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四つ星公演 レオンおにいさんの!たのしいたのしいさつりくしょー!! 終演

 その時だった。

「……みんな、きいてください」

 今にも消え入りそうな声だったが、アマリアの耳にはしっかりと届く。

 おぼつかなくか細い歌声を伴って少女は立ち上がる。その少女に視線が集まる。注目を浴びていることに臆するが、少女は歌うことを止めない。

「フィリーナ……様?」

「アマリア様」

 二人の視線が重なる。フィリーナははにかんだ。アマリアを安心させるためにだ。

「うん、心配しないで。―わたし、あなたの為なら歌える」

 次第に彼女の歌声が勢いを増していく。清涼で透明感のある歌声は、優しく劇場内を包み込む。

「ああ……」

「綺麗な歌声……」

 劇場から脱出しようとした彼らも足を止めずにはいられない。観客達の強張った心が解されていく。歌い終えたフィリーナ達は逃亡しようとした観客達に向け、言葉を紡ぐ。

「まだ、舞台は終わってない。無責任に彼の深淵を覗き込んだのはわたしたち。せめて最後まで見届けよう。そして、あの『悪役』に結末を委ねましょう。わたしは彼女を信じている。あなたたちの勇気も信じている。―信じているから」

 観客達へ。そして舞台の上にいる悪役へと。フィリーナはまっすぐな想いを伝えた。

「……くそ」

 舞台から逃げようとした彼らは悔しそうにしていた。席に着くことはなくとも、彼らは不満そうに舞台へと目を向けた。

「……フィリーナ様」 

 アマリアは胸がいっぱいになった。客席のフィリーナから背中を押してもらった。

「キミシマ様」

 アマリアは幼いキミシマの左胸に手をあてた。彼の心臓がどくんと脈打った。アマリアはナイフを生じさせ、キミシマへと向ける。

 それでいい、と彼は瞳を閉じた。彼はわかっていた。この舞台が終わったら、消えるのは自分だと。あの支配者と名乗る少年も観客達も、誰もキミシマレオンを望むことはない。

 不幸な境遇でも生き抜いてきたレオンの方。レオン・パルクス・シュルツが残ればいい。それがこのキミシマレオンの最期の望みだった。

「……はは」

―どうして生まれてきたの。ねえ、ねえ!何よ、大袈裟に痛がって!そうやって泣いてばかり!

 自分を産んだ母親の声だ。ご丁寧に字幕のように浮かび上がっている。この期に及んで彼を痛めつけようとしている。

「いやね、ご自分で演出したのでしょう?」

 悪趣味だわ、とアマリアは冷たく言い放つ。

「はは、さっすが悪役様。厳しすぎ」

 それでいいや、とキミシマはアマリアに身を委ねる。薄れていく意識に、体の力も入らない。彼は終わりの時が訪れようとしていた。

「―ええ、私は悪役よ。だからっ!」

―どうして生まれてきたの。ねえ、ねえ!な……。

 文字が砕け散った。アマリアが宙に放ったナイフによるものだ。

「は……?」

 物音にキミシマは思わず目を見開く。彼の視界にすぐに入ったのは、アマリアのわるそうな笑顔だった。

「誰かさんの盗用もするわ。いざやってみると楽しいわね、これ」

 次々とナイフを文字群に投げつけていく。

「ええ、楽しいしストレス解消にもなる。それだけよ!」

 ひどい理由をでっち上げて、アマリアはいちゃもんまでもつけていく。

「……生まれたことに何の罪があるというの。あなたも苦悩があったことでしょう。けれどもあなた以上の苦痛を味わっているのが、幼子よ。お願い、母親が我が子を否定なんてしないで」

―無愛想で可愛くないな。……視界にも入れたくない。

「血のつながりがなかったから?情はわかないとしても、そこまで無関心になれるものなのね。ほんの少しの情けでもいい。あなたにほんのちょっとでも情があったなら。少しでも笑いかけていたのなら。……何か変わっていたかもしれないのに」

―なんか笑ってるだけじゃん?中身ないよね。

「彼はきっと無理してでも笑っていた。そんな彼のことを知りもしないで、そのようなことを言うのね。よく、友人を名乗れたものだわ」

―でもみんなはどう思うかなぁ?……あー、もしもし。それがさぁ、アイツ吐いたんだけど。やばくない?

―みんなせっかく来てくれたんだからさ、空気読めよな?なっ?

「人と触れ合うことに臆病になったのは、誰のせいなの?みんなって何?空気を読む、とは何かしら?……あなたたちの当たり前を押し付けないで」

 改めて向き合うと実にひどい言葉たちだった。それを彼は向けられ続けていたのだ。

―安心なさい、お前の将来は決まっているから。……ちゃんとな。

―……すっかり男になっちゃって。ふふふ、ねえ?

「おかしな話ね。それで愛したと思っているのかしら。あなたたちは結局、一度もご子息と向き合うことはなかったわね!」

 アマリアはより勢いをつけた投げつけた。

―……家、出たいんだろ?

「だからよ!だから、彼は逃げ出したかった!その先はどうなるかわかっていても!……一番の味方であって欲しかったわ」

―……おい、クズ。なあ、お前はとっくに俺らと同じとこまで堕ちてるんだよ。なあ、『―』。『ーー』!

「ああ、もう!そんな汚い言葉をぶつけられるほど、彼は堕ちてはいないわ!……はあはあ」

 息を整えながら、アマリアは宙を見る。文字は壊しきったと思っていたが。

「そんな……」

 まだだ。まだ、キミシマレオンに向けられた悪意ある言葉は消えることはない。アマリアたちに振りかかっていく。終わることなどない。

「……もういい。怒ってくれて、ありがとう。それで十分。十分過ぎるから」

 キミシマはそれでも笑っていた。ああ、とアマリアは声にする。彼はこうして自身の心を押し殺して守ってきたのだろう。

「……ふふ、私もまだまだね。今のあなたなら」

 アマリアが取った行動、それは。

「……何してんの」

「―こうしたいのよ」

 小柄な少年を抱きしめることだった。悪意ある言葉から守るようになった。

「……何やってんの、悪役が。やめて、離れてって」

「ええ、悪役よ。あなたが嫌がるとわかっていてやっているの。おいたが過ぎたから」

「……」

 そう宣うが、幼い彼を撫でる手は優しかった。慈しんでいた。キミシマの耳に囁く。観客席まで届くことはない、小さな声だった。

「……これだけの悪意の中、あなたは頑張っていたのね」

「急になんなの」

「あなた、私が怒っているって言ったわね。……そのことに痛みを感じる人々だっているの。あなたが頑張ってきたのも生きてきたのもわかる。あなただって、そうよ。シュルツ家の彼もそうだけれど、あなただって必死に生きてきた」

「……」

「彼もあなたを羨ましがっていた。あなた達、お互い様ね」

「……違うって。俺はアイツのようにはなれない」

 アマリアの胸元に顔を埋めながらも、キミシマは力なく言う。

「……アンタが一番わかっているだろ。俺がやらかしたこと。結局俺はクズのままなんだよ」

「ええ、わかっているわ。あなたがぎりぎり踏みとどまっていたこと」

「……!」

 キミシマは息を呑む。けれどもアマリアは窘める。

「……ただ、困ったこともあるのよ。レオン様ありきで止まっていたこともそう。ふふ、いいわ。レオン様に頑張ってもらいましょう」

「……なんだ、それ」

「ほら。だからあなたにとってレオン様は必要なのよ。レオン様もそう。きっとあなたの存在に助けられてきたはず。私は―」

「……」

 キミシマはアマリアの言葉を待つ。

「正直、あなたの事はよくわからないから。あなたの事をちゃんと知りたい」

「……はは」

 アマリアから体を離すと、彼は目を合わせてきた。苦笑はしていたが、その目がそらされることはない。

「……シュルツには責任もって面倒みてもらおっかなー。まだまだ長い付き合いになるなー」

 明るい声だった。キミシマの快活な声は初めて耳にした。アマリアも共に笑った。

「―アンタにも責任とってもらう」

「えっ」

「えっ、とかなに」

「い、いえいえ。違うのよ?ええ、任せて。フォローは欠かさないわ!いえ、違うわね。尻拭いよ!」

「ははは」

 意気込むアマリアに対し、キミシマは笑いだけで返した。

「とは言っても。今のあなたならきっと大丈夫よ」

「……」

 キミシマは何も言わない。はにかんだ彼がただそこにいた。

「……はーあ。そろそろアンタを返すよ。あと、レオン・パルクス・シュルツにも返すものあんだよね。―アイツの公演名。俺が書き換えていたから」

「そう……」

 『さつりく』の部分は元々は違う部分だった。上書きするように書かれていた。本当のタイトルは。

「いいえ、いいわ。今のタイトルで行きましょう」

「いやいやいや……」

 唖然とするキミシマだったが。

「レオン様の劇場だけれど、あなたの舞台でもあった。観客の皆様もあなたの物語を目にしていた。こちらでいかせてもらうわ」

「……はは。あっそう」

 アマリアの主張に反対することはなかった。彼はにっこりと笑い、そして。

「じゃ、そういうことで。ばいばーい。あとさ。レオン様呼び、直しとくこと!」

 アマリアを突き飛ばした。

「なんと!」

 予想だにしない行動にアマリアはされるがままになってしまう。あんまりではないかと怒り顔になる彼女だったが。

「―またねぇ」

 キミシマの心からの笑顔に毒気が抜かれてしまった。

「ああ……」

 アマリア達を取り巻く闇は消えていた。落ちていくアマリア。落下中の彼女の視界を埋め尽くすのは、大量の紙幣だった。風に乗ってひらひらと舞っている。

「せんぱーい!!」

 地上ではシュルツの方のレオンが待っていてくれてた。手を大きく振っている。

「って、やばくね!?あの変な雪があれば―」

 アマリアは勢いつけて落ちている。地上に激突も時間の問題だ。それならばとレオンは例のアレを探そうとするが。

「……ううん」

 レオンは落下してくるアマリアを見据えた。このままアマリアを受け止めることにしたようだ。

「レオン様……。いいえ、レオン。お願い」

「よしきた、オッケー!」

 迫りくるアマリアにレオンは覚悟を決める。距離が近づく。レオンはふと頭上を見る。アマリアがいた場所はかなりの高さだ。そこから平均より体格の良い女子が落ちてくる。

「……」

 レオンはそのアマリアを受け止めなくてはならない。レオン自身もそうだが、受け止めそこなったらアマリアも只ではすまないのではないか。レオンの顔は青くなる。

「えっと、これやっぱさ?オレが受け止める流れ?やっぱさ、あの変な雪の方が―」

「た、た、たたた頼むわよ!」

 アマリアはそのつもりだった。

「いやいやいやいや!」

「え、ええ。さすがに無理があったかも。……って、ひゃああああああ!」

 かなりの高所から勢いつけて落下していく。そんなアマリアを受け止めろというのは、無理がある話だった。悪役うんぬんの問題ではない。

「―ううん、やってみせる」

 気力を振り絞ってレオンは全力疾走する。そして直撃寸前のアマリアを抱き止めた。

「ぐぅあっ!あー、腕もってかれたぁ……」

 アマリアを受け止めた時、レオンは変な声を出していた。

「……腕、まずいのでは。いえ!よ、よくやったわ!……ひとまず、おりるわね」

 アマリアはアマリアで心臓がばくばくしており、レオンの腕の負担も考えてさっさとおりた。

「ふう……」 

 肩の荷が下りたとレオンが地べたに座り込む。少しでも休んでほしいのでアマリアは触れないでおく。

「……」

「……」

 全てが終わったのか。このまま気が抜けてしまいそうだったが、あと少しとアマリアは踏ん張る。

「よくやったわ、レオン」

「それ、さっきも聞いた」

「そ、そういうことは言わなくていいのよ!」

 小声で怒りつつも、アマリアは仕切り直す。

「……制御、できるわね。キミシマレオンがあなたにとっても大切な存在なら」

「大切……。よっと」

 レオンは立ち上がるとアマリアと向き合う。

「キミシマはオレのこと買いかぶってる。オレ、良い子じゃないよ。アイツが暴れ回っていた時、すげぇスッキリしてた。アイツがいたから、オレここまでやって来られた。うん、大切。その通りだよ」

 レオンはその言葉を噛み締めると、空を仰ぐ。

「―オレもキミシマを失いたくない。キミシマあってのオレだから。学園のみんなもドン引きだろうけど。それでもしゃーないよね!」

「ええ、そうね」

「うん。これでキミシマの件はよしとして。―アマリア先輩」

「……レオン?」

 レオンは跪いた。

「勝負、先輩の勝ちでしょ?」

 ほら、とレオンは示したのは一面に広がる紙幣の山だ。より多く手にしたのはアマリアだと告げる。アマリアはぽかんとするも一瞬、ふんぞり返る。

「え、ええ!私の勝ちね。ええ、計算通りですとも!」

「あ、うん。そういうことで」

「ええ、そういうことにしておいてください」

 二人はこっそりと取引を終える。仕切り直す。

「―あなたに罰を与えるわ」

 とはいえ、レオンを利用した。キミシマのことも押しつけた。他に何があるのだろうか。

「先輩、先輩」

 時間は大丈夫かとレオンが急かしてくる。すっかり彼はいつもの調子だった。

「もう……」

 この舞台限りだ。これかも自分に仕えるように、と言うべきなのか。

 困り果てていたアマリアはこの荒んだ戦場を見る。あの華々しいサーカステントからは想像が出来ない風景だった。

『アイツの公演名。俺が書き換えていたから』

 これはキミシマの発言だ。そうなると、元々のレオンの劇場も違ったものではなかったのか。

「ねえ、レオン。こちらの劇場はもっと違ったものではなかったの?」

「唐突だなぁ。まあ、そうだよ。見た目まんまのサーカス。オレも楽しかったし。……楽しませたかったし」

 レオンは思いを馳せた。レオンが養子になったばかりの頃、街で大道芸を目にしたことがあった。見よう見まねで覚えたものを、彼の家族は笑って見守ってくれた。心からの笑顔に、幼かったレオンも生まれて初めて笑った。

「オレとキミシマは本質的には一緒。ただただ笑ってほしかったのもある。……けどさ、見境なかったのかもね。誰にでも愛想よくしてさ。……笑うことでしか。笑って取り繕うしか、人と関われなかった」

「……わかるわ」

「って、アマリア先輩?」

 レオンが言うのだからキミシマもそうなのだろう。レオンは初対面のアマリアにも愛想良く、そして気を配っていた。彼が言う通り、それが彼の人との関わり方であり、処世術でもあった。

「そうしてあなた達は自身を守ってきた。……ねえ、レオン。あなたが本当に大切なのはご家族。そうでしょう?」

「……?」

 アマリアも立膝をついて、レオンの頬に両手を添える。

「―あなたが心から笑わせたい人、わかるでしょう?まずはそこからだと思うわ」

「え」

 レオンは怯むが、逃すまいとより顔を近づける。

「その人当たりの良さは羨ましい。あなたの良い所ね。それに元々善良でしょう、あなた達。……顔では笑っても、内心はベロを出す。それくらいで丁度いいのでは?」

「……」

「相手をうまく手玉に取る。利用だってしてやる。どうでもいい相手はそれでいいじゃない。……本当に大切にしたい相手を大切にできれば」

「……それは」

「あら、忘れたの?使ってみせろと言ったのはあなたじゃない。―悪役の下につくというのなら、それくらいはやってもらわないと」

「……」

 レオンは無言のままだ。言葉を選んでいるようだ。けれどアマリアを見つめているままだ。

「あら、ご不満かしら。勝利したのはこの私よ?約束の反故?それはあんまりだわ」

 アマリアは口早に喋る。彼女は密かに焦っていた。レオンはどうしてこうも沈黙を貫くのか。困っていたところで聞こえてきたのは、レオンが笑いをこらえている声だった。それこそあんまりだと、アマリアは怒る。

「そだね。こんな感じでらしくない役やっている人もいるし」

「なっ」

「なら、オレも出来るかも。……人を笑わかせる。でも!相手は選ぶし、なんだったら利用だってしてやる」

 ほら、とレオンはアマリアを促す。ならば、とアマリアも応える。

「レオン、あなたに命じるわ。―道化でありなさい」

 その姿は王道を往く騎士を悪の道に引き入れようとする悪役。そのものだった。

「はい、拝命つかまつりました!オレ、なるなる!―アマリア先輩の道化になるから」

 意味深に、そして不敵に笑った。


『レオンおにいさんの!たのしいたのしいさつりくしょー!!』


―天涯孤独の彼はシュルツ家に迎えられた。レオン・パルクス・シュルツとなった彼は幸せな日常を送っていた。隕石症を患ってしまっても、家族は寄り添ってくれていた。レオンは強く思った。良い子でいるように。大好きな人達を笑顔にさせたい、と。無理などしていない。自分はそれで良いと思っていた。

 レオン少年は奇妙な夢を見るようになっていた。見たこともないものばかりで溢れている世界。そこにいるのは自分そっくりな少年、君嶋礼音。彼もまた、周囲に愛されようとしていた。だが、道を間違えてしまった彼。荒んだ男なのに、どこか他人とは思えなかった。奇妙な男と共にレオンは成長していく。キミシマは強い。強かった。彼に飲まれたレオンは、キミシマに明け渡してしまうことになってしまう。乱暴者で節操のない、ろくでなし。キミシマは戦場という場をいいことに、殺戮を大いに楽しんでいた。

 そこに現れたのは制服を着たお嬢様。同業者と名乗るおかしな少女だった。キミシマは思いつく。どちらが多くのターゲットを殺し、報酬を手にするか。お互いに競いあう中、少女の策略により状況は一変する。ターゲットに苦戦するキミシマだったが、彼は強者。強い自分の勝利によって幕が閉じると信じて疑わなかった。抗ってきたのはもう一人の自分だった。あろうことにも敵対している少女と手を組み、そしてターゲットを倒す。このまま終わるわけにはいかない、とキミシマは黒い闇に取り込まれる。あの奇妙な、それでいて気になる少女も引きずり込んでやろうと。

 少女と接することでキミシマは自覚する。もう一人の自分が羨ましかったと。数々の悪意にも傷つきながらも、自分だって精一杯生きてきたのだと。少女は望む。このまま消えることは許さないと。

 闇から解放された少女は沢山の報酬を手に入れる。勝負は彼女の勝ちだ。彼女は命ずる。自分にとって都合がいい。だから、道化でいるようにと。レオンは快諾した。彼女の道化であると。


―舞台は終幕となった。


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