表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
建前男子と本音女子  作者: とりけら
高校1年生編
65/168

本当のデート 前編 side:綾瀬琴葉


「はっ」


 目を覚ますと、大きなクマのぬいぐるみの顔が間近にあった。


「夢じゃ、ない」


 私は小声でそう呟いてから、クマのぬいぐるみをギューッと思い切り抱きしめた。

 ふわふわの手触りだが、抱きしめると少し硬さが目立つ。

 けんちゃんは柔らかいだろうか……なんてことをクマのぬいぐるみを抱きしめる度に考えてしまう。


「あ、朝から何を考えてるだ私は……」


 そう、自分に言い聞かせるように言う。

 私はベットから体を起こし、カーテンの方へ向かった。

 部屋の中はとても暗い。カーテンの隙間から差し込む僅かな光であっても、眩しく感じるほどに。


 私は勢いよくカーテンを開ける。

 すると、太陽の光が私の体全体を包み込んだ。その光は眩しいだけでなく、少し痛かった。

 もう8月が終わりそうと言うのに、夏はまだまだ終わりそうにない。

 そんなことを考えていると、私は妙な違和感を感じた。


「……あれ、結構日差しが痛いな、朝日ってこんなに痛かったっけ」


 私は恐る恐るスマートフォンの電源をつけてみると、画面には10時20分の文字が表示されていた。


「……」


 その画面を見て私はひとつ、大きく深呼吸をしてから、


「寝坊したぁぁ!!」


 と、頭を抱えながら叫ぶのだった。





「早く準備しなくちゃ! と、とりあえずけんちゃんに連絡を……」


 私はすぐにSNSを起動し、けんちゃんに、


「ごめん今起きた!」


 と、メッセージを送った。

 私はすぐに階段を下り、リビングへ向かう。

 どうやらお母さんは買い物に出かけているらしい。


 テーブルの上には、どうやら朝ごはんらしきものがあった。

 私は急いでパンを食べ、牛乳を飲む。

 少し食休みをした後、私は洗面所へ向かった。

 鏡に移る自分の姿は、髪はぼさぼさで少し目の下にくまができている。


「あー、もう」


 せっかくのデートなのに。

 最高の私で行きたかったな……

 そう思いながら、とりあえずお風呂に入ることにした。


 30分ほど経過したぐらいで、私はお風呂から出た。

 髪をドライヤーで丁寧に乾かし、そのまま化粧を始める。昨日と同じナチュラルな目立たない軽い化粧をする。


「これでよし」


 化粧を終えると私はすぐに自室に戻り、手荷物の準備を始めた。

 持っていくものは前回の、けんちゃんと行った買い物の時と同じでいいだろうと思い、すぐに終わらせることが出来た。

 問題は服である。


「どうしよう……」


 初めてのデートなのだ。

 オシャレはしたいけど、しすぎるのも引かれるかもしれない。

 けれど、いつもの私のままはどこかつまらない。


「もう時間もないし……勝負して見るしかないよね」


 結局、私は普段着ない服を選んだ。

 そしてすぐに私は、


「ごめん遅くなった! けんちゃんのお家行くね!」


 と、けんちゃんにメッセージを送った。


 初めてのデートのスタートは散々なものだったが、今はもう、楽しみという胸のドキドキとこれからどうしようかという期待でいっぱいだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ