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夢見がちな怪盗-①


なんか自然と展開が思い浮かんだからすぐにできました。

プロットもない見切り発車なので多分どこかで設定に矛盾とか出そうだけど、今楽しく書けているのでヨシッ!(現場猫)

 







「おやまあ、ギルドに頼んでおいたやつじゃないか。……ふむふむ、問題なさそうだねぇ。依頼書は持ってきてるかい?はい、サインはしておいたよ。初めてのクエスト達成、おめでとう」




 全力ダッシュの甲斐あって道具屋にはすぐ到着した。

 ゲームの中なので息切れもしないので、意外と移動方法としては有りかもしれない。



 ささっとサインをもらい、クエスト達成。

 まあ、届け物をするだけだから失敗するわけないんだけどね。中身も事前に割れ物だったりしないか確認して、故意に振ったりしない限り大丈夫って聞いてあるし。

 ミラ婆さんも包装を解いて中身を確認していたが、満足そうに頷いてくれたので問題なしだな。




「それじゃあ、改めてクエストは受けてくれるってことでいいのかい?」

「ええ、まあ……お礼にしても頂きすぎてましたからね。そんなに難しい内容ではないと言っていましたが、具体的にはどんな仕事なんですか?」

「……ありがとうねぇ。まあ難しくはないけれど、簡単でもないかもしれないね。カインドなら問題ないだろうし、頼んだよ」

「??よく分かりませんが、お任せください」




 そうして受注したクエストは、意外にも調査系の内容だった。

 ミラ婆さんの娘さんが運営している孤児院で近頃窃盗事件が起きているらしく、その調査と可能ならば解決してほしいというクエストである。

 原因については多少目星も付いているということだが、何か事情があって手を出さないので誰か代わりにやってくれる人を探していたのだとか。希望は新人パトモンマスターとのこと。



 孤児院で窃盗事件。犯人の予想はついてるのに何らかの事情で娘さんから手は出せなくて、代わりの人選として成り立てのマスターを希望していると。

 この時点でなんとなく予想はついてしまったが、実際のところは行ってみるまで分からない。

 改めてクエストを受ける意思を伝えて、早速孤児院へと足を向けた。






 ◆◇◆






 孤児院は想像していたより綺麗な外観をしていた。町からちゃんと援助されているのだろう。

 敷地の外まで子供たちの賑やかな声が聞こえてくる。




「すみませーん!ミリアさんはいらっしゃいますか?ミラ婆さんから話を受けて来ましたー!!」




 取り敢えず、敷地内に入る前に声を掛けてみる。

 すると、パタパタと足音が近づいてきて、一人の女性が姿を見せた。

 なんとなくミラ婆さんやミーシャさんに似ているし、恐らく彼女がミリアさんで間違いないだろう。なんて思いながら、軽く会釈をする。




「初めまして、カインドと申します」

「こ、これはどうもご丁寧に。私はミリアと申します。母のミラからの話と言いますと、もしかして……」

「はい、例の調査についてですね。詳しくお話を聞かせて頂けますか?」

「ああっ、やっぱり!あの話を受けてくださってのですね!ありがとうございます!それでは中へどうぞ……あまり綺麗ではなくて恥ずかしいですけど、あはは」




 ミリアさんに促されて中に入る。

 庭で遊んでいる子供たちから注目されて、ちょっと居心地が悪い。

 院内にもインドア派と思われる子供たちが静かに遊んだり、本を読んだりしている。お手伝いだろうか、掃除をしている子も居る。いい子すぎて泣ける。




「お茶を用意しますね」

「いえいえ!そんな、お構いなく」

「そう言わないでください。それに、もう用意してしまっていると思いますよ」




 そんなこんなで客間に案内された。

 別にお客様ってわけでもないのに、妙に歓迎されてしまってさっきとは別の意味で据わりが悪い。

 程なくして、ミリアさんの言うとおり一人の子供がティーカップを置いて紅茶を注いでくれる。随分と慣れた手つきなので驚いた。

 俺とミリアさんの分の紅茶を淹れ終わると、すすっと部屋の外に出ていってしまった。給仕かな?



 折角なので一口飲むと、シンプルに美味しくてまた驚いた。

 堂に入った姿だったし、多分正しい紅茶の淹れ方を知っているのだろう。すっきりとした飲み口と爽やかな香りがたまらない。

 気が付けば意味もなくしていた緊張が解けている。肩の強張りがなくなって、リラックスできていた。

 まさかこのために?今時の子って気が効くんだなぁ〜。




「お口に合いましたか?」

「あ、はい。香りも良くて飲みやすくて、良い紅茶ですね」

「ありがとうございます。実はここの子供たちが裏庭で育てているんですよ。昔からの伝統みたいなものですけどね」

「へぇー!それは凄い!……ああ、だからさっきの子も淹れ慣れてたんですね」




 いきなり本題には入らず、軽い世間話を交わす。

 どうやら少し話しづらい内容らしい。或いは、()()()()()()()()()()()()()()()()のかな?

 何にせよ、こちらからは話し出してくれるまで待つしかない。暫くして、扉の前から感じた息を潜めるような気配が離れていくのが分かった。

 それと同時にミリアさんがほっと一息ついて、真剣な眼差しで俺を見据えてきた。




「…………お待たせしてしまい申し訳ありませんでした。改めて依頼内容について、詳しい話を聞いて頂けますか?少し込み入った事情もあるのですが、カインドさんに頼みたいこと自体はシンプルなのでお時間は取らせません」




 決意を秘めた強い、真っ直ぐに俺を見つめる視線。

 けれど、その中には僅かな逡巡や憂いのような感情も混ざっている気がする。

 その内容を推し量ることは俺にはできないが、ミリアさんにとって何か重大な選択をしたのだと思う。適当な気持ちで受けることは失礼に値するだろう。

 俺は居住いを正して、ゆっくりと頷きを返した。









 ハナコ(♀)/ユミリルLv.3

 No.087 精霊族・妖精 進化:有り

 属性:無/妖 弱点:金/悪

 特性:打/魔 無効:正/霊/竜

 0.6m/7.8kg(+24.5kg)

 生命 77 ↑7up↑

 筋力 248(*1.3) ↑23up↑

 耐久 50  ↑5up↑

 魔力 88  ↑8up↑

 抵抗 132(*1.1)  ↑12up↑

 速度 198(*1.2)  ↑18up↑

 種族スキル:変幻自在

 戦闘スキル:叩き潰す ぶん回し フェアリータッチ(NEW) 恐怖の叫び 地割り 巨人殺し(ギガントスイング)

 補助スキル:すり抜け 姿隠し 妖精の悪戯(チェンジリング)

 称号:衝撃のユミリル


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