幕間、ルフナ 叫び 5/1
召喚されてアレンさんと話す間は、頭の中がフワフワとして、とっても変な喋り方だったような気がしていた。自分が何者だったかも忘れて、名前がない事に気づいた時には思わず笑ってしまった。でも、そんなのはどうでもいいことだった。
「ステータス」
思わず呟いた時、目の前に広がったその自分のステータスは、その状況がどうでもよくなるぐらいに、全然訳の分からないものだった。
『名称:ルフナ 職業:マ男者
筋力:1+error 生命:1+error
魔力:1+error 命中:1+error
耐久力:1+error 敏捷:1+error
スキル:$♪?☆¥@/』
バグってる。
一目見て分かった。勇者ですらないイビツな何か。そもそも勇者がメジャーじゃない世界と聞いてこれはセーフなの?アウトなの?いやアウトでしょ。俺?私?いやもうどっちだっていいよ。
それでもアレンさんは優しくて、得体の知れない私に色々教えてくれた。すっごく高い塔から見下ろした時、この街がとっても綺麗な形をしてたから思わず涙が出た。だけど見られてなくて良かった。出来るだけ平静を装っていたかった。
教会に戻ってきて、お夕飯を頂いたり、お部屋まで使わせてもらえる事になったり。身体をふくためのお湯も、随分たくさんくれたような気がする。
優しい言葉だって、たっくさんかけてくれていたのに、全く余裕のなかった私は、うすら笑いを浮かべて、ムニャムニャ呟くだけのお人形になっていただろう。
いつの間にかお着替えの服が、3着も用意されてたのには驚いた。嬉しかった。笑った。泣いた。後悔した。悩みにまみれてるうちに、浅い眠りについた気がする。少しでも状況を整理しようと思ったけど、やっぱり無理。
もう頭の中がぐるぐるで、いっぱいいっぱいで、ベッドに倒れ込んだらそのまま意識が飛んでいくだろう。
そのまま異世界から飛んでいけばいいのに。
そうだ、夢の中に飛んで行けばいいんだ。
それともこれはもう、ただの悪い夢の中?
それじゃあ明日もこのまま。。。




