嘩とかしてたんだろうな、こっわ…」
そりゃ、頭に包帯巻いて、頬にはガーゼを。それだけでも充分周囲の目を奪うってのに、この人がいるからなぁ…
「ねえあの人、めっちゃ綺麗…」
「うっわやべ、俺めっちゃタイプだわ」
「でもよ、なんで…」
なんでこんな美人と問題児が一緒に登校してるのかって話ですよね。
こっちが聞きたいわ。登校でこんなに疲れたのは今日が初めてだ…
「それでやっぱり手紙の件なんだけど…」
こちらの身など一切顧慮せず、早乙女は淡々と話す。
話すときに横向いて歩いたり、顎に手を当てたり、驚くほど共通点が多いな、あの子との。
ダメだな…早乙女といると、どうしてもあの子を思い出してしまう。
「ねえ聞いてるの?命苫…」
「話してるとこ悪いが、俺に話さしてくれ」
早乙女の質問を遮り、俺は間髪なく言った。
「俺が問題児を演じてるのにはちゃんとした訳があるんだ。くれぐれも学校で余計なことを口走らないでくれよ」
「なっ…それくらい分かってる。失礼ね」
本当に分かってるのだろうか?
「それと、俺と早乙女みたいな美人と一緒に歩いてたら、周囲が変な噂を立てかねない。だから、学校ではただのクラスメイトとして接してくれ。頼む」
「分かったけど、放課後はどうするの?」
放課後か…確かに学校でなんとかできても、放課後に見られたら元も子もないな。
少々言いずらいが、やむを得ん。
「放課後は、人目の無いとこで集合しよう」
あまりよろしくない誘い方だな。
さてと、言いたいことは言えたし、そろそろ…
「それじゃ、俺はコンビニ寄ってから行くから、先行っててくれ」
一緒に学校に入ったら、そこでゲームオーバだ。それは早乙女も察しているだろう。
別れを告げ、早乙女とは逆方向に振り向き、歩を出そうとした途端。
俺の腕は温もりを持った柔らかいものに引っ張られた。
あの機械のような冷たさが、脳裡をよぎった
バッ‼︎っと俺は早乙女の手を振り解いた。
我に帰った頃には、もう手遅れだった。
「あっ…ご、ごめ…」
言葉が出ない。頭では言いたいことが出てきてるのに。
「ごめんなさい…体調悪かったの?顔色がよくないわ」
「なんでもない。転けそうになっていただけだ」
咄嗟についた嘘。流石に無理がある。
「あのさ、学校であんまり話せないなら連絡先交換しよう。そうすれば、色々役立つでしょ」
「そうだな、それはいい」
そう言って俺は、無造作に携帯を取り出した。アカウントのQRコードを早乙女に見せる。
通常であれば、ドギマギするような場面だが、今はそれどころではない。
交換を終え、俺は早乙女に一言告げて、立ち去る。
「じゃ、また学校で」
「うん、後でね」
別れ際の早乙女の表情が、さらに俺の胸を締め付けた。
2週間程度、とか言ってたのに、かれこれ1ヶ月休んでました。
本当にすいませんでした。
んじゃ謝罪したんで…
許してチョンマゲ☆
大変申し訳ありませんでした。
今日から復帰します。




