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るふな たのしいおべんきょう 5/11 さんじかんめ

ア「三時間目は、魔獣とエレスについてです。魔獣の定義は、以前にお話ししましたね?」

ル「人より大きい。食べられない。人間や、人が作った物に襲いかかってくる。ですよね?」

ア「そうです。概ねその通りです」

サ「それなら僕も知ってたのにな」

ア「海上には、とてつもなく大きな魔獣もいるそうですが、海のことは今回置いておきましょう。少なくとも水平線の外に出れば、帰って来れないと覚えておけば大丈夫です」

ル「私は絶対に行きません」

ア「授業の中でも魔獣といいますが、陸上魔獣の事だと思って聞いて下さい。大体が四足歩行です。魔獣は、ジュラの国ではエレスより南方からしか出現しません」

ル「巨人みたいなのじゃないんですね」

ア「向こうの世界の生き物でしょうか?。。。エレスのある地点は、東西の海岸線まで、馬でおよそ半日の距離です。東には砂浜がありますが、西は断崖だらけです。エレスから北に行くにつれ、東西の海岸線までの距離はどんどん広がります。エレスより南はどのようになってるのか、誰も知りません。この辺りが半島なのか、それとも南にも大きな大陸が広がっているのか。。。冒険の気配がしますが、行った者はいても帰ってきた者はいません。ちなみにジュラの国が出来る前は、エレスのある辺りは魔獣が生み出る地とされていましたが、そうではなかったようですね」

ヴ「それでも稀に"はぐれ"と呼ばれるものが国内で見られる。いずれも3メートルに満たないものだがな」

サ「そのぐらいの魔獣だとどれぐらいの強さなんですかー?」

ア「平地で罠も何もない状況なら前衛兵5人、魔法兵2人が最低必要とされています。同じ条件で、5メートルまでの魔獣は、前衛20人、複合魔法師を含む魔法兵5人が当てられるそうです。ですが、このサイズになると前衛の仕事はかなり過酷です。損耗率50%は覚悟せねばなりません。前衛というより、囮という言葉が適当だと私は思います。要は、この条件で戦うのは指揮官の怠慢か、余程の緊急時です」

ヴ「この条件で、それ以上の個体は無理と思って良い」

ル「勝てないって、じゃあどうするのよ?」

ア「相手より高所をとる、罠で動きを抑えるのがよくあるものです。アルスダムは、その両方を可能にしたから凄いんですね」

サ「全然わかりませーん!」

ア「では、よく聞いて下さいね。魔獣はわざわざ流れる水に入るようなことはしません。ですが、エサを見つけた場合はそうではありません。普通に水中だろうが追いかけてきます。何がエサかは、よぉく考えて下さいね。特に10メートル程ある、陸上最大級の魔獣の場合は、水があっても頑張ってエサを食べようとします。そのようにして、エレスに近付いてきた魔獣は、アルスダム上で対処します。魔獣であろうと、水に入ると当然、水の抵抗がありますから動きが鈍ります。深い所に入ってしまえば、急所である頭部も随分低い位置に降りてきます。そこを水上部隊で強襲するわけですね。いかに恐ろしい魔獣であれ、手足の自由がきかず、急所も手の届く所にあるとすれば?」

ル「少し倒せそうな気がしてきました」

ア「はい、あとは兵の力量次第です。というわけでエレスに常駐しているのは、この大陸ディアス全体で見てもあまり沢山はいない、水軍です。海に魔獣がいなければ、海軍と呼ばれる軍隊がいたのでしょうが、この大陸では川や湖上で活躍する水軍が水上唯一の軍隊です。特にエレスの水軍は、魔獣に特化した部隊が主なので、北にいるような陸軍とは編成が大きく異なります。エレスでの対魔獣戦闘において、前衛の役割は攻撃ではなく、撹乱と束縛です。前衛と言えど、剣や盾を持って陸上で戦う事は愚、弓矢や長槍の(たぐ)いで注意を引くことが賢明といえます。あとは、縄などの拘束を目的としたものですね。水軍では剣よりも、縄の扱いが上手い者の方が出世すると言われています」

ヴ「エレス軍では、対人戦闘訓練においても、小規模なものしか訓練していない。エレスの地まで他国軍が来ることは、我が国の滅亡を意味するが、そもそも、アルスダムとエレスの都市への破壊工作は、多国間の条約で禁止されている。魔獣の進行を阻むのが我が国の国是であり、隣接する北方三国ですら、そこには協力的だ。今のところはな」

ル「だいたい分かりました」

サ「多分、分かりました」

ア「それでは、今日の授業はこれで終わりです。皆さんお疲れ様でした。サリム君は居残りでテストがあります」

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