連絡
「はぁ……」
夕食とお風呂を済まし自室に戻ると、俺は自分のベットに飛び込み、1つ溜息を漏らした。
俺は仰向けに寝転がりながら右腕をおでこの上に乗せ、ぼーっと考える。
琴葉は可愛い。そう思う。
だから俺は照れる。そもそも女の子として意識したことがないのだから。
でもそれは恋なのだろうか。その事がずっと頭の中でぐるぐるしている。
昔より少し、いや、かなり距離が近くなった。だから、知らなかったことを知ることが出来た。
俺にとってはそれだけの事。
建前の俺にとっては、本当にそれだけなのだ。
「好きって、なんなんだよ……」
琴葉と付き合い始めたこの2日間は、本当に濃い2日間で。本当に知らないことばかり。だからこそ、知りたいと思うのだ。
その場面に恋愛感情があったならどう思うだろうか。
その場面に俺の本心があったならどう思うだろうか。
建前じゃなかったら、琴葉はどんな反応をしてくれたのだろうか。
過ぎた過去は変えられない。本音はなくて、建前であることも変わらない。
今の、建前で合っているはずだ。当分はこのままで大丈夫。
右腕をどかし、身体を起こすと机の上に置いてある今日買ったネックレスに目がいく。
今日の思い出が偽物だったとしても、このネックレスだけはきっと本物だ。そう、琴葉にとっては。
「っと、本条に連絡しなきゃだな」
再び寝転がり、ぼーっと考えながら眠りに落ちそうな所で、俺はすべき事を思い出した。
とりあえず俺はスマートフォンを操作し、本条の連絡先を開く。
「さすがに電話は失礼か……、メッセージでいいよな」
俺はSNSを開き、本条に
「明日、図書館行くよ。琴葉も一緒に行くことになったんだがいいか?」
と、メッセージを送った。
しかし、なかなか返信が来ない。
「本条、大丈夫かな」
やはり心配なのは祭りの後の事で。
何かあったことは確実だ。
祭りが楽しみって言ってたのに、最後の楽しくなさそうな顔が何よりの証拠。
「と言ってもなぁ……」
俺は部外者だ。聞こうにも聞けない。
うーん、と頭を悩ませているとピロリン、と通知の音が鳴った。
本条からメッセージが来たようだ。
「大丈夫だよ。13時ね」
短い文の返信だった。
何か雑談でもできるかと思っていたが、こうも淡白な返信だと話を広げようにも広げられない。
だから俺は、
「ありがとう」
と、一言のメッセージを送ってから再びベットに寝転がった。




