夏休み
※会話文について
ちゃらそうな文(!が付いてる文など)は田中淳の文、普通の文は進藤武史の文です。
分かりにくくて申し訳ないです。
「夏休みだからと言って、気を抜かないように。詳しくは配布したプリントの通りだ。夏休みの宿題も夏休み最終日に行うのではなく、今日から手をつけ始めるように。えー、以上でホームルームを終了とする」
担任の先生の話が終わると、すぐに教室が騒がしくなった。
友達同士で集まり、夏休みの予定を立てているようだ。かくいう俺も、Aグループの皆と集まって遊ぶ予定を立てているのを聞いていた。
「やっぱ海だよなぁ……プールでもいいけどなぁ。行きてぇなぁ」
淳は海に行きたいそうだ。俺はめんどくさいから行きたくないと思いながら、
「いいなーそれ、海行こうぜ」
と建前を言う。いつもの事だ。
「海かー。俺も行きたいけど、予定空いてるかな」
武史はサッカー部に所属している。夏休み中もほとんど毎日練習があると言ってた。俺たちの高校のサッカー部はそこそこ強いらしく、練習がとても辛いらしい。
ならやめれば? と言いそうになったことがあるが、武史はいつも放課後になると笑顔で部活に向かっている。そんな奴にやめれば? なんて言えない。だから俺はいつも頑張れ、と言って見送っている。
「1日くらい休みあるでしょ〜」
ちなみに淳もサッカー部だ。こいつは武史と違って、いつも辛そうな顔で部活に向かっている。
「まあ休みがなかったとしても、先輩達に頼んで1日くらいは休ませてもらおう。せっかくの夏休みだ、俺も皆と遊びたい」
武史は笑顔でそう言った。確かに、一日と言わず数日くらいは休みを許してくれそうだ。先輩たちだって休みたいだろう、知らないけど。
というか、俺なんて多分毎日家でゴロゴロしているだけだから、なんだか申し訳ない気分になる。
「どーせならさ、琴葉ちゃん達も誘わね? 海! みんなで行きたいべ!」
「淳は水着目当てか」
「否定はしない!」
「自信満々で言うな」
どうやら、かなりの人数で行くことになりそうだ。というか海に行くのはほとんど決定という流れになっている。俺は水着を持っていないから、新しい水着を買わなければいけない。
「そう言えば、祭りも皆で行くよな?」
「当たり前っしょー! 祭りも琴葉ちゃんたち誘うしかないって!」
祭り、か。
8月の中旬頃に、毎年市内の祭りが行われる。屋台が沢山出て、花火も上がる結構大きいお祭りだ。
俺は毎年行きたくないなと思いながら、男友達と祭りに行っている。祭り自体は楽しいが、何分人が多くて暑苦しいのだ。クーラー、最高。
「え〜なになに? 海? 行く行く! みんなも一緒に行こ!」
どうやら、別のグループと話をしていた琴葉が別の子を引き連れてこっちにやってきたようだ。合計8人の大きいグループになった。
すぐにSNSのグループが作られ、一緒に行くことが確定した。
海も祭りも、楽しみでない訳では無い。家でゴロゴロしてるよりもよっぽど有意義に過ごせるだろう。
俺は自分のスマホに落としていた視線をグループの方へ向け、真面目に会話を聞くことにした。
本条が今何をしているのか、夏休みに何をするのか、今の俺には興味がなかった。




