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建前男子と本音女子  作者: とりけら
高校1年生編
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夏休みの宿題 前編


「はぁ、はぁ、はぁ」


 俺は今、走っている。目的地である図書館へと、走って向かっている。

 時刻は13時10分。予定の時刻から10分程遅刻している。

 なぜ図書館へ向かっているのか。それは本条に夏休みの宿題を教えてもらうためだ。


 なぜ遅刻しているのか。それは俺1人で行く予定ではなかったからだ。

 そう、琴葉と一緒に行く予定だったのにも関わらず、あいつはどうやらまだ寝ているらしい。

 昨日の夜、案の定俺たちは通話をしていたのだが寝坊しないようにと早めに切り上げて、2人とも眠りに着いた。しかしそれが悪かった。


 琴葉は早い時間に起きた。それはよかったのだが、昼ごはんを食べたら眠くなったと言いだし昼寝を始めてしまったのだ。

 もう昼寝をはじめて1時間経つ。メッセージを沢山送ったり、電話をかけてみたりしたのだが反応は一切ない。直接家に行こうとしたが、琴葉の両親は不在で家には鍵がかかっていて入れない。

 色んな手を考えてみたが時間も時間だから、


「先に行ってるからな!」


 と、メッセージを送ってから俺は1人、図書館に向かった。

 そして今に至るわけだ。


「本条、怒ってなければいいけど……」


 一応、本条には「ごめん、遅刻する」とメッセージを送ってある。……本条からの返信は無いが。

 俺は急いで図書館へ向かった。




 図書館に着くと、俺は図書館の入口で荒い呼吸を整えてから中に入った。

 早く本条を見つけなければという気持ちが、俺の歩くスピードを早める。

 2分くらい探しただろうか、ようやく俺は談話スペースで静かに本を読んでいる本条の姿を見つけた。


「ご、ごめん遅れた!」


 少し大きな声で言ってしまったからだろうか、本条が肩をビクッとしたのが分かった。

 本条は静かに本を閉じてから、


「まぁ、いいけど」


 俺の方を見ながらそう言った。なんだか少し怒っているような雰囲気を感じる。


「あれ? ねぇ、綾瀬さんは?」


 本条は首をかしげながら続けて言う。


「あぁ、あいつは……まぁ、寝坊かな」


 あはは、と正直俺も呆れるしかない。

 本条は、なるほどねという顔をしている。


「まあいいわ、じゃあ早速始めましょ」


 そう言って本条はリュックからドスンと、たくさんのノートと教科書を机に置いた。

 俺が驚いた顔をしているのが本条に見られたのか、本条は、

 

「どの宿題を教えて欲しいか聞いてなかったから、全部持ってきたの」


 と、言った。

 確かに言わなかった。これは俺が悪い。

 こんな重い荷物、申し訳なかったな……と思い、


「ごめん、ありがとう」


 と俺は言った。

 そして俺たち(1人不在)の勉強会が始まった。

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