メッセージ side:本条花凜
斉藤くんから送られてきたメッセージの内容は、
「明日、図書館行くよ。琴葉も一緒に行くことになったんだがいいか?」
だった。
「……ん?」
と、私は一瞬なんのことだろうかと思ったが、そう言えばお祭りの日に私から図書館に来てもいいと言ったことを思い出した。お互いの連絡先については、学校で交換していたけれど、実際にメッセージが送られてくるとは思わなかったから少しびっくりした。
「確か……13時だったっけ」
夏休みの宿題、私自身はすぐに終わらせるタイプだ。だから、夏休みが終わる直前まで宿題を終わらせていない人が本当に存在しているのか半信半疑だったが、今携帯を通してその存在を確認できた。
「早く終わらせればいいのに……」
呆れながら、私はそう呟いた、はずなのだが携帯の画面にうっすら映る私の顔は、知らぬ間に少し笑顔になっていた。その顔が嬉しいからなのか、照れているのかは分からないけれど。
ただまぁ、斉藤くんと話をしたかったのは事実だ。
「少し、楽しみだな」
私はリュックを手に取り、夏休みの宿題を中に入れる。
「あっ、返信しなきゃ」
私は返信した気になっていたが、斉藤くんのとメッセージ画面には私の返信はない。
だから私は、
「大丈夫だよ。13時ね」
と返信した。
すると少し経って斉藤くんから、
「ありがとう」
と返信が来た。
私は人と話すようになって、随分会話というものを楽しいんでいる気がする。単純に、人と話すことが楽しい。それが、一番知りたいと思っている斉藤くんならなおさら。
だから、楽しいのだ。だから、わくわくして心臓がどきどきする。
少し鼓動が早くなった心臓を鎮めるために、私は再び読書を始めた。
大体30分くらい経った頃、私は眠気を感じたから今読んでいるところに栞を差し込み、本を閉じてからベットに寝転がった。
静かに目を閉じると、鎮めたはずの心臓の鼓動がまた少し早くなった。どうやら明日の事で、少し緊張しているらしい。まるで遠足前の小学生のようだと思い、私は心の中で笑った。
どうせ何も起きないし、そもそも綾瀬さんも一緒なのだ。ただ勉強を教えて、少しだけ雑談するくらいだ。
それでも、こんな気持ちになったのは多分初めてで。
これから起きること全てが初めてで。だから緊張しているのかもしれない。
「おやすみなさい」
これ以上考えても埒が明かないと思い、私は小声でそう言って眠りについた。




