第1羽 始まりは突然で
プロローグ
彼女は立っていた。
月明かりの差す暗い路地の中で。
不思議に輝いていた。
ここは、東京都の地下500メートルにある、月面人
の街 通称グロテス区。ここには、かつてのかぐや姫の子孫たちが、およそ2000人暮らしている。
「はぁ、はぁ……。」
白いうさ耳のはえた短髪の少女が走ってくる。
「待ってくださいよー。」
少女の後ろから、黒いうさ耳の少年が追いかけて来る。
「遅いよ、ジン。」
少女が少年に向かって叫ぶ。
「アキヤ様が速いんですよ。」
追いついてきた少年が肩で息をしながら、少女に言う
と少女はムスッとした顔で、
「私その名前嫌いだから、アキって呼んでって言ってるじゃん。」
「すみません……。」
「あと敬語もやめてって言ってるよね?」
「そういう訳にはいきませんよ。アキ様は次期女王なのですから。」
「はあ……。」
少女は少し寂しそうにため息をして、亡くなった祖母のことを思い出していた。
「おばあちゃん、なんで私たちは地上に出ては行けないの?」
アキが聞くと、
「それはね、約束だからよ。」
「やくそく?」
「ええ、約束。とても昔ある女の子が地上に行ったことがあるの。」
「知ってる!かぐや姫の話でしょ。でもそんなの伝説よ。」
「さあ、それは分からないけどその時に、地上の人間たちとしたお互いに不干渉にするという約束があるのよ。」
「へぇー。」
しかし、アキは地上を1度見てみたいと思った。
「……ま…………キさま…………アキ様?……」
「……ん、なに?」
「いや、ぼーっとしていたので。それより、勉強の続きをしますよ。」
「ねぇ、そんなことよりさ、地上を見に行かない?」
少年の動きが止まり、慌てた顔で
「だ、ダメです!!地上はとても危ないんですよ。」
「え〜、いいじゃん。1回だけ!そしたら勉強するから。」
「ぅー………………しょうがないですね。」
少年が困った顔で答えると、アキは嬉しそうに、
「じゃあ、さっそく行きましょ。」
高校3年です。受験のストレス発散で、趣味程度に書くので、ご了承ください。




