おかえり。楽しい楽しいお食事
日常は続いていく。アマリアは昼食を約束していた。本日もフィリーナとだ。学園の食堂へと向かっていく。
―いやぁ、どうなる事かと思ったよ!リゲルさまさまだわ!
―これだけ食べ物あるんならさ、限界まで!……やっぱ、ほどほどにしとこ。
―昆虫食、今から挑戦してみよっかな?新月寮だっけ?
生徒達は思い思いに語っている。
食堂に着いたアマリアは顔を覗かせる。フィリーナの姿はまだない。だが。
「―おいしいですぅ。ほら、お姉さま!こちらおすすめですよ!ほらほら、一口どうぞ」
「もう、それだけすすめるってなら。ええ、いけるじゃない」
「ふふふ、わたくしも頼もうかしらねぇ?ヨルクもいかが?」
馴染みのヨルクと乙女達が食事をとっていた。休業していたエリカも、学園に復帰していたようだ。
エリカは笑っている。実に楽しそうに。
「ほらほら、あーんですよ。お姉様、……あ。ごめんなさい、ヨルク様。ヨルク様外れになっちゃいますけど、このあーんは!心に決めた殿方にと決めてまして!」
「ちょ、ちょっと失礼よっ!もう、エリカっ!まあ、わからなくはごにょごにょ……」
「あらあら、カンナったら……。あなたもじゃない」
正直な乙女達に、ヨルクはわりと可哀そうな扱いを受けていた。
「ううん、いいよ。ちゃんととっておいたらいい。俺は君達が楽しそうだったら。幸せなら。それでいいんだ」
「ヨルク様ぁ……」
ヨルクの心配りと笑顔に乙女達は陶酔した。ヨルクは乙女達から、そして気づいたのかアマリアにも向けた。
「―やあ、アマリアちゃん。これから昼食だよね。一緒にどうかな」
「わあ、アマリア様だ!どうぞどうぞ!」
アマリアは会釈する。エリカを筆頭に乙女達にも歓迎されているようだ。フィリーナも遅れてくることを告げ、加わることにした。
「遅れてごめんなさい。……許すまじ、会長。ご飯前に捕まってしまった。小走りにしたのに。走ってないのに」
「あら、フィリーナ様。わたくし、生徒会回避ルート詳しいわよぉ」
「詳しくお願いします」
遅れてやってきたフィリーナも加わり、より賑やかになった。
「えへへ、楽しいですねぇ……」
「ええ、本当ね。エリカ様」
美味しい料理に、気心の知れた仲間たち。楽しい時間はあっという間に過ぎていった。