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建前男子と本音女子  作者: とりけら
高校1年生編
13/168

裏話① 風邪

本条花凛の裏話です



「ただいま」


「おかえりー」


 やっと家に着いた。

 朝から体がだるくて仕方がなかった。別に斉藤のせいって訳じゃない。昨日からだるかったのだから。……いや、少し斉藤のせいもあるかもしれない。


 なんとか階段を上り、自室のベットに寝転ぶ。朝よりも確実に具合が悪くなっている。頭がぼーっとして視界が歪んでいる。


「花凛ー、ごはんー」


 お母さんが呼んでいる。どうやら夕飯ができたようだ。でも全然お腹すいてないし返事すらできなかった。


「花凛ー?」


 階段を上る音が聞こえる。

 お母さんが心配して自室に入ってきた。


「花凛? 大丈夫?」


「ちょっと、風邪、引いたかも……」


「すごい熱じゃない! この時間は病院空いてないし……。とりあえず薬、持ってくるから! 何か食べたいものある?」


「んー、ゼリーたべたい」


「わかったわ、持ってくるから待っててね」


 お母さんが部屋から出ていく。

 するとすぐにまた自室のドアが開いた。


「花凛ー、大丈夫ー?」


「お姉ちゃん……」


 部屋に入ってきたのはお姉ちゃんだった。

 お姉ちゃんは私のそばに来ると、自分のおでこを私のおでこに当ててきた。


「結構熱あるね〜、明日は学校休んでしっかり休みなさい」


「そうだね……」


「お大事にー」


 そう言ってお姉ちゃんは部屋から出ていく。


 その後はゼリーを食べ、薬を飲み、ふらふらしながらもお風呂に入り、すぐにまたベッドに寝転がった。

 私は左腕を、手のひらが上を向くようにおでこにのせ、今日の朝の光景を思い出していた。


(わたし、ないたのけっこうひさしぶりかも……)


 久しぶりに感情が高まってしまったんだと思う。

 もう昔のことなんて、気にしてないと思ってたから。


 机に置いてある、とあるピンク色のシャープペンシルを見る。それは捨てようと思ってもなかなか捨てられなかったものだ。物に罪はないって思ってたのは、ただの言い訳なのかもしれない。


(さえ、か……げんきにしてるのかな……)


 こんなことを考えるなんて私らしくないと思った。

 風邪のせいで弱っているのだろう。


(おれのことをなにもしらないくせに……ね)


 再びあの時のことを思い出す。

 彼の顔は怒っていた。怖かったけど、あの一瞬、彼の本音の一部が見えた気がした。

 彼はきっと、嘘だらけではないのだ。だから私が……。


「しりたいとおもったから、たくさんしつもんしたんじゃん……」


 今度は訳の分からないことを言ってしまった。

 私は静かに目を閉じる。

 そして私は、知らぬ間に眠りに落ちていた。

裏話は今後も軽めで書く予定です

外伝とかも書けたら書きたいなと思ってます

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