もしも嫁がされる先の辺境伯がガチでおじいさんだったら
ほぼタイトルオチ。
おじいさんと思っていたらその孫か息子だった、というパターンはよくあるけどガチでおじいさんだったパターンはあんまないかなあと思ったので。
それだけの話なのでうっすいです。
「グンヒルデ。お前の嫁ぎ先が決まった。ジネット辺境伯だ」
父からの唐突な宣告に、グンヒルデは「そうですか」と気の抜けた返答をした。
グンヒルデは現在十八歳である。早ければ二歳で、平均的には十代前半で婚約者が決まる貴族令嬢の中では婚約が遅れている方だ。
なぜこれまで婚約者がいなかったかというと、二歳下の異母妹のロザリンデがことごとくグンヒルデの見合い相手を奪ってきたからだ。
後妻として迎えられた父の愛人の連れ子だったロザリンデは母親に似て柔らかなミルキーブロンドにブルーの瞳と愛くるしい美貌を持ち、街を歩けば誰もが振り返る美少女である。同じ金髪碧眼でも母譲りのダークブロンドに父譲りのマリンブルーという暗い色彩のグンヒルデとは華やかさが違う。
ロザリンデはその美貌を武器に屋敷を訪れたグンヒルデの婚約者候補に次々とアタックをかけ、しまいには夜会にまでついてきてグンヒルデが気になった令息に先手を打って媚を売った。
それでグンヒルデではなくロザリンデとの婚約を、と相手が望むともう興味はないと言わんばかりに「もっと良い殿方を探してくださいませ」と父に甘えて婚約を蹴らせるのだ。あまりに傍若無人な振る舞いに、しかし咎める者は誰もいない。当主である父が後妻とその娘のロザリンデを溺愛しているからだ。
その結果最近では他の家から「あの家の主人と娘は常識がない」と見なされて釣書はおろか夜会の誘いさえまばらにしか来なくなった。それでもうちが侯爵家だから多少手紙は届いているが、下心ありきの誘いさえ消え失せるのもそう遠くはなさそうだとグンヒルデは睨んでいた。
父が持ってきたジネット辺境伯の釣書だって、いかにも厳しそうな面持ちの白髪の老人の似顔絵に御年六十三歳と添えられている。いまだに届く釣書の中から父が何も考えずに一番家格の高い家を選んだのだろう。
「ジネット辺境伯は愛妻家であったと聞く。後妻であっても大事には扱ってもらえるだろう。歳は離れているが……まあ悪い縁談ではあるまい」
「はあ」
言い訳がましくそんなことをのたまう父に、グンヒルデはやる気のない返事をした。
よく知りもしない歳上の男に娘を嫁がせる後ろめたさに苛まれているのかもしれないが、その娘を後妻と連れ子に構うのに忙しくて半ば放置していたくせに今さら何をしおらしくしているんだとグンヒルデは冷めた心地でいた。
どうせこの婚姻だって、グンヒルデを追い出して三人で暮らしたいと後妻やロザリンデにねだられたから取り急ぎ決めたものに違いない。
「お話は以上でしょうか?」
「ああ、いや。一月後にジネット領に発って欲しい。式は向こうで挙げるそうだ」
「かしこまりました」
失礼します、とカーテシーをし、グンヒルデはまだ何か言いたげな父に背を向けてさっさと執務室を後にする。
当てつけのつもりでわざと音を立てて後ろ手に扉を閉めれば、廊下の角からひょこりと顔を出しているロザリンデが目に入った。
「お姉様、かわいそう。ジネット辺境伯と婚約させられたのでしょう?」
「ええ、そうね」
お前が差し向けたんだろ、という嫌味はひとまず胸にしまっておいて適当な相槌を打つ。くすくすと笑いながらひっついてくるロザリンデを引き離すべく早足で廊下を歩くと、勝ち誇ったようなロザリンデの声が背中に飛んできた。
「ジネット辺境伯は六十歳のおじいさんなんですってね。本当に、かわいそうなお姉様! そんなおじいさんの元に嫁がなくてはならないなんて!」
「そう悪いことでもないわよ。あなたと離れられると思えばね」
仕返しのつもりでそう言い放てば、「ひどいわ。お父様に言いつけるから」とけたけたとロザリンデが笑う。好きにすれば、と言う代わりに早足で自室に戻って、ベッドに飛び込んだ。
「お疲れ様です、グンヒルデ様」
「……ありがとう、マーヤ」
労いの言葉をかけてくれる侍女のマーヤに軽く礼を言って、ふかふかのベッドの上で深く溜息を吐く。
後妻やロザリンデの勝手な振る舞いに苦言を呈した執事や侍女や家庭教師が次々とクビにされ、今や彼女達の太鼓持ちばかりがはびこるこの屋敷を出られるのはいい。だが、自分が屋敷を出た後は自分の部屋までもあの女達の好き勝手にされるのだろうと思うと少しばかり気が重かった。
母の部屋は後妻がやってきた日に思い出の詰まった家具は全て捨てられて、ごてごてした悪趣味な部屋に変えられてしまった。母の好きな花を植えていた庭園だって代わりに真っ赤な花ばかり植えられて目が痛くなるような有様だ。グンヒルデがいなくなれば、母の名残は全てこの屋敷から消えてしまうのだろう。
「ねえ。マーヤはジネット領……私の嫁ぎ先まで一緒に来てくれる?」
「もちろんです。グンヒルデ様が望むのであれば、どこまでもご一緒いたします」
グンヒルデが尋ねると、マーヤは優しく微笑んだ。
亡き母が故国から連れてきた侍女であるマーヤは、母と同い年なこともあってグンヒルデからすれば姉や叔母のような存在だ。
グンヒルデの母の忘れ形見でもあり、何よりも心を許せる人である彼女がいれば、遠い辺境の地でもうまくやっていけそうな気がした。
「ありがとう、マーヤ」
今一度呟いて、グンヒルデは目を閉じる。
マーヤがかけてくれた布団の温かさに包まれながら、グンヒルデはまだ知らぬジネット領に思いを馳せていた。
一月後なんて遠すぎるくらいだ。できることなら今すぐにでも、この部屋と一緒にジネット領まで飛んでいきたかった。
◇◆◇◆◇◆
一月後、グンヒルデはマーヤと数人の護衛を連れて領地を発った。
宿場町に寄りながら馬車を走らせ、二十日ほど旅をした後、グンヒルデ達はようやくジネット領へとたどり着いた。
「空気がおいしいわ」
「本当ですね。とても爽やかな風です」
馬車の窓を開けて、グンヒルデは大きく深呼吸をする。
夏だというのにジネット領はやけに涼しく、遠くに見える峰々からは涼やかな風が吹き抜けてくる。
窓から見える街並みにはやや傾斜のきつい三角屋根が立ち並んでおり、その奥にはどっしりとした城壁がそびえている。
「辺境だけあってさすがに堅牢ね」
「ええ。屋敷もずいぶんと物々しいようですし」
馬車の窓から身を乗り出したマーヤが呟く。グンヒルデも反対の窓から頭を出してみると、屋敷と言うよりは城塞と言ったほうが相応しいような重々しい石造りの建物が行く手にそびえ立っているのが見えた。
「お嬢さん。貴婦人がそう身を乗り出すものじゃないですよ」
「まだ式を挙げていないんだから嫁入り前の娘よ。このくらいのおてんばは見逃して」
「危ないと言ってるんです、お嬢さん。落っこちる前に戻ってください」
護衛のビルにたしなめられて、渋々と馬車の椅子に腰を据える。
どうせ必死になって見なくてもすぐ着きますよ、というビルの言葉通り、ほどなくして馬車は止まった。
「よくぞお越しくださいました。私は家令のスチュアートと申します」
白髭をたくわえた家令がグンヒルデ達を出迎え、「こちらへ」と屋敷の中へ通す。
物々しい見た目に反して屋敷の内装は質素で、控えめながらも品が良く纏まった調度品で飾り付けられていた。
「素敵な屋敷ね。ジネット辺境伯のご趣味なの?」
「ええ。旦那様と……前の奥様のご趣味に合わせてあつらえております」
「まあ。前の奥様もセンスが良かったのね。ご存命でいらっしゃったなら気が合ったかもしれないわ」
グンヒルデの言葉に、家令は「左様ですか」と破顔する。
実際、後妻の好みに合わせてごちゃごちゃと飾り立てられた実家の屋敷よりも慎ましくも上品なジネット辺境伯の屋敷の方がグンヒルデの性には合っていた。どこまでが先妻のセンスかは知らないが、これを良しとする人ならばジネット辺境伯とも気が合うかもしれない。
家令に「こちらでございます」と通された応接間に入ると、長椅子の上にはジネット辺境伯の姿があった。
「貴方がアーリス嬢か」
ジネット辺境伯の声は低く渋く、腹の底までずしりと響くような重みがあった。グンヒルデは旅用のドレスの裾を摘み、しずしずと淑女の礼をする。
「グンヒルデ・アーリスでございます。不束者ですが、どうかよろしくお願いいたします」
「トビアス・ジネットだ。……わざわざ遠くから嫁がせてすまなかった。見ての通り何もない領地ではあるが……穏やかに過ごしてもらえるよう努めよう」
深々と礼を返して、ジネット辺境伯——トビアスが微笑む。
その何でもない仕草に、グンヒルデはどきりと胸が高鳴るのを感じた。
(素敵だわ……この人)
そう。実際に向かい合ったトビアスは、釣書よりもずっと魅力的だったのだ。
険しさを感じさせる顔立ち、白くなった髪、という特徴は似顔絵の通りである。しかしその瞳には年齢を感じさせぬ鋭さがあり、短く整えた髭がどこか野生的な魅力をたたえている。しゃんと伸びた背筋と衣服の上からでもわかるたくましい体付きは国境守護を任されるのも頷ける貫禄で、一目で見て——とても頼り甲斐があってワイルドで、でも品があって男前な老紳士であった。
それこそ年上趣味でもなかったはずのグンヒルデが一目惚れをするくらいには、トビアス・ジネット辺境伯は老いがハンデにならないどころか渋さという加点要素に仕上げてきた美男子だ。
(これは……ロザリンデが興味を示してくれなくて助かったわ)
ロザリンデが釣書を見ていたかはわからないが、仮に見ていたとしても「おじいさんだから」と興味も示さずにいたのだろう。それが今のグンヒルデにとっては何よりありがたかった。
自分の父より歳上にも関わらず、トビアスは惚れ惚れするような美男だ。白髪や目元の皺さえ色っぽく、老人と呼ぶにはいくらか若々しい。
年老いてもこれなのだから、若い頃はさぞかし美男子だったのだろう。いや年老いた今だからこそこの魅力が出ているのだから、若い頃も今も方向性は違えど美男子だ。美男子万歳、老紳士万歳。心の中で万歳三唱をするグンヒルデに、しかしトビアスは苦笑して「すまない」と告げる。
「このような老人で驚いたであろう。釣書にも書いていたと思うが……私は六十を超えた爺でな。だが安心してくれ、閨を迫るようなことはしない。あくまで亡き妻の代わりに女主人を務めてくれる者を探していただけなのだ」
「えっ、夫婦の営みはできないんですか」
思わずそう口走ってしまったグンヒルデに、トビアスが目を丸くする。「お嬢!」と小声で咎めるビルにしまったとんでもないことを言ってしまった、と気付いた時には、トビアスは大口を開けて笑っていた。
「面白いお嬢さんだ。老いぼれに嫁がされた我が身を嘆くどころかそのような冗談を言う余裕があるとは……その豪胆さなら女主人も十二分に務まるだろう」
「いえ、その、別に冗談というわけでは……」
「またまた。老骨に気を遣わずともよろしいのですよ」
——冗談じゃないのに! と、グンヒルデは歯痒い思いでトビアスを見た。もしかするとトビアスにとってグンヒルデは若すぎて恋愛対象外なのかもしれない。
それはそれで紳士的で素敵、と加点対象になるがすっかりトビアスに惚れ込んでしまったグンヒルデにとっては喜ばしいばかりではない。グンヒルデがやきもきしていると、不意に応接間のドアが開いた。
「ああ、いたいた。間に合ってよかった」
「ジュリアン。挨拶くらいせんか」
ひょこりとドアから顔を出した少年をトビアスが咎めると、少年は「いけね」と頭を掻いてドアの向こうへ引っ込む。
ややあって、ノックの後に入室してきた少年はグンヒルデの前まで歩み寄ると深々と頭を下げた。
「ジュリアン・ジネットです。ジネット辺境伯の嫡男——と言っても養子ですが。あなたの義理の息子になります」
「グンヒルデ・アーリスですわ。歳がそう変わらない母なんて複雑でしょうけど、よろしくお願いいたしますわね」
「いやあ、別に。むしろこんな美人で嬉しいくらいですよ、なんて」
「ジュリアン。言葉遣いを慎まんか」
トビアスが眉間に皺を寄せてジュリアンをたしなめるのを、グンヒルデは「このままで結構ですわ」と制する。
ジュリアンは見たところ十三、四歳くらいの子供である。ライトゴールドの髪を短く切り揃え、ややそばかすのある頬とくりくりしたオリーブグリーンの瞳が愛嬌いっぱいの、実に可愛らしい少年だ。
息子——と言うよりは弟のような感覚になりそうだが、存分に可愛がれそうでいい子だとグンヒルデは直感していた。
「それで、グンヒルデ母様。屋敷の案内はもう済まされましたか? まだでしたらご案内しますよ」
「グンヒルデ、で構いませんわ。言葉遣いもかしこまらなくて結構よ。あなたに案内してもらえるのなら嬉しいわ」
「やった! じゃ、ついてきて。ひとまわり案内するよ」
そう言うが早いか、ジュリアンはグンヒルデの手を取って応接間から引っ張り出す。「ジュリアン!」とトビアスが咎める声が小さく聞こえたが、ジュリアンはお構いなしでグンヒルデの手を引いて走り出した。
「父上に捕まると長いんだ。一階はさっと回ってしまおう」
「後で捕まるともっと長くなるのではなくて?」
「だからその前に案内を済ませるんだ。さ、行こう!」
からからと笑いながら、ジュリアンはあっちが厨房でこっちが客間、と流れるように一階の部屋を巡っていく。
ぐるりと一階を回って二階への階段を登る合間、グンヒルデはジュリアンに気になったことを尋ねてみることにした。
「あなた、養子なのよね。トビアス様と全く血は繋がっていないの?」
「いや、親類筋からの養子だよ。十年前くらいにもらわれてきたんだ。元の関係は大伯父さ」
「ふうん。じゃあトビアス様とは少しくらいは似ている?」
「いいや、そんなに似てないよ。若い頃の父上はもっと男前さ」
こっちだよ、と腕を引いて、ジュリアンは二階の部屋にグンヒルデを招き入れる。シンプルな寝具やクローゼット、鏡台などが設えられた寝室には、二人の男女の肖像画が掛かっていた。
「これが若い頃の父上さ。隣にいるのが母上……君にとっては先妻」
「まあ。奥様も美人でいらしたのね」
「そう。で、父上も美男だろ?」
「そうね。今も面影があるかも」
肖像画の中の若いトビアスは、目鼻立ちの通った凛々しい美形だった。ただ釣書の似顔絵のトビアスより現物の方が何倍も魅力的だったのを鑑みると、この肖像画も現物よりは生易しいレベルの美男子に抑えられている可能性がある。
この目で若い頃のお姿も見てみたかったな、とグンヒルデが内心残念がっていると、ジュリアンがにやにやとグンヒルデの顔を覗き込んできた。
「どう、惚れた? 今は枯れてても昔はこんなに美男だったんだぜ、父上ったら」
「あら、今も男前よ。若い頃とは違った魅力があって素敵だわ」
「ありゃりゃ。それじゃとっくに惚れてたってこと? 無駄足だったかな」
「そんなことはないわ。若い頃も素敵だったって知れてますます好きになったもの」
それに、とグンヒルデは室内を見渡す。埃一つなく整えられた寝室は、グンヒルデのためにあつらえたにしてはどこか古びた家具が多く、誰かが生活していたような名残も感じさせる。
おそらくは、トビアスの前妻の部屋なのだろう。どのくらい前に亡くなったかはわからないが、後妻が来ても部屋をそのまま残すくらいには大切にしているらしい。
「愛妻家って噂は本当みたいね。素敵だけど、ちょっと妬けてしまうわ」
「ああ、グンヒルデからすればライバルなのかな? 子供はできなかったけどさ、本当に仲が良かったんだよ。父上と母上は」
「そうね」
肖像画に向き直って、その中に描かれた二人をじっくりと見つめる。肩を寄せ合った二人は穏やかに微笑んでいて、傍目からも仲睦まじいとわかる雰囲気だ。
「私、頑張ってトビアス様に愛される妻になるわ。先妻ほどは愛されないかもしれないけれど、その半分くらいでも愛を注いでもらえれば嬉しい。それでいつかはあの方の子供を産みたい」
「えっ、子供まで欲しいの? 言っちゃなんだけど父上はじいさんだぜ。体力はあるけど夫婦の営みなんてできるかなあ」
「だって、こんなに男前なんですもの。トビアス様の血を残さないなんてもったいないわ。もちろんジュリアンのことだってたくさん可愛がるつもりでいるけれどね」
「本当? 嬉しいな。姉のつもりで甘えてもいい?」
「もちろん。私も弟のつもりで可愛がるわ」
やった、と飛び跳ねるジュリアンを微笑ましい目で眺めて、グンヒルデは肖像画の額縁を撫でる。
——どうか私達を見守ってくださいね、という心の声が、今は亡きトビアスの前妻に伝わるかはわからない。仮に伝わったとしても、自分の孫くらいの歳の新しい妻を歓迎してくれるかもわからない。
でもせめてもの義理として、あなたを愛したひと達を私はあなたの面影ごと愛しますわ——と、伝えておきたかった。
「よかったら、街の方も案内してくれない? 馬車から見はしたけど、自分の足で歩いてみたいの」
「喜んで。どこへだって案内するよ」
行こう、と喜び勇んで部屋を飛び出すジュリアンの後に続いて、グンヒルデも部屋を出る。
ドアを閉じる合間、覗き見た肖像画の中の二人はやはり幸せそうに笑っていた。
◆グンヒルデ・アーリス
侯爵令嬢。
名前がドイツ名なのは隣国から嫁いできた母に隣国由来の名をつけられたから、という設定があったり。
イケオジのトビアスに一目惚れし、猛アタックの末数年後にトビアスとの間に女の子を授かった。
今が幸せなので実家のことはもうどうでもいいと思っている。後妻と妹実家に牛耳られ浪費しまくっているあたり将来傾くであろうことはお察しなのでざまぁするまでもない。
◆トビアス・ジネット
辺境伯。
老いてもなおセクシーなイケオジ。イメージ図はドル○・ラ○グレン。
愛妻家であり、先妻との間には子には恵まれなかったが妾も迎えず一途に愛し続けた。
息子の婚約者が嫁いでくるまで時間があるし女主人を務めてくれる人はいないだろうか、と思ってダメ元で婚約者を探していたらグンヒルデが来てくれてびっくり。惚れられたことがわかって二重にびっくり。
グンヒルデともおしどり夫婦として仲良く辺境を治めた。
◆ジュリアン・ジネット
トビアスの養子。十三歳。
やんちゃ坊主で、グンヒルデが来た日も友達と街を駆け回っていた。「あれ嫁入りの馬車じゃね?」と友達が教えてくれたので慌てて帰宅したのが本編での登場。
後にできた妹をめちゃくちゃに可愛がったとかなんとか。
◆マーヤ、ビル
元の屋敷では数少ないグンヒルデ派の使用人。
マーヤは姉貴分、ビルは兄貴分的な立ち位置。
トビアスに一目惚れして恋する乙女全開でアタックをかけるグンヒルデをマーヤは微笑ましく、ビルはやや複雑な気持ちで見守ったそうな。