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軍鶏飛翔伝説 第1話   作者: テル
1/1

孵化、そして母の愛

ニワトリ主人公の英雄譚なんてほかにあるんですかね?先まで書けてるので、また投稿します。

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鳥のセリフ「」

人間のセリフ『』

鳥たちは基本的に人語はわかりません。

鳥同士はキジ科の鳥のみ会話できる設定です


これは世にも珍しい、

人間に逆らい野性を目指したニワトリ達の英雄譚である…

4月の初め

僕の記憶の始まりは、真っ暗な場所だった。狭くて、暖かくて、湿っていた。そして愛に溢れていた。壁の向こうから届く優しい呼び声。僕も必死にそれに答えていた。そんな優しいやりとりは2日近く続いた。


コンコンコンッ

僕は嘴で壁を必死につつく。頭の中でだれかがつつけと言っているんだ。

「頑張れ!もうすぐよ!!」

優しい声、隣や後ろからは、コツコツという音が聞こえる。きっと誰かが同じようにこの壁をつついているんだろう。

そんなことを思っていたらふいに嘴が軽くなった。うっすらと明るい光が見えたかと思うと、大きな何かが覆いかぶさり、また暗くなった。この状態で僕は半日を過ごしていた。

半日くらい経った時、ふと体を回すようにしてつつけと言われたような気がした。誰もそんなことは言っていないのに、僕はその声にただ従ってしまった。しかしこの硬い壁を一周突き破るのはかなり疲れる。

その時、壁の裂け目から大きな何かがしっかり見えたんだ。その茶色い大きな壁を見て僕は無意識に叫んでしまった。

「ママ!!手伝って!」

それはママだと無意識にわかった。見た瞬間そうだと思った。優しく力強い黄色い嘴が壁に差し込まれたかと思うと、いつのまにか僕は枯れ草の中にいた。周りには黄色やシマシマのフワフワした何かがいた。

「そうか!僕もあんな見た目なんだ!」

自分の小さな翼と足を見て僕はそう思った。

その時、優しく温かい声が頭上から降ってきた。

「はじめまして!私のヒヨコちゃんたち!!私がみんなのママよ!」

僕たちはその声を聞いて、安心して眠くなってきた。そしてそのまま寝てしまった。お母さんの温かいお腹の下で。


僕たちニワトリの成長は早い。次の日にはもうご飯の練習だ。


「朝だよ〜みんな起きる時間だ!!」

大きくて強そうな声が響いた。誰かはわからなかったけど、ママと一緒に僕たちも起きた。

「今日からはご飯の練習をしますからね。マ

マの言ったものだけを食べるのよ。絶対に他

のものを食べたらダメよ‼︎お腹が痛くなっち

ゃうわよ。」

その時、大きな扉が開いて、大きな何かが僕たちの方に近づいてきた。

『ちゃんと3つとも生まれてるなあ。跡継ぎ

も産んでくれたし、この雌鶏はこいつらが

育ったらそろそろだな。』

大きな何かが2匹で何か言葉を交わしている。何を言っているのか全くわからない。

「ママ〜こわいよう…」

僕と昨日ママに教えてもらった「兄妹」たちと身を寄せ合ってママの陰に隠れる。

「大丈夫よ。これは人間と言って、ご飯とお

水をくれるのよ。だから感謝しなきゃ。」

その後、僕たちはお母さんが教えてくれた黄色っぽい粉を食べて、お水を飲んだ。

あんまりおいしくなかったけど、ママがこれだけだって言ったから仕方なかった。

その後、ママと兄妹と一緒に人間が入ってきた扉の外に出た。外はびっくりするほど広くて明るかった。

「ママ〜あれなに〜?」

「これって食べてもいいの?」

「この落ちてるやつはなんなの?」

僕たちは思いっきり遊びまわった。そしてママはとっておきのものを教えてくれた。一生懸命木に向かってジャンプしながら、ママは

「ヨイショッ!やっととれたわ。

これはバッタ。とってもおいしいわよ。」

僕たちはママがくれたそれを仲良く食べた。

黄色い粉なんかよりずっと美味しかった。

「ママ〜僕あんな粉より毎日バッタがいい

な」

僕がそういうと、ママは

「バッタは捕まえるのが大変なのよ。なかな

か見つけられないごちそうなの。だからお

いしいの。でも他にもおいしいものはある

のよ。」

そういってママは必死で土を足と嘴で掘り始めた。

「よいしょっと…これがミミズよ。これもお

いしいのよ。」

赤くてぬるぬるしたそれは、バッタとは違うおいしさで、僕はミミズも大好きになった。

「ミミズが一番おいしいね!」

「バッタの方がおいしいわよ!」

「どっちも同じくらいおいしいじゃん。」

僕たちがちょっとケンカしていると、ママは

「将来は自分で食べるものを見つけなければいけないのよ。」

と言った。なんのことかよくわからない。でも僕たちにはママのいない生活なんて考えられなかった。そのまま、僕たちは寝てしまった。お母さんの温かい羽の下で。

興味を持っていただけたなら、続きもよろしくお願いします。

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