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麗人との密会

「やあ、待っていたよ」

 ノアが渡してきたメモ通り、アマリアは昼休みに指定の場所までやってきた。人が少ない旧校舎を進み、こうしてやってきたのが中庭だ。学園の技術により常温が保たれている。アマリアはふと、曇天を見上げる。ここが屋外だと信じられないのもあった。

「ああ、これから吹雪くらしいね。といっても真夜中だけれど」

「そうなのね。下校時間に被らないのが救いだわ」 

 ノアがテラス席に案内する。その辺にあった椅子とテーブルを即席でノアが仕立てたものだった。ノアが自然とアマリアの椅子をひこうとする。婦人であるノアにやってもらうとは、というやりとりがあった。それをアマリアは思い出す。その考えはいただけない、とノアに不満をもたれていた。アマリアは礼を言って座ることにした。

 各々持参してきた昼食を広げる。いただきますと手を合わせながらも、アマリアはどう話を切り出すべきかと考えていた。何らかの目的があって、ノアは呼び出してきたはずだ。なのに、一方に本題に入ろうとしない。ならばアマリアの方から振るしかない。

「ノア様、いいかしら」

「なんだい?」

 そう、振らなくてはならない。だが、他に人がいなさそうなこの場所でも口に出すのは躊躇われることだった。―劇場街のことだからだ。

「私も色々と知りたいことはあるのよ。でも、こちらだと……」

 他に人はいなさそう。けれど、気づけば誰かに見られている気がしてならない。この学園はそういう場所だ。アマリアはおいそれと口に出せない。

「こちらはどうかと思うけれど、『あちら』ならいかがかしら。より語り合えると思うの」

「ああ、同意さ。こうして夜の約束をとりつけにきたわけさ」

 劇場街ならば、話しやすいではないか。アマリアの提案にノアもあっさりと同意する。もともとそのつもりだったのだろう。

「場所は、……そうね。あちらにて、直近でお会いした場所。そうしましょう」

「ああ、名案だね。そうしよう」

 学園ではなく劇場街でノアと出くわした場所。そこはアマリアの劇場だった。今は閉じられており、人もよりつきにくい。うってつけの場所だろう。

「それに、それだけじゃない。こうして君と昼食もとりたかったんだ」

「ええ、私もよ」

 ノアは偏見なくアマリアと接してくれている。体が強くないと耳にしていたので、アマリアはより丁重に接しようとしていた。だが普段のノアは健康そのものだった。劇場街との関わりにおいての謎は残るものの、良い友人になれることをアマリアは期待していた。

区切りところ間違えたかもしれません。

やたらとここ短いです。

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