第八話:残された謎
Sta dicendo la verità?
美人の同級生のベッドの上、つい先程その同級生に抱きつかれ、当の本人が目の前で赤面を晒している。男子高校生…いや、この世の男にとってこれほどまでに望ましいことがあるだろうか。
もちろん俺はこんな状況、ちょっとしたハプニングに過ぎないのだが…今回は訳が違う。
なんたって全身が痛すぎる。殴られた箇所がジンジンしてそれどころじゃない。
それに…例の相手が、あの子にそっくりすぎる。あぁ…いてて…
「さっきは本当にごめんなさい。助けてもらった上に怪我をしている人に飛びつくなんて…」
「いやいや、ほんとに大丈夫だよ。そりゃああんなに血流してたら不安になるよ。それより、早乙女さんこそ大丈夫だった?」
「えぇ…あなたのおかげで助かったわ。ありがとう」
「たまたま通りかかったから良かったけど、どうしてあんな奴に?」
「それは…呼ばれたの。あそこにきて欲しいって、下駄箱に手紙が入っていたから…」
下駄箱に手紙とは…これまたなんとベタな…ん?
「ってことはあいつ同じ高校ってこと?あんなイカついのがうちの学校にいるのか…」
「あの人が学生証を落としてったみたいで、拾ったの」
「それで…?」
「違かった。この辺じゃ有名な隣市のヤンキー校だった」
隣市のヤンキー校か。確かにっぽい顔だな、ただの偏見だが。
「…何でうちの学校の下駄箱に手紙を入れることができたんだ?」
「それが不思議なの…私はあの人を知らないから」
何だか変な話になっているな…ついさっきまでドキドキキュンキュンの甘酸っぱい雰囲気だったのに、いきなりシリアスな感じになったな。
「命苫君、助けてもらった立場で烏滸がましいんだけど、手紙の謎を解いて…」
「分かった。引き受けるよ。」
俺は間髪入れずに答える。これは好都合だ。
「ほんと‼︎ありがとう!」
「ただし、聞きたい事が山ほどあるんだ。手紙の話はそれからだ」
「ええ。何だって聞いて」
絶好のチャンスだ。間違いなくそっくりさんだろう。それでも、彼女があの子とは全くの別人だって確信が欲しいんだ。手紙のことはどうにかなるだろう。この機会を逃せば、もう一生早乙女と関わらないかもしれない。そうなったら今後、今の自分を恨むことになるだろう。
「まず一つ、どうして助かったのかが知りたい」
「助かった、というと?」
「俺はあのチンピラに殴られてからの記憶がなくてな。どう考えても俺が勝てる相手じゃなかったし、早乙女さんだってあいつに勝てるならあんな事になってないだろ。けれど警察が来たわけでもないんだろ?一体何が起きたんだ」
「まだ話してなかったね。実はね…」
あいつだって簡単に諦めそうも無かったし、余程のことがない限り俺を見逃そうとしないだろう。
「葉山君と篠原君が偶然近くにいたの。焦ってる私を見て声をかけてくれて、事情を話したら、すぐ着いて来てきてくれたの。それであなたを助けてもらった」
葉山…ならやっぱりさっきまで葉山と話していたのは夢じゃ無かったのか。すごく重要なことを話してた気がするが、明日にでも聞いてみよう。お礼も兼ねて。
「それにしても、あいつら喧嘩強いんだな。あんなのに勝てるなんて…」
「今回喧嘩はしてなかったよ。ただ、葉山君は中学の頃、とんでもなく強いって有名な不良だったらしくて…」
「なら、葉山を見てビビって逃げたって感じか」
「うーん…そうなのかな」
なんだか引っかかる曖昧な回答だったが、次の質問に移ろう。
「では二つ目だ」
「…」
この他にも色々と聞きたいことはあるのだが、今はこれが最も優先するべきだろう。
回答次第ではとんでもないことになる。
「今、何時?」
随筆ってかっこいいよね




