表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
建前男子と本音女子  作者: とりけら
高校1年生編
51/168

祭り 中編 ④ side:進藤武史


 俺の目から見て、本条さんは他の女の子と違った。

 容姿とか、性格とかじゃない。本条さんが纏っている空気から違っていた。だから俺は、興味を持った。知りたいと思った。

 

 本条花凛という、一人の女の子のことを。


 ただ、話しかけづらかった。

 いつものテンションで話しかけることを考えたが、本条さんのようなタイプの女の子にはきっと逆効果だと思った。最悪な第一印象を与えかねない。

 俺はしばらく考えていると、建真が本条さんと仲良さそうに話しているのを見つけたのだ。


 正直、嫉妬した。単純に、いいなって。俺もそんな風に話したいなって。

 何度か、二人の会話に無理やり入ろうか考えた。けれども、何だか2人だけの世界のように見えて。結局俺は、会話に入らなかった。いや、入れなかった。


 だから、あの時は本当に偶然だった。その場にしゃがんでいる女の子。後ろ姿は何度も見たから間違えない。

 チャンスだと思った。こんな機会、もうないだろう。


 けれど、俺はまた話しかけるのを躊躇った。不審に思われないだろうか、言葉を間違えたら終わりだ。

 頭の中で話しかけるべきかやめるべきか、ぐるぐるする。


 その時、小さな鳴き声が聞こえた。にゃーん、と、微かな声だったが確かに聞こえた。

 その場にしゃがんでいる女の子と猫……。


 そして俺は確信した。猫のことを話題にすればいいんだ、と。

 単純に本条さんが猫好きでただ触っているだけなら、俺も猫が好きなんだよね、と話しかける。迷い猫で飼い主を探しているとしたら、俺も手伝おうか? と話しかける。どちらでも自然な流れだろう。

 なんにせよ、とにかく話しかける理由が欲しかった。

 だから俺は、意を決して話しかけたのだ。


あの時は、変なことを言っていたかもしれない。いや、言っていたな……初対面でいきなり祭りに誘うなんて変すぎる。

雑談の内容は思い出せないけれど、本条さんを祭りに誘ったことははっきりと覚えている。


 あの時はもう、勢いだった。話せたこと自体が嬉しかったから。

 俺が今まで感じたことの無い感情だった。だから舞い上がっていたんだと思う。本当に、OKを貰えるとは思ってなかった。


 今日祭りに一緒に行けたのは、きっと神様からの贈り物だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ