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天使の愛情

どういう展開になるか未定過ぎてR−15タグつけていましたが一旦外してそういった展開になったらつけることにしました。

懐かしい空気。綺麗な空。倉庫らしきものと花瓶に入れられた綺麗な花。おそらくお庭でしょうか。


「ほらついたぞ。この家にいる。窓からでも覗け。」


早く帰りたいのか急かすシフ先輩。

そう言えば初めて人間界に来た時もシフ先輩と一緒だったなぁ。その時に私は人間が好きになったのだ。


「はーい!」


小走りで窓ガラスに顔を近付けると2足歩行で頑張って歩いてるかわいい女の子がいた。妹ちゃんかな?彼はどこかなー?と覗くも母親らしき人物しか見当たらなかった。


「シフ先輩、ほんとにここで合ってます?女の子しかいませんよ?」


「あってるぞ。あー…お前には言ってなかったか転生の時お前がいなくなった後に俺がイジって性別を変えたんだ。お前が見つけた女の子、そいつがお前の探し人だ。」


あの人の性別を変えた!?


シフ先輩の胸ぐらを掴み

「シフ先輩!彼は転生の儀のとき男性として転生させるようしていたはずです!それを勝手にイジったのでしたら…!」


「許さないって?許さなくて良い。俺はあいつが許せないしお前を初めて人間界へ連れて行ってしまった俺自身も許せない。」


「んな!?連れて行ってくれた事についてはむしろ感謝しているのですが!」


それよりも転生の儀で決まったことが後から変えられたほうが問題だ。もし神様の許可なくそれを行っていた場合シフ先輩も罪に問われます。


「それが原因でお前が人間に興味持ったんじゃねぇか。大事な後輩が追放される原因作っちまったんだから許せるわけがねぇ。」


言葉が出ない…あの…シフ先輩そんなに私の事大切にしてくださってたんですか?面と向かって言われるとあの恥ずかしいというかなんというかその。


「憂さはらしで許可なくやったからバレたら神様にはど叱られるだろうな。でもそうしねえとやってられなかった。」


恥ずかしい!!なんかとても恥ずかしい気分です!!!


「こんな事で時間使っちまっても後悔するだろ。早くあいつのこと見に戻ったらどうだ。」


今シフ先輩と顔を合わせるのは何と言うか恥ずかしくて無理そうなので言葉に従います。


それにしても随分可愛い姿になってしまいましたね…

あ、転んじゃった。大丈夫かな…と思ったら壁にもたれかかって自力で立ち上がりました。かわいい。


しかし突然女の子にされて彼は大丈夫でしょうか…一度転生してしまった以上今からの変更は不可能です。

おそらく性別が変わった事で様々な変化に困ってしまうでしょう。何か助けが出せれば良いのですが…そうだ!


できる限りの笑顔で

「シフせーんぱい!」

と言い離れていたシフ先輩に近付く。

耳が赤いのは寒いからです。決して顔を合わせるのが恥ずかしいからじゃないです。


「急に甘え声出してどうした。あいつと話したりは無理だぞ。」


「私のことが大切過ぎて罪を犯してしまった先輩にお願いがあるんですよ。もし聞いてくれなかったら追放の時にうっかり口が滑ってしまうかもしれませんね。」


うげぇって顔をしながら。

「脅しかよ…はぁ…何がしたい…」


「いやいや可愛い後輩の最後のお願いですよ。私の羽の先を彼…いや彼女か…に渡したいんです。」


「それは駄目だ。天使の羽はたとえ先であっても魔力を有する。それを人間に渡すなんてすれば追放なんて軽い処分じゃ済まなくなる。」


天使の羽は持っている者に幸運を与えたり厄災から守ったりしてくれます。だから人間に与えたりすればその人生を大きく変えてしまいますので渡したりすれば懲罰対象です。ですが既に彼は人生を弄ばれてしまっています。だったら少しくらい良いことあったって良いじゃないですか。


「残念です。じゃあシフ先輩も一緒に追放されちゃいましょう…あーあー残念だなぁ。」


頭をかきながら

「あーもう!!許可できるのは庭に羽の先を置いていくだけだ!!あいつが偶然拾うのを願え!!それ以上の譲歩は無理だ!!!」


「それで大丈夫です。ありがとうございますシフ先輩。大好きです!」そう言ってすぐに窓ガラスの前へ向う。


窓ガラスの前に立ちもう一度彼…ではなく彼女を見る。

かわいい。じゃなくて早く事を済ませないと…

そう思い羽の先を掴む。

彼と出会った頃と比べるとみすぼらしくなってしまった羽…彼は気づいてくれるだろうか。

鳥とは少し色や形が違うし少し光っているため大丈夫だとは思うが珍しい鳥の羽とかと勘違いしてほしくないなぁ。そもそも拾ったとして持っといてくれるかなぁ…


今更ウジウジしてもこれ以上いい条件にはならないのはわかってる。先輩だってだいぶ無理してこの条件を呑んでくれたのだ。本当にありがたいです。


羽に先を掴む手に力を入れる。

「っくぅ…」

例えると髪の毛を引っこ抜く感覚ではなく神経を引きちぎる感覚。正直物凄く痛い。でもあの人が幸せに過ごせるならと思うと全然痛くない。でも泣きそう。


やっと羽の先が抜けた。それと同時にほとんど残ってなかった私の力も無くなった感じがした。どうやらこの羽の先に力を全部持ってかれたみたいだ。


「どうか気づいてください。どうか元気に過ごしてください。あなたの夢が叶うことを願っています。」


そう言いながら羽の先が風に飛ばされないようにしてシフ先輩の元へ行く。


「終わりました。本当にありがとうございます。シフ先輩。」


またため息を吐きながら


「はぁ…厄介な後輩を持ったよ俺は…帰るぞ…近付け。」と言い転移の準備をする。


このまま先輩に近付かずにいたら彼の側にいれるだろうか。いやそんな事すればすぐにシフ先輩達が来て連れ戻されさらに重い罰になるだけだろう。諦めて近付く。


「ああそうだリースちゃんに伝言お願いできますか。あなたが後輩で良かった。私のようにはならないようにねって。」


「最後の願いを叶えてやったはずなのに願い増えてんじゃねぇか…まぁいい。天使間なら神様通さなくても問題ないし先輩として叶えてやるよ。」


「ありがたいですがシフ先輩優しすぎて心配になります。悪い後輩に引っかかっちゃダメですよ?」


「悪い後輩には今引っかかってるよ。後輩なんて二度と世話するもんか。」


「そう言いながら誰かの世話してそうですねぇ…」


「うるせえ…」


転移が完了するまでそんなやり取りをしているとガラガラと窓ガラスを開ける音が聞こえ先程見た母親らしき人物が出てくる。


「千秋ー?これー?」

と言い私の羽の先を拾う。

良かった拾ってくれた…

彼…ではなく彼女の名前は千秋って名前になったのですね。良い名前です。


「あい!!」


そんなかわいらしい声が聞こえる。


「だめよー?羽はバイキンだらけだから千秋が触ったら危ないわ。キレイにしてから渡すわねぇ。」


そんなわけありません!天使の羽ですのでとても綺麗ですしバイキンなんてついてませんよ!!!

なんて抗議しようとしたところで先輩に腕を掴まれました。


まってあとすこしだけ


「転移!!!」

読んでいただきありがとうございます。

少し長くなりましたがこれで天使視点は一旦終了です。


作者としてはエルはだいぶ気に入っているので早く二人を出会わせたい欲と戦いながら書いています。

あとシフ先輩は最初は乱暴で嫌な奴ってキャラで考えていたのですが後々の展開でやりたいことが出来てエルと絡ませるうちにツンデレ(デレデレ)先輩になってしまいましたね。彼も再登場予定です。


あとタイトルの天使の愛情にはシフ先輩からエルへの愛情も掛かっています。シフ先輩のエルへの愛情は友愛や親愛の部類で恋とは違う親目線な愛情です。


誤字脱字ありましたらご指摘いただけるとありがたいです。

承認欲求の塊みたいな作者なのでブックマークや評価も本当に嬉しいです!

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