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建前男子と本音女子  作者: とりけら
高校1年生編
87/168

テスト結果


「次、斉藤」


 先生に名前を呼ばれた俺は、


「はい」


 と、返事をしてから席を立ち教壇へと進む。


「良く頑張ったな」


 そう先生から言われて俺はテストを渡された。

 テスト用紙の右上には、98という数字が書かれている。


(よしっ)


 俺は心の中で静かにガッツポーズをした。

 そして何気ない顔をしながら自分の席に戻る途中で、俺は本条に「ありがとう」と、言葉を発さず口の動きだけで伝えた。……実際に伝わったかは分からないけれど。


 今日の1限の学級活動は、夏休み明けテストの返却から始まった。

 平均点は73点。比較的高い平均点だった。それでも自分のテストが返却されるまでの待っている時間は、不安なんて気持ちは一切なかった。

 なぜなら勉強したからだ。……いや、夏休み前の定期テストの時だって勉強したけど。勉強の質が圧倒的に今回のテスト前の方が良かったという話で。


 まぁ、ほとんど本条のおかげなのだが。いっその事、次のテスト前にも勉強会をやりたいくらいだ。

 けれど、人に教えてもらったとしても頑張ったのは自分自身だ。自宅でも1人でしっかり復習したし。

 そんな愉悦に浸っていると、本条が自分のテスト用紙を受け取って帰ってきたところだった。

 本条はいつもと変わらない顔のまま自席に座った。ちらっと盗み見た本条のテストの点数は、100。


(さすがです……)


 頭が上がらないとはこのことだろう。

 次のテストは頑張ろうと誓った。達成できるかは置いといて。




 学級活動のほとんどの時間を夏休み明けテスト返しと解説で費やし、残りの時間は体育祭の希望種目決めとなった。

 その時間、俺はあんまり目立たないように窓の外を見たりぼーっとしていた。

 案の定、武史や淳に茶々を入れられたが適当にあしらった。

 そうしてほとんどの希望種目に参加する人が決まった辺りで1限の終わりのチャイムが鳴り、ようやく休憩だと席を立とうとすると、


「けんちゃーーん」


 と、俺を呼ぶ声が聞こえた。

 俺の名前をあだ名で呼びながら近づいてくる奴なんて1人しか居ない。


「どうした琴葉」


 俺は水を飲みに行こうとした足を止め、琴葉の方を向いた。


「どうしたじゃないよ! テスト!」


 切羽詰まった顔をしながら琴葉は俺に近づく。


「テストがなんだ?」


 正直、大体の予想はできた。

 だから俺は適当に対応する。


「やばいんだって!」


 今度は泣きそうな顔で琴葉はそう言う。


「何点だったんだ?」


 俺がそう聞くと琴葉は俺に近づき、


「あ か て ん」


 と、琴葉は俺の右耳に手を当て小さな声でゆっくりとそう言った。

 それを聞いた俺は琴葉の左肩に手を置き、

 

「お疲れ様」


 笑顔でそう言い水を飲みに琴葉を置いて教室を出た。


「ひどいよ!」


 と、琴葉の声が聞こえたが俺は無視をした。

 だる絡みされそうだったし、勉強会を遅刻してきたんだから当たり前だと思ったからだ。

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